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【仮設計画】


今回は「仮設計画」です。

ここは、足場の数字とか苦手な人が多いんじゃないでしょうか?
6グループにまとめてみましたので順番に説明していきますね。

【A】足 場

足場の種類は大きく分けると2種類です。
(1)単管足場
(2)枠組み足場

(1)単管足場
単管足場は、単管パイプっていう48.6Φの丸パイプをクランプっていうつかみ金物で組み上げます。
(もっと簡単なクサビ式のものがありますが、試験的には無視した方がいいです。)
パイプだけだと作業する足元が不安定なので「布板(足場板)」を敷き込みます。
(現場では、水平材を「布地(ぬのじ)」、垂直材を「建地(たてじ)」と言います)
「布板」はいわゆる足場板で鋼製と木製があります。
よく使う長さは、2m、4mです。
ですから、建地の間隔は大体1.8mに設定します。
建地が1.8m間隔で、そこに布パイプを通せば、うまいこと敷き込めるでしょ。
で、足場板の重ねもちょうど20cmくらいになるってことです。
最初に単管パイプを立てますが、単管ってただの丸パイプなので、下が土だったら沈み込んでしまうし、板を敷いたとしても安定しません。
そこで「単管ベース(固定ベース)」っていう金物に差し込んで建てます。

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(↑固定ベース)

四隅の穴は、敷板に釘留めするためのものです。

それから「布地」と組んでいくんですが、何事も足元が大事ですよね。
ってことで「根がらみ」を入れます。
「根がらみ」は地面から20~30cmくらいのところに入れて「建地」がずれないようにします。
その次の「布地」は地面から1.8m~2mくらいのところに入れます。
高すぎると下からも上からも届かない場所が出来てしまうため、1.8mくらいが基本ですね。
ここで過去問を見てみましょう。

(19063)【鋼管規格に適合する単管足場において,足場の脚部についてはベース金具を用い,地上第一の布については地上から2mの位置に設けた・・〇】
・・ここで「根がらみを入れるので、第一の布は20cmだから(X)」ってしないように。
敷板(ベース金具の下に敷く木製の板)、ベース金具、根がらみは足元の滑動(かつどう)防止のセット物で覚えちゃってください。

(17061)【鋼管規格に適合する単管足場の建地の間隔については,けた行方向を1.8m,はり間方向を1.5mとした・・〇】
・・けた行方向?はり間方向?
「けた行(けたゆき)方向」・・スパン割の多い方向です。長手方向って覚えてください。足場板を流す方向です。「桁行」
「はり間(はりま)方向」・・反対に短手方向です。「梁間」とも書きます。
上記の説明で、建地の間隔は1.8mって言いましたね。
はり間方向は一般的には0.9~1.2mなんですが、最大1.5mまで広げられます。相当敷地に余裕のある現場です(^^)

(20062)【単管足場の壁つなぎの間隔については,垂直方向5.5m,水平方向6mとした・・X】
・・これこれ!ややこしいやつ(ToT)
正解は
垂直 :5.0m以下 水平:5.5m以下
↑これ、なにが何でも覚えてください!!
「壁つなぎ」はご存知ですか?
「足場」と「壁(躯体)」を「つなぐ」金物です。

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(↑壁つなぎ)

足場は躯体と違って杭も基礎も無くて不安定だから、躯体とつないで転倒・倒壊防止とします。

これに似たやつで、工事用シート(養生シート)の支持材の取付間隔、なんてのが後から出てきますが、用途が全く違うので、ゴッチャにしちゃダメですよ!

(2)枠組足場
これは、単管足場よりも安定してるし、組立ても簡単で速いです。

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(↑枠組足場)

「建枠」って言う門型の部材と、「布枠」って言う足場板に爪のくっついた部材、「交差筋交い」って言うX型の部材を組み合わせます。
安定はしてますが、ガチガチじゃないので補強は必要です。

そこで、単管足場と同じように滑動防止セットを入れます。
ちょっと違うのは単管ベースみたいに固定じゃなくて「ジャッキベース」って言う高さが調整できる部材を使います。

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(↑ジャッキベース)

「建枠」が門型なので、きっちり水平に立てないと足場が斜めに立っちゃうからなんです。

「補強」について・・
「根がらみ」と反対で「頭つなぎ」って言って足場の最上部に単管を通します。
これはクランプで緊結します。
この「頭つなぎ」から建枠5層下がるまでに、水平のつなぎパイプを通すという決まりがあります。
過去問で確認してみましょう。

(16065)【枠組足場における水平材については,最上層及び5層以内ごとに設けた・・〇】
・・という風に出題されました。
もし、足場が4層だったら水平材は「頭つなぎ」と「根がらみ」だけになりますね。

(11063)【高さが20mの枠組足場の壁つなぎ又は控えは,垂直方向,水平方向とも9m以下の間隔に設ける・・〇】
・・正解は
垂直:9m以下 水平:8m以下
↑これ、なにが何でも覚えてください!!(二度目)
ちなみに「単管足場」の時は
垂直 : 5m以下 水平 : 5.5m以下
ですので、セットで覚えましょう。

1段目が5.5m以下というのも出てましたね。

次は「手すり」についてお話しますが、先に「枠組足場の手すり」についてちょっとだけ。
管理人が入社した頃は労災事故がまだまだ多くて、安全の基準がどんどん厳しくなっていってる時代でした。
「枠組足場の手すり」は「交差筋交い」と外部側はメッシュシートだけでOKだったんですが、墜落事故が全然減らないので、巾木や中段手すり、手すり枠なんてのを入れなさいって法律が変わりました。

(23021)【高さ2m以上の枠組足場の墜落防止措置については,原則として,「交差筋かいに加え,高さ15㎝以上40㎝以下の下桟,高さ15㎝以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備」又は「手すり枠」を設けなければならない・・〇】

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(↑手すり枠 出典:井澤式建築士試験比較暗記法)

では、足場関係について2つ説明します。
1つ目は「手すり」
手すりの高さは85cm以上が基本。
(むかしは75cmでした。日本人の平均身長が高くなって改正されたとか)
ただし、「切ばり上」って言われたら95cmです。
切ばりって鉄骨で足元の巾が狭いからね。
あと、巾木の高さは15cm以上。(←これは人間の墜落防止であって、物の落下防止は10cmでOK)

2つ目は「布板」
巾は40cm以上にします。過去(X)問で30cmって出されました。
覚え方としては、足場板1枚の幅が大体20cmなので、2枚分ですね。

すき間は3cm以内が基本です。
ただし「吊り足場」はすき間ゼロです。要注意

【B】養生シート

過去問を見てみましょう。

(15065)【落下物に対する防護のための工事用シートの取り付けに当たっては,足場に水平支持材を垂直方向5.5mごとに設け,シートの周囲を40cmの間隔で,隙間及びたるみがないように足場を緊結した・・〇】

これは足場に取付ける養生シートです。
足場の布地は、一般的に1.7~1.8mごとに取付けます。
これぐらいが最も作業性がいいからです。
これの3段分(1.8×3=5.4)<5.5mって覚えましょう。

(24051)【落下物に対する防護のためのメッシュシートを鉄骨外周部に取り付ける場合,垂直支持材を水平方向5.5mごとに設けた・・X】
・・正解は水平方向4.0m ←これ、なにが何でも覚えてください!!(三度目)
これは上と違って「鉄骨」に直接取付けます。
ですから、鉄骨の一般的なスパン長さ=8mの真ん中、すなわち4mって覚えます。
(ちなみに垂直方向は5.5mです。あ、これは上の場合と一緒ですね)

【C】昇降・スロープ

「登り桟橋」
勾配は30度以下、7m以内ごとに「踊場」が必要
いわゆるスロープです。
「踊場を8mごとに設けた」って(X)問題が出された事があります。
現場は狭いので勾配は結構きつくなりますが、それでも30度以内として「滑り止め」をつけます。
力自慢がそろってますが、一気に登るのは危険なので「踊場」も設置します。

「乗込みスロープ」
こっちは車両が作業構台に登るやつです。
勾配は1/10~1/6
つまり高さが1mなら、水平距離は6m以上必要ってことですね。高さ1.5mで6mだったら(X)ですよ。

「タラップ等」
(17035)【高さ又は深さが1.5mを超える箇所については,労働者が安全に昇降できるように,タラップを設置した・・〇】
・・落とし穴にはまって、その深さが1.5mを超えると簡単には上がってこれません。
工事現場では何が起こるか分からない(土砂崩れとか)ので、いざという時に、サッと逃げ出せるようにしないと命に関わるってことで、こんな決まりがあります。

【D】安全係数

吊り足場のワイヤーロープ・・10
  〃  吊りチェーン(鎖)・・5

【E】施工機材

「建設用リフト」は荷物だけ。人は乗れません。
現場でよく見るやつは「ロングスパンエレベーター」と言って、リフトとは別物です。

【F】おまけ

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