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【施工計画】

今回は【施工計画】についてお話します。

準備は大切

現場に入ってまず教わったのは「段取り八分」という言葉でした。
意味は大体分かってもらえるかと思いますが、何事も準備が大事ってことですね。
「施工計画」で出題される内容で「総合仮設計画」とか「品質計画書」は、工事を進める上でとても重要なものです。
各工事の計画書には「品質」「手順」「安全管理」などが記載されていますが、一級建築士の試験で特に重要視されるのは主に「品質」ですね。

施工図


さて、工事現場では「施工図」と「計画書」に基づいて作業を進めます。
そもそもの話ですが「施工図」は「設計図」を基に施工者が作成します。
発注者が契約する時に基本とする図面を「契約図書」なんて言いますが、これは「設計図」とほぼ同義と思ってもらって結構です。

「設計図」で契約してるから、その通りに建物を造らないと契約違反になってしまいます。
監理者は「施工図」が「設計図」の意図に適合している事を確認して、承認します。

品質計画書


さて、「施工図」にはミリ単位の寸法が描いてありますが、寸分違わず造り上げるのは至難の業です。
そこで「品質計画書」の出番です。
請負者(受注者・ゼネコン)は「品質計画書」の中に「許容範囲」を示します。
(「許容範囲」とは、本当の寸法はこれだけど何mmまでは許容範囲で合格です、みたいなこと。試験では、この「何mmまでは合格」っていうのがよく出題されますね)
「品質計画書」の提出を受けた監理者は、JASSとかの指針と照らし合わせてこれを承認します。
請負者は承認された「品質計画書」に基づいて施工するって訳です。

概要についてはこのくらいにして、過去問を例に説明していきます。
今日は3問見てみましょう。

過去問解説-1


(26022)【設計図書間に相違がある場合の優先順位は,一般に,①現場説明書,②設計図,③質問回答書,④特記仕様書,⑤標準仕様書である・・X】
・・この問題は、たまに「あれ?」ってなっちゃうかもですね。
基本的な考え方は「より現場に特化したものが優先される」って事です。
「標準仕様書」なんかは基本中の基本で、どこの現場にも共通ですよね。「標準」なんですから。
「設計図」はその現場に特化したものに思えるけど、いろんな建物の設計をこなしてる設計事務所には、マニュアルみたいなのがあって、ある種コピペみたいなこともやってる訳です。
ですから、設計図に書いてあるからって全部正しいとは限りません。
これに対して「特記仕様書」は、「設計図」の中でも特に注意して欲しいところを示すんです。
だから、「特記仕様書」>「設計図」という優先順位になります。
これらよりも優先されるのが「現場説明書」と「質問回答書」です。
この2つは、積算部隊が「見積」してる時に「あれ、おかしいな・・」とか、「この方が安くできるな・・」とかの意見を出して、設計事務所に質疑を出すんですが、それに対する回答なので、何よりも優先されるんです。
「現場説明書」と「質問回答書」は見積の時に添付されるので「見積要綱書」って名前でくくられることもありますね。
まとめると・・
現場説明書・質問回答書>特記仕様書>設計図>標準仕様書
って優先順になります。

過去問解説-2


(22012)【請負者は,工事の総合的な計画をまとめた総合施工計画書を作成し,設計図書に指定のない仮設物等も含めて,監理者の承認を受ける必要がある・・X】
・・「総合仮設計画書」は承認を受ける必要があるの?って考えちゃうと、この問題の出し方をちょっと変えられると訳分かんなくなります。
監理者の承認が必要かどうかは「設計図書」に記載があるか否か、が判断ポイントです。

総合仮設計画書は監理者の承認は不要。(監理者は提出を受けただけってスタンス)
ただし、特に設計図書に指定がある仮設物に関しては承認が必要。
ちなみに他の工事の仮設計画についても、設計図書や契約に特に指定された場合以外は請負者の責任で計画してOKです。

過去問解説-3


(26014)【建築物の新築工事において,積載荷重1tの本設エレベーターを工事用として仮使用する場合,あらかじめエレベーター設置報告書を労働基準監督署長あてに提出することにより,エレベーターの据付工事完成直後から使用することができる・・X】
・・この問題は間違いが2つ。
①「・・届」>「・・報告書」
なんちゃら届の方が、なんとか報告書より重いんです。
②「完成直後から使用することができる」
つまり・・
「・・報告書」だと「これ設置したんで使いますね」って感じで、その場で(もしくは数日後)印鑑もらえばすぐ使えるんです。(「報告」すればそれでOK)
でも「・・届」の場合は「こんなもの設置しますよ。設置したら検査してね」なので「落成検査」っていう完成検査を受けないと使えません。
ちなみに、エレベーターの積載荷重1t以上は「設置届」です。

いかがでしたでしょうか?

今回はここまで(^^)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます!

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