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【請負契約】

今回は「請負契約」です。

一級建築士の施工科目で言う「請負契約」って、お金よりも責任範囲とかを問われます。
この書類作ったけど誰の承認もらうの?とか、こんな仕事するときは誰の許可が必要?みたいな感じ。
施工科目に限りませんが、頭の中だけで考えると、こんがらがっちゃう事がよくあるんで、問題を解くときにはちょこっと略図を描いて整理すると良いですよ。

登場人物

「請負契約」の登場人物は【発注者】【設計者】【受注者】【監理者】です。
自分は現場管理やってたので、感覚的に「お施主さんは偉い」とか「監理者さんの言うことは聞いといた方がいい」とか考えがちだったんですけど、この感覚で問題を解くと危険です。
基本的に契約って対等なんだと思って下さい。 

それから【設計者】と【監理者】は別っていうことも確認しときましょう。
「設計・監理」って形で同じ設計事務所が両方担当することが多いので、問題を読んでると「あれっ?」って混乱することがあるかも(私はそうでした(^_^;)

契約の流れ

契約形態や、仕事の流れをイメージしておきましょう。
依頼された仕事を、決められた通りに完成して引き渡す。
引き渡すのと引き換えにお金を貰う。
決められた通りに出来てなければ直すのは当たり前だし、引き渡す前に発注者が勝手に使うの普通に考えておかしいですよね。
こんな感じで問題に向き合いましょう(^ω^)

過去問解説


以上を踏まえて、過去問を見てみます。

(09244)【施工について,図面及び仕様書に適合しない部分があるときは,受注者は,その費用を負担して改造するものとし,このために必要な工期の延長を求めることができる・・X】
・・「受注者が費用を負担して・・」までで、「はい、オッケー○」ってしちゃうと間違いです。
続きの「工期の延長を求める」ことは出来ないのでXですね。
本試験中は、精神状態がいつもと違うので、普段なら正解できる問題を読み飛ばしたり、読み違えたりします。
自分は大丈夫、と思わずに慎重に問題を読めるように心がけましょう。

(15243)【監理者が,発注者の書面による同意を得て破壊検査をした結果,図面・仕様書に適合している場合は,破壊検査およびその復旧に要する費用は受注者の負担とする・・X】
・・図面通り出来上がってんのに疑われて、壊されて、その上費用まで負担させられたらたまらんよね。(壊してみたら中身がグチャグチャだったら責任取りますけど)

(23024)【建築工事の主任技術者は,自らが施工する工事と,これに密接に関連する別途発注された第三者の施工する工事との調整を行わなければならない・・X】
・・これは相関図みたいなのを書いてみればすぐに分かります。
ここで言う「第三者」と「建築工事の主任技術者(ゼネコンの監督)」には契約関係はないので、調整する必要はありません。
発注者が「第三者」と「ゼネコン」の双方と連絡を取って「いついつから工事に入ってね、お互いケンカするんじゃないよ」って調整します。

これらは「工事請負約款」に基づいてますので、根拠が知りたい方は国交省のHPで最新版を見てみてくださいね。
参考⇒ https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001331102.pdf 

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