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グループ展(企画展)を終えての反省

先日、都内の画廊さんで参加させて頂いた10人程のグループ展が終了しました。一人あたり1m程の幅のスペースが割り当てられ、収まる範囲なら何点出してもok、テーマも自由の展示でした。
自分なりに振り返ってみたところ、課題をいっぱい発見したのでここに残しておきます。

課題あれこれ

かわいさ

今回、改めて感じたのは、やっぱり「かわいい作品」が売れる…!!
ということでした。自他問わず…。
もちろん、「かわいい作品」だけではないのですが。
私自身のことで言えば、構図やらモチーフやらを工夫して描いた「苦悩の末に生まれたお気に入りの一品」よりも「わかりやすいさっぱりした構図のかわいい動物がかわいいポーズを取っている作品」のほうがお迎えが多かったです。
色も、明るくほんわかした色合いのほうがモノクロの作品より人気でした。

自分としてはなんともそれが意外で…。

でも考えてみれば、自分の部屋に飾るなら私だって気分の明るくなる、かわいくて、きれいで、癒される作品が欲しくなります。

単純に全ての作品を「かわいく」することはないですが、自分の作風を大事にしつつも、見る人の気持ちに寄り添った作品づくりも必要なのだと感じました。

タイトル

他の作家さんたちはとにかくタイトルのセンスがいい…!!
タイトルを見ることでさらに想像が広がったり、味わいが増したりすることばかりでした。
作家さんにお話を伺うと、本から単語を引用したり、歌詞からひらめくこともあるそうで…。
日頃からの教養って大事だなあと感じます。

作品数

「同じスペースなら、できるだけたくさん出して熱意を伝えよう!」と16点の作品を出した私ですが、どうやら多く出したらよいというわけでもないようで。(何故なのかはっきりとは言われませんでしたが、オーナーさんのつぶやきです)
自分なりに考えてみましたが、
①たくさんあることで、今買わなくても大丈夫な気になってしまう。
②売りたい欲が透けて見えて、気持ちが引いてしまう。
③どれが欲しいか選択肢が多すぎて、結局買うのをやめてしまう。
このあたりが理由なのかな…?と。

確かに、今回一番売れた作家さんは当初7点。(もちろん全て魅力的な作品でした。)売れて持ち帰られた後に追納していました。そしてさらにその作品もほぼ完売。そんな方法もあるのですね。

間をあけたほうが、ぎゅうぎゅうに展示されるより、ひとつひとつをじっくり見たくなるのかも知れません。

今回は結構いい額を使いました。値段ではなくデザインが。街を歩きながら雑貨屋や額屋さんで少しずつ買いためたものです。
その世界観に合わせて作品も描いていったのですが、中には「額がいいね!」と額しか褒めなかったお客様も…。力不足を感じて、がっかりしました。「額と絵の世界観が一緒で素敵」というお声もあったのですが。
次は既製の額に自分で彩色・装飾をして「すてきな額」にしてみようと思っています。

また、少し前までは100均の額に塗装をして作品を入れ安く売る、というのをよく見かけたのですが、今回は私の他に誰もおらず。どうやら敬遠されるようになったみたいです。手頃な値段でお迎えして頂けますし、実際今回も2点ご購入されたのですが…。
どうやら「安っぽい」イメージが作品にもついてしまうようです。

金箔

気になりつつも手が出せないでいる「金箔」…!!
どうやら外国のお客様に人気なようです。
使い方も、今までいろいろな方に聞いたりしていたのですが…
途中で聞きなれない道具の名前が出てくると、「??」となり、「まあいいか、今度ネットで調べよう…」で終わりでした。

安易に「人気だから使おう!」とはなかなか思えないのですが(自分の絵に合うかどうかよくわからないのに、手軽な手段でにゴージャスに見せるようで気が引ける)表現の幅を広げる勉強として、一度やってみたいな、とも思います。

値段

これは展示の度に悩みます…。

今回、とても美しい色彩の日本画で、かわいいのもあり、季節に合った絵でもあり、金箔を散らすなど細部まで美を感じる作品を描いた方が一つも売れていない…ということがありました。

何故なのか。考えられるものとしては「値段」…なのかな、と…。

10㎝角程の作品で10,000~15,000程の価格帯でした。
私からすると、作品のよさを考えれば「とても安い」ですが、
お客さんからすると、その場の感動だけで買うには「高い…」なのかも知れません。

今回よく売れていた価格帯は、おそらく5,000円前後。
5,000円の作品に比べると、同じくらいの大きさで15,000円の作品はどうしても「高い…」と感じてしまいがちです。

自戒の意味も込めて。安易に安く値段をつけるのは自分たちの首を絞めるなあ…、と。制作時間、材料費、額代、交通費、ギャラリーに払うマージン、等々を考えたら、5,000円なんてとても利益にはなりません。画家一本で活動してたら生活できない。

でもご時世なのか、生活必需品ではない「絵画」を気に入ったからといって何万円もするのに即決できる方はそうそういません。(私も含めて...)

できればいろんな方に気に入ってもらって、薄利多売にならない価格でお迎えされて欲しい。

でも、高いと売れない…。

なかなか難しいジレンマがあります。

新規のお客さん

今回の展示では、16点中6作品のお迎えがありました。4名の方にご購入して頂きましたが、新規のお客さんは一人だけ…。もちろん売り上げだけが成果ではありませんが、活動の原動力です。できるだけ多くの人に知ってもらえるようになりたいな、と思います。
馴染みのギャラリーだけでなく、色々な場所で展示してみる、というのも検討していきたいです。

在廊の苦悩

はじめて「在廊」というのができました。
いつもは仕事だったり家庭があったりで長時間は難しかったのですが。

在廊すると
①お客さんと直接話せる。(話した末、お買い上げくださった方も1人ですがいました)
②同じく在廊している作家さんと交流できる。
というよさはありました。

反面、
①作家さんとの話が盛り上がってお客さんの対応がしづらくなる。
②小さな画廊では、他の作家さんとお客さんとの会話で動線が遮られ、自分の作品を見ているお客さんに挨拶できなくなってしまう。

ということもありました。
グループ展ならではですね。

でも自分1人で在廊だと緊張感が半端なかったかも知れません…。
よい練習になったと考えるようにしました。

今回のまとめ

色々書きましたが、「たくさんの魅力的な作家の中で、自分だけのよさを発揮できるかどうか」が大事なのかなあと思ったりします。
惰性で量産することなく、いつも自分のよさや強みを追及して工夫を続けていく必要があるなと感じました。

次回も頑張ります。


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