【ヤクルト】ファーム施設の守谷移転を考える #5 (2023.11)【基本協定締結!】
こんにちは。でぃーだ(@Dee_bbyS)です。
さて、今回のnoteはヤクルトのファーム施設 守谷移転計画について。
7月のnote(#4)から約4か月経ちましたが、今回の移転計画が正式スタートする合図とも言える基本協定の締結が11/10(金)にありましたので、今回のnoteではその内容を中心に記載していこうと思います。
これまでのnoteをまとめたマガジンはこちら↓
基本協定について
11/10(金)に、守谷市・株式会社ヤクルト本社・株式会社ヤクルト球団・茨城県の四者間で、「東京ヤクルトスワローズファーム施設の移転に関する基本協定」が締結されました。
当初は守谷市とヤクルト本社、そしてヤクルト球団の三者で協議を進めていましたが、移転後の広域的な地域経済活性化に向けて茨城県も加わり、今回の座組みになったとのこと。
基本協定の主な内容はこの通り。
(守谷市・ヤクルト球団の両Webサイトより引用)
これを読む限り、ヤクルト本社が球場や室内練習場を建設して守谷市に寄附し、その上でそれらの施設を守谷市からヤクルト本社(球団)に対して営業権を付与して専用利用するという構図になりそうです。
基本協定ではそれ以外にも、今回の計画を進めるにあたって必要となる法律や条例、各組織の位置付けについても触れられておりました。気になる方は下記リンクより。
グラウンド・選手寮等の施設について
具体的に1つ1つの施設について触れていく前に、守谷のファーム施設一帯について簡単に見ていこうと思います。
先ほどの基本協定内で提示されていたのがこちらの図。
5月の住民説明会(参考:note #4)から大枠の変化はありませんでしたが、今までは公にされていなかった選手寮やクラブハウスの位置が屋内練習場の横であることが明らかになりました。(※上図「第2工区」の位置です)
また、サンスポ等の各種メディアでは3Dモデルのイメージ図も公開されておりましたので、こちらも見てみましょう。
こうやって3Dで見るとかなりイメージが湧いてきますね…!
さて、次項からはそれぞれの施設について触れていこうと思います。
本球場
本球場はいわゆるメイングラウンドであり、イースタンリーグの公式戦が開催される球場となります。
グラウンドとしては、広さ(両翼:100m、センター:122m)や、内野が人工芝で外野が天然芝という点など、基本的に戸田球場を踏襲しています。
また、イメージ図を見る限り、ブルペンを観客席から見ることが出来そうですが、これは多くのファンにとって嬉しいポイントではないでしょうか。
一方で、観客席3,000席は現在の戸田球場(約700席)とは文字通り桁が違う収容人数です。
現在公開されている画像を見る限りは、客席部に大きな屋根があるため直射日光を避けての観戦も出来そうですし、加えて飲食店やグッズショップも入る予定とのことなので、かなり快適な観戦が出来そうですね。
また、これは以前から変更はありませんが、ナイター設備の設置が改めて明記され、以前の質疑応答にもあった通りナイターゲームを開催する予定もあるとのことですので、それもまた楽しみですね!
サブグラウンド
続いては、主に練習等で使われることになるであろうサブグラウンド。
以前のnote #4 にも書いた通り、戸田球場のサブグラウンドと大きく違うのは、内外野を完全に備えているという点です。
戸田のサブグラウンドでは投手陣がノックを受けている姿を見ますが、外野も使えるようになることで更に練習の幅も広がるのではないでしょうか。
また、サブグラウンドの広さについては本球場と同じですが、相違点は内野が黒土ということ。
現在のNPBでは内野が人工芝の球場が殆どですが、阪神甲子園球場のように内野が黒土の球場もありますし、そういった球場での対応を練習するためにも黒土としているのではないでしょうか。
また、本球場並びにサブグラウンドはどちらの球場も外野が天然芝です。
一般的に人工芝より天然芝の方が体への負担を減らすことが出来るとされていますし、ファーム施設は選手のリハビリ等で使われることも多い…といったような採用理由もあるのでしょうかね。
また、イメージ図を見た限りではありますが、サブグラウンドが1階建ての構造かつ観客席等の施設は見受けられないことから、観戦(見学)といった用途は現時点ではあまり想定していないように思います。
室内練習場
続いては雨天時の練習を始め、様々な用途で用いられることになるであろう室内練習場について。
室内練習場はこのような基礎情報だけでは何とも言えない部分がありますが、内野グラウンドを確保した上でも投球練習場(ブルペン)6レーンと打撃練習場4レーンが確保出来ており、十分と言えるでしょう。
選手寮・クラブハウス
最後は、選手がリラックスしたり生活を行ったりする選手寮やクラブハウスについて。
なお、これまでの3つの施設が(仮称)守谷市総合公園に建てられるのとは違い、選手寮やクラブハウスは #1 で触れていた(仮称)守谷SAスマートIC周辺土地区画整理事業の用地に建てられるとのことです。
寮やクラブハウスも先ほどの室内練習場同様、基礎情報部分よりも中身が大事であると考えられるため現時点では特に語ることはありませんが、こちらもとりあえず十分な広さがあるのではないでしょうか。
ちなみに「新しく寮を新設するのに部屋が少ないのではないか」と一部で話題になっておりましたが、4軍制を敷くソフトバンク以外の球団は(インターネット上で確認出来る限りでは)27~48部屋の中に納まっており、少なくとも一概に「部屋が少ない」とは言えないと思います。
地域連携
今回の守谷移転はNPB球団としての茨城県への初進出となることもあり、今まで以上に地域連携という点にも積極的に取り組んでいくことになるのではないでしょうか。
基本協定書の中にも「地域経済活性化やスポーツ振興」についての記載がありましたし、茨城県知事も守谷市長も期待のコメントを出しております。
また、以前のnote(#1)でも少し記載しましたが、茨城県には独立リーグ(BCリーグ)の球団である茨城アストロプラネッツがあります。
今回の移転計画についてはその茨城県民球団・河西智之副社長も「野球振興に大きく寄与する」と好意的に受け止めた上で「交流試合などをできたら大変うれしい。選手のレベルアップにもつながる」と期待しておりましたし、こちらとの連携も楽しみです。
茨城アストロプラネッツといえば、監督を一般公募した上で野球のプロ経験や指導者経験のないNHKのディレクターを登用したり、
MLBでも実績のある外国人選手の積極的な獲得を行うなど特色のある取り組みを行って注目を集めている球団ですし、良い関係を築くことが出来ればスワローズにとっても大きなプラスになるのではないのでしょうか。
個人的に少し気になったこと…
そしてこれは私の邪推に過ぎないのかもしれませんが、今回の発表にて個人的に気になったことが1つだけありました。
2022年4月に一番最初に公表された守谷移転協議開始の際は、球団公式Webページのニュースタイトルや本文で「二軍施設」と記載されていました。
一方で、今回の基本協定に関するニュースでは、「二軍施設」の部分が全て「ファーム施設」となっていました。
一般的に「ファーム」は2軍をはじめとする”育成組織”を指すため、#4 の際にサブグラウンドの件と合わせて記載した3軍制導入の可能性があるのではないでしょうか。
今回の記載変更はそのような意図はない些細なことかもしれませんし、そもそも3軍制の導入自体にも是非はあるかと思いますが、これからもこちらは動きを注視していく必要がありそうですね。
最後に
公に協議を開始してからは約1年半経ちましたが、基本協定が締結され、何より具体的な3Dイメージが出たことで、今までよりも更に現実的に受け入れられるようになってきたのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。
さて、守谷のファーム施設は2024年夏頃に着工して2027年1月に完成予定、そして2027年シーズンから使用予定となっております。
戸田での残りが3シーズンとなっているのは少し寂しくも感じますが、守谷はより良い施設となりそうですし、どちらも注目していきたいですね。
今回のnoteでは基本協定の内容に触れることでほぼ終わってしまいましたが、今後のnoteでは”12球団のファーム施設を実際に見て来た”からこその、様々な施設との比較や考察などを行っていければよいなと思います…!
さて、ファーム施設という観点でいうと、2024年は現在のジャイアンツ球場と阪神鳴尾浜球場にとって移転前の最後シーズンとなります。
それぞれTOKYO GIANTS TOWNとゼロ カーボン ベースボール パークとしてどちらも既に建設が始まっておりますが、どのような施設が出来るか楽しみですね。
また何より、2024年にはイースタンに「オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」、ウエスタンに「ハヤテ223」とそれぞれ球団が加わりますし、今まで以上によりファームが盛り上がる1年となるでしょう。
このように、様々な意味で転換期を迎えるファームを盛り上げる一助となれるよう、私ももっと沢山のnoteを出せるように頑張ります…!
では今回はここまで。
ご覧いただき誠にありがとうございました!
<参考資料>
(写真は全て筆者撮影)
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