インテリアな時計4-ケースロウ付け-
置時計の試作、前回は針が付きました。
完成イメージを早くつかみたかったので、前回は時計のケースに足(土台)が付いていない状態で文字盤にケースを合わせて針をつけていましたが、今回はいったん文字盤は置いといて、時計ケースに足を付けていきたいと思います。
足を付けたイメージはこんな感じ。足はもう少し外側でもいいかな?丁度20-25分の間の位置と35-40分の間の位置。
まず、真鍮の丸い足のバリ取りをします。リューターを使います。
バリは、素材をカットしたり工場で加工した時に出来る突起やギザギザの事です。このまま製品にしてしまうと使う人々がこのギザギザで怪我をする可能性がありますので、バリ取り作業はとても大切です。
リューターを使用するときは、細かな破片が飛び散りますので保護用メガネをします。
バリ取り前(左)とバリ取り後(右)です。角が滑らかになりました。
時計職人の大先生が作ってくださったお手製のガイドです。工房で使っています。
ケースと足(土台)を付ける部分に裏側から印をつけます。ロウ付けも裏側から付けて出来るだけ表からは目立たないようにします。
次にロウ付けしていきます。
Instagramのリールに上げました。動画の次に画像付きで説明します。
バーナーの火でロウ付け台(回転台)の上にあるケース(時計枠)と土台になる足(真鍮の丸)を、あたためます。
溶接用の銀ロウは温かいところに流れるので、回転台を使って均等にしっかりケースを温めないとケースの歪みになりますし、足にばかりロウが流れてしまいます。
画像の右の器に入った棒は銀ロウ、青いのはフラックスです。
次にフラックスをつけます。フラックスは溶接用の促進剤です。
足の横のシルバーの丸いものは足がずれないように置いてあります。
更に全体をあたためます。
かなり真鍮の表面の色が変わってきました。付けたフラックスが赤くなるぐらいになると銀ロウを付けるのにちょうどいい温度です。
銀ロウをつけます。ピンセットでつまんでいる細い棒が銀ロウです。ケースと土台の間はわずかな隙間があり、接点の上からつけた銀ロウが毛細管現象で隙間を伝って流れ溶接できるわけです。
しっかりロウ付け出来ていますね!これをしばらく置いて冷まします。
冷ましたのちに、希硫酸へ漬けます。
次にバレルをかけます。
これをすることによって、ロウ付けした後がキレイになり、酸化膜の除去ができます。酸化膜はこの後の工程で鍍金加工をする際の妨げになるのです。
左がロウ付け直後、右が希硫酸→バレル後のケースです。とてもキレイになりました!
さて、次に鍍金加工業者さんへ鍍金出しをします。
真鍮特有の緑青(錆)が出ると見ためもキレイではありませんので、製品として販売するものは鍍金をかけます。
現在のDEDEGUMO腕時計のケースサンプルの色を見ながら、悩みましたが艶消しのゴールド系とシルバー系、試作は両方の色をサンプルで鍍金することにしました。
鍍金サンプルが手元に届くまで約2週間かかります。
少し先になりますが、次回は鍍金したケースを再度組み立てしてみて全体の仕上がり雰囲気を見たいと思います。
仕上がりを見てOKならば、すぐに置時計の販売が出来そうです!
来月中に販売できたらいいなあ。
今回の置時計は、時計パーツを使った文字盤デザインの他にお客様に文字盤を自由にデザインしていただくカスタムオーダーも受注予定なので、沢山ケース作っておきますね。
どうぞお楽しみに!
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