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ショスタコ交響曲全集と宇野功芳

 ヤフオクでルドルフ・バルシャイ&ケルン放送交響楽団のショスタコービチ交響曲全集(11CD)をたった1000円(!)で落札したら、ブックレットに『レコード芸術』誌の記事がはさまっていた。安く落とさせてもらった上にこんなサービス(?)までついているとはありがたや。こんなことするぐらい好きなのに手放した人には、いったい何があったのかと思ってしまう。

 5枚のうち4枚は、宇野功芳の連載コラム「志木折々」。4番を激賞している平成18年1月号には〈2006年1年間はこの全集を中心に書いてみたいと思う〉と記している。ここにある中で最後の回は、15番を取り上げた平成18年10月号。調べてみたら、宇野サンはこの年の6月に亡くなっていた。早め進行で最後まで書き溜めていた原稿が、死後に発表されたということだろうか。もしかしたら、ほぼ絶筆だったりするのかしらん。〈第15番をもってショスタコーヴィチの最高傑作とすると確信したのは、そんなに古いことではない〉と始まる文章は、〈ほんとうに別れるのが辛い音楽がここにある。〉という一文で締めくくられていた。


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