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「私とふるいモノたち」ロンドンでの出会い-ドロボウ市なるもの

「アンティークマーケット好きならドロボウ市に行ってみるといいよ。」

1996年、ロンドン大学に短期留学中に、同じ寮に住む友人から教えてもらったアンティークマーケット。バーモンジーにあるマーケットで、1950年代からあって、毎週金曜日朝の4時くらいの暗いうちから始まり、昔々は盗品などを売っていたことからドロボウ市と呼ばれてたそう。当時の地球の歩き方かなにかの観光本にも「ドロボウ市」と書かれていたような気がします。(あくまで昔の話で、今はちゃんとしたアンティークマーケットです)

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1996年、私が住んでいたのはロンドン南東部だったので、バーモンジーは近いほうでした。
「それは行ってみたい!」と思い、大学が休みのときに友達と行ってみることにしました。同じ行くなら4時から行こうと、クラブで夜中の3時ごろまで遊びがてら時間をつぶして、そこからナイトバス(24時間走ってるロンドンバス)に乗って、ロンドンブリッジまで到着。まだ真っ暗だったので懐中電灯片手に、もう片手にLondon A to Z(今となっては懐かしい!)という地図を持って、時には道を歩く人に声をかけながら、バーモンジーのマーケットを探しました。

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真っ暗な中、広場にたくさんの机が並び、みんな段ボールから古いモノたちを並べはじめました。私の印象では500件くらいあったように感じるのですが、遠い昔で記憶が曖昧です。真っ暗な中、懐中電灯片手に、たくさんの人たちがふるいモノたちを物色し、あっという間に交渉成立させていくのでした。

朝の10時くらいからのんびりと行くグリニッジマーケットとは全く違う雰囲気で、驚きと同時にワクワクするアンティークの世界に引き込まれてました。懐中電灯片手とはいえ、暗い間は何がなんだか分からず、お店の人もドロボウに見え、何も買えないままマーケット全体の大きさを把握するしかできなかったのです。

だんだん、日がのぼり、各テーブルはちゃんとしたお店のようになり、ドロボウに見えた人たちもちゃんとしたディーラーだと分かり、やっと話しかけることができて、小さなアルコールランプと、ピューターの食器、シルバープレートのティーポットなどを買った記憶があります。

寝てないので当然ですが、朝の8時くらいにはすっかり疲れて予算も使い果たし、また、ロンドンバスに乗って寮まで帰りました。寮についたら、ベイリーズというクリーミーなお酒をコーヒーに混ぜて飲みながら、友達と戦利品を見せ合い、満足して眠りました。(ちゃんと二十歳になってましたよ)

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それからバーモンジーのマーケットが楽しみになり、時々、ナイトバスでクラブとマーケットのハシゴで足を運んでいた学生時代でした。それでも疲れなかったのは若かったからでしょう、、、今思えばかなり掘り出し物のアンティークやビンテージもたくさんありましたが、買う余裕はありませんでした。時々、あのときのあれ買っておいたらよかったなー、と思い出すものもあります。インターネットが普及する前の時代だったので、マーケットにたくさんのものが集まっていたのだと思います。

お店をはじめた2001年頃には、バーモンジーのマーケットはまだ大きな規模でやっていて、懐中電灯片手に仕入れに行きました。さすがに仕事なので、仮眠をとって3時くらいに起きて4時くらいに着くようにタクシーで行っていました。暗いうちに仕入れたものは傷に気がつかなったり失敗も多かったのですが、良いものに出会うこともありました。

あるとき、ロンドンの再開発でバーモンジーのマーケットは一旦なくなってしまいました。ボロボロだったジュビリーラインの地下鉄も駅もきれいになって、モダンになり、ロンドン南東部の雰囲気もずいぶん変わりました。

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今はまた、規模をかなり小さくしてまた開催していて、ほとんど行くことはありませんが、数年前懐かしいので行ってみました。区画整理で街の雰囲気も様変わりし、もう4時に始まることなく、普通に朝6時くらいから始まっていて、90年代の活気はなくなってさみしい気持ちになる一方、ところどころ当時と変わらない所もあって懐かしかったです。今はバーモンジーマーケットのウェブサイトもあるようです。

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アンティークマーケットへのワクワク感は忘れられず、留学から帰国して、大学在籍中にヨーロッパ旅行するようになっても必ずアンティークマーケットやアンティークショップ巡りをしていました。そのときは、まさか自分がアンティーク屋さんになるとは思っていませんでしたが。。。

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