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それは、仕事?

仕事の内容は大きく分けて
「創造」と「作業」がある。という事。
なので、今やっている事はどちらなのか?
という事をはっきり自覚しながら
行動した方がいい。

もちろん、
デザイナーの本業は「創造」なので、
そちら側の仕事に力を入れる。

でも現実は落とし穴がいっぱい待っている。

コンピューターで制作する今よりずっと昔、
手作業で細い罫線を描く作業があった。
ぶっちゃけこれは版下制作であって
正確さは求められるが全く創造的ではない。
たいがい新人の仕事で、ほぼ全員が
他人より細く正確に描く競争をしていた。

もちろん一番細く正確に描ける人が、
先輩にほめられたし、評価も高かった。
そして他にも、レタリングやら平塗りとか
手先の器用さを求められる作業が
山のようにあったのだ。

信じられないかもしれないが、
1mmの幅の中に10本の罫線を引けるかを
競ったりしていたのだ。
計算上線の太さは1ミクロン以下…
(でも実際引ける人が存在してた)

基本的に手先が起用というのが
デザイナーのデフォルトスキルだったので、
みんな競争で仕事をこなしていった。

またこんな作業は、結構楽しかったりする。
だって、できあがりの達成感があるし
仕上げの善し悪しがはっきりしているので、
努力のしがいがあるから…。

でもこれが落とし穴。

目先の達成感、見た目の善し悪し。
悪いわけではないし
求められて仕上げた仕事なのだ。

しかし、いつしか気がつく時が来る。
「コレハシゴトナンカジャナイ…」
そして、そのことに気がつくのは、
今現在没頭している作業が
「自分がやりたかった仕事か?」と
疑問に思った時。
私もそうだった。

多分いまの時代でも変わらないはず。
切抜き作業やトレース作業がある。
コンピューターのメンテナンスは、
烏口を研ぐ作業よりも
ずっと複雑で奥深い作業だと思う。

でもそれらは、
残念ながら全部「作業」なのだ。
「わかってるよ」と思う人もいるでしょう。
でも一度意識して、
今自分がやっている仕事が「作業」なのか
「創造」なのか棚卸しをおすすめする。

そして、
いつもそのことに注意を払うべきだと思う。

一番まずいのは、「作業」も「創造」も
判断がつかない状態なのだから。

※注1)
今回比べる時代が100年ぐらいズレている
から参考にならないと思われるかもしれま
せんが、たかだか30年程度昔の話です。
(笑)

※注2)
手作業について全く想像できないと言う方が
おられるかもしれませんが、大体ケント紙と
ポスターカラーを使用しています。
本当に手先が器用でないと
デザイナーになれなかったのです。

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