ビットコインは20,000ドル台を辛うじて維持するも、上値は限定的。インバース型ETFは規模急拡大、市場の不安感が伺える。
ビットコイン価格
BTC/JPY 日足チャート
アルトコイン価格
前週からの動向
ビットコイン(BTC)は上値が限定的なレンジでの推移が続く。18,19日の急落により18,000ドル割れまで安値を拡大した場面からは反発し、20,000ドルを取り返したものの、依然上値が限定的な弱気なチャートと見て取れる。
冴えない相場が続く中、米ゴールドマンサックス社はコインベース社株を「売り推奨」へと投資判断の引き下げを行った。先日に従業員の約5分の1にもあたる人員削減をするとの発表で、市場の先行きに一抹の不安を与えた同社の動向は、暗号市産業界の注目の集まるところだ。
投資判断引き下げにより、コインベース株価は急落したものの、今のところビットコイン価格に目立った影響は出ていないが、少なからず市場心理を悪化させ、上値を押さえつける要因の一つになっていると考えられる。
21日には、米国初のビットコイン価格のインバース型(逆数)上場投資信託『プロシェアーズ・ショート・ビットコイン・ストラテジーETF』が上場した。ビットコイン価格の変動の逆に価格が動くETFであり、ビットコインが1%下落した際には、このファンドはおおむね1%上昇する仕組みとなっている。
上場からわずか数日で、米国のビットコイン関連のETFの中で2番目の規模まで膨れ上がっていることから、多くの一般投資家が先安を予想していることががうかがえる。
一方、直近で下落の大きかったETH、XRPが、BTCに比べ反発はやや大きかったことで、BTCドミナンスが40%付近まで下落している。
ETHに関しては、取引高がピーク時に比べ60%ほど減少しているとのデータもあるが、その影響で高騰していたガス代が落ち着きを取り戻し始めたようだ。
低迷が続く暗号資産相場の中でも、一部の資金は銘柄物色に動き始めたか。
他金融市場
ドル円は一時136円70銭台まで円安が拡大し、1998年10月以来の水準になった。
世界的な金融引き締めの中でも金融緩和姿勢を計測する日銀の影響で、円売りドル買いのキャリー取引が収まらない状態だ。
今月16,17日に開催された日銀政策決定会合の前後では、何かしらの施策があるとの思惑で、一時円が買い戻されはしたが、大規模な金融緩和を継続する姿勢を示したことで、円売りがさらに加速されることとなった。
暗号資産も為替もボラティリティが大きくなっており、一つのイベントや報道で急落・急騰が容易に起きる相場となっているので、普段以上の慎重なポジション管理を心がけたい。
Author: Flow Trading and Liquidity Strategy Desk
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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