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しもやけ

この季節に辛いしもやけ。

例年も辛いのに、今年は「手洗い・消毒・換気」で学校はしもやけっ子には地獄の様相ですね・・・。
外来でも比較的よくみられるので、今回はしもやけについてまとめてみました。結論からいうと、
「しもやけは予防が一番!もしなってしまったら、手袋・靴下で温めてしっかり保湿!なかなか良くならなければ、病院にいきましょう」です。

〜 しもやけについて 〜
しもやけ(凍瘡)は手足や鼻の先、耳など体の末端の血流が、寒さによって悪くなることを繰り返すことで血流がうっ滞することで起こります。
皮膚が赤紫色になって腫れることで、かゆみと痛みがあり、かゆみは温めると悪化します。ただ、しもやけのあるところはとても冷えていて、冷えることで痛みが強くなります。つらい・・・。

実は、1-2月の寒さが厳しい頃よりも、11-12月、3-4月くらいの寒すぎない頃に起こることが多いです。だいたい気温が5度くらいで、1日の気温差が10度前後が要注意です。少し暖かいのと寒いのを繰り返すのがあまり良くないようですね。
発症には遺伝的な要素もあり、だいたいの人はご家族にもしもやけになりやすい人がいます。多汗症などで手足が濡れて冷えてしまうことで発症する方もいます。

ぱっと見ではあかぎれやアトピー性皮膚炎の湿疹、虫さされ、打撲などと見分けがつかないこともありますが、特徴的な部位と冷え、家族歴、症状などである程度は判断することができます。

予防がなにより大切です。室温はなるべく22-24度程度に保ち、外出時には断熱性の高い手袋や靴下をはき、帽子やスカーフで末端が冷えるのを防ぎます。結構冷える地域では靴下は二重(内側に吸湿性のもの、外側に断熱性が高いもの)にはいてもよいと思います。
ただ、汗で冷えてしまうと逆効果なので、濡れてしまったら早めに靴下を変える、乾燥させるなどをした方がよいです。

治療
軽症であれば、温めてマッサージをするように保湿します。ヒルドイドなどのヘパリン類似物質含有軟膏やユベラなどのビタミンE軟膏などがよく使われますが、ご自宅にある保湿クリームでもかまいません。
強い炎症があれば、ステロイド軟膏や抗菌薬含有軟膏をたっぷり塗って、傷の部分をガーゼなどでおおって保護します。さらにひどくなるとかなり治療が困難になることもあるので、チクチク・ヒリヒリしている時点で一度は皮膚科でご相談していただいた方がよいでしょう。

漢方では当帰四逆加呉茱萸生姜湯がよく用いられますが、結構苦いです。温めて生姜湯のようにして飲むこともオススメです。また特に女性では当帰芍薬散などが使用されることもあります。


今回はしもやけについてまとめてみました。実際なってからだとかなり大変で、特に学生は学校生活での苦労が明らかに増強するので、なりやすい人はなるべく予防するようにしましょう。
暖かくなってきても治らないしもやけは別の病態もありえるので、しっかり病院で評価してもらった方が良いと思います。

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