一人暮らしの高齢者
増えてます。
救急現場に行ってても、実感します。
昔は家族はもちろん、隣近所の人が、情報提供をしてくれてましたし、救急車に一緒に乗ってきてくれてました。
このことはとても大切で、病院側としても、手術の承諾や入院の手続きなどで家族がいることは重要なんです。
でも、最近は一人暮らしの人が増えてきてて、本人がある程度しっかりしてたらいんですけど、脳梗塞や心筋梗塞などで意思疎通ができない場合には、その人の氏名、年齢、生年月日、かかりつけ病院、飲んでる薬なんか全くわからないんですよね。
分からないまま、とりあえず病院に受け入れ要請の電話をしたとしても、病院側としても情報が無いのは困るので、受け入れに難渋しています。
ひどいのは一人暮らしで認知症ですね。
もう全くわかりません。
認知症の進行なのか、何か病気が隠れているのか、ロクな検査器具も無い救急隊が判断するのは非常に難しいんですよ。
昔、ある現場にいったんですけど、
一人暮らしの高齢女性で、本人からの通報でした。
とにかく救急車に来てほしいとのことで駆け付けたんですが、
玄関におばあちゃんが立ってて
救急隊 「救急車を呼ばれたのは、あなたですか?」
おばあちゃん 「はい、そうです。私です。」
救急隊 「(めっちゃ元気そうやけど・・・)どうされましたか?」
おばあちゃん 「私の心臓が止まってるんです!!」
救急隊 「・・・・(口ポカーン)」
結局、市役所経由で別居の息子に連絡することができました。
救急隊 「息子さんですか、実はカクカクシカジカで・・・」
息子 「あー、もういいですよ。救急隊さんは帰ってもらって」
「昼過ぎになったら、お弁当を届けにいきますから」
んー、なんかなー、
認知症の母親を一人暮らしさせてて、同じ市内にいるのに、この対応か。
事故とか事件とか火事になったらどうするんだろうか。
なんか寂しくなりましたが、近隣の方が息子がくるまで、面倒を見てくれることになったので、帰隊しました。
ということで、これから日本は高齢者単身世帯が増える一方みたいなので、こんな事案が増えることでしょう。
国としても、マイナンバーカードを活用した救急活動を目指していますが、普及にはまだまだ時間がかかりそうです。
そんなICTに頼ることなく、家族で助け合って、支え合って暮らせる日常が恋しいですね。
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