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躯体工事―2

躯体工事2本目の記事になります。
今回は『型枠』と『鉄筋』について解説していす。
おまけで『仮設足場』についてもちょっとだけ。

基礎型枠

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こちらの写真は基礎工事の型枠状況です。
検査にも合格し、コンクリート打設を待つのみの状態です。
見えているのは、地中梁の型枠ですが、ここまでの作業工程を簡単に説明します。

○掘削、床付け(とこづけ)
○捨てコンクリート打設(すてこん:基礎や地中梁の下に50mmくらいの厚さで打つコンクリート)
○墨出し
○地足場組立(じあしば)
○配筋(柱⇒基礎⇒地中梁⇒壁挿し筋他)
○型枠建込み

こんな流れです。
写真に見えているのは地中梁の型枠です。木製の板(コンパネ)に桟木(さんぎ)と呼ばれる角材を打ち付けたものを組み合わせます。試験的には『せき板』と呼ばれます。
何枚も並べているのが分かると思いますが、これらは釘で固定していきます。
でも、釘だけでは真っ直ぐ通すのも難しいし、コンクリートを打ち込んだ時の圧力にも耐えられません。
そこで様々な金物を使います。

型枠用金物

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上の写真の一番手前に見えるのが『セパレーター』です。現場では『セパ』って呼んでます。
セパの役割はせき板の間隔を適正に保つ事です。狭すぎても広すぎてもダメなので、内側にはちっこいお椀みたいなものが付いていて外から押しても引っ込まない構造になっています。

セパの両端はネジ切りがしてあって、せき板を貫通します。で、外側に『ホームタイ』と言う金物で、今度は広がらないように締め付けます。

外側では、ホームタイの上下を角形の鋼管で挟んで、真っ直ぐに通すのと、せき板の補強とします。ちなみに関東で使う鋼管は丸形です。何故なのかは、知りません😆

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写真の上の方を見てください。
水平に取り付けてある鋼管の高さですが、一番下だけ地面からの間隔が狭いですね。
これはコンクリートを打設する際、下部の方が側圧が大きく作用するからなんですよ。
構造の三角形を思い出せた人、素晴らしいです。

あと、斜めに突っ張ってるのが『パイプサポート』です。ここでは地中梁を真っ直ぐ建てるために使ってますが、本来は(まあ、これも本来の使い方っちゃ~そうなんですが)梁やスラブを垂直に支えるものです。
コンクリート打設前に垂直に固定して、打設完了直後に、もし動いていたら調整します。
あ、右下ではパイプサポートを水平に使ってるのも見えますね。
パイプサポートって便利なんですよ。簡単に長さの調節が出来ますので。

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この写真は人通孔を撮ったんですが、ちょっと見にくいですね。
真ん中辺りのシルバーの円筒が人通孔になります。見えませんが、当然鉄筋の補強も入っています。
何でもそうですが、梁や壁を貫通させたかったら型枠の中にパイプを仕込みます。
これを忘れるとエラいことになります。

土留め壁

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地中梁でもう一個だけ。
この写真も地中梁なんですが、左側は土留め壁です。
『親杭横矢板工法』の土留めなんですが、よく見るとガタガタで、とても真っ直ぐとは言えませんね。

これは施工不良と言えるのか?いいえ、施工不良ではありません。言ってみれば『施工誤差』です。
現場ではこの施工誤差を見越して、5cmくらいクリアランスを取った位置に親杭(H鋼)を打設します。

鉄筋工事

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こちらは地上階の躯体工事写真です。
これは柱の配筋状況で、主筋の継手を撮ってみました。
この現場では『ガス圧接』を採用しています。
継手検査について、何を思い出せますか?

○検査方法 : 抜取り検査(ロットは?)、超音波探傷検査(全数?)、目視検査(全数?)
○目視検査の合格基準は?(ふくらみの長さ、直径、芯ズレ、曲がり等)
○圧接位置のスラブからの高さ
○隣り合う圧接位置は揃える?ずらす?
などなど。。。

こういうのは、ググればすぐに出てきます。
問題集を解いていて『圧接』って出てきたら調べて見てください。

かぶり

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セパの所でお見せした写真をもう一度。
セパの奥にある白色と茶色の車輪みたいなのが『スペーサー』と言って、鉄筋と型枠の離隔を確保する物です。
《型枠の内側=コンクリートの外側》
なので、スペーサーを入れる事で、鉄筋のかぶりを確保出来るというわけです。
ちなみに現場ではこのスペーサーのことを『ドーナツ』って言いますが、これは忘れても大丈夫です(たぶん商品名)。

写真をよく見ると白い方が大きいみたいですよね。
実際、そうなんですが、おんなじ地中梁でどうして種類使ってるんでしょうね~

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