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【実施レポート】1/21 夜活イベント「メメント・モリとわたし」

1月21日(日)閉店後に夜活イベント「メメント・モリとわたし」を開催しました。
一言でいうと「とても良い会だった」という事に尽きますが、簡単に実施レポートを作成しました。

テーマ的には重たいテーマの中、それぞれの方が考える「メメント・モリ」について思い浮かぶ本と、ご自身の考えを発表していただきました。
かなり深い話まで出ましたが、今回のレポートでは参加者の方の体験や考えの部分は書かず、ご紹介いただいた本を中心にまとめさせていただきます。
ちょっと言い訳ですが、会に入り込みすぎて、ほとんどメモを取ることを忘れてしまっていたため、記憶があいまいな部分があります。温かい目で見てください。

「メメント・モリ」とは、ラテン語で「死を忘れるな」「死を覚えて」という意味で、中世の修道院での朝のあいさつの言葉です。
元々はこの後に「カルペ・ディエム(その日一日の花を摘め、今を生きよ)」と続きます。

参加者の方が紹介した本は、次の6冊です。

①トムテ(作:リードベリ 絵:ウィーベリ 訳:山内清子)偕成社

「トムテ」とはスウェーデンの言い伝えで、家を守り幸せにする小人のことを言うそうです。何百年も生きるトムテは「命はどこからきて、どこに行くのだろう」と考えます。
住みついた家の家族を、何人も看取っていくトムテならではの考え方だなと感じます。

②人質の朗読会(小川洋子)中央公論出版社

人質にとられた9人が、それぞれのストーリーについて朗読していくお話。自分の命がどうなるかわからない状況で話す内容は、やはり「生きる」ことについてテーマになっているのではないでしょうか。自分だったらどういう話をするだろう・・・と思わず想像してしまいます。

③メメントモリ・ジャーニー(メレ山メレ子)亜紀書房

「お葬式を明るい場に」ということで、ガーナ棺桶紀行に行く作者。装飾棺桶を作っている西アフリカの工房でポテトチップス型の棺桶を発注。完成後には一族で宴が開催されるなど、葬式のイメージが変わってしまう体験をしています。ポジティブにメメント・モリを捉えてみる、という視点を与えてくれました。

④アステリズム(金川宏)書肆侃侃房

短歌の歌集を紹介してくださいました。短歌は本当に読み手によって違った印象を与えるし、そして読み手によって心に残る歌は違うんだな、と改めて感じました。
猫以外みんな病んでる
という言葉にみなさん反応していました。

⑤死ぬ瞬間(エリザベス キューブラー・ロス)読売新聞社

この本で書かれている死にいたる5段階説というのは、私の父が末期癌と診断された時に、医者の親戚から聞いた記憶がありました。アカデミックの世界ではまだまだ議論の余地があるみたいですが、経験知の観点からは死について考える重要な本だと思いました。

⑥だいじょうぶ だいじょうぶ(いとうひろし)講談社

おじいちゃんとぼくの話。「だいじょうぶ」という言葉は、とても強い力があって、でもその強い力は、おじいちゃんとぼくの温かい関係性からくるんだろうな、というのが伝わってきます。知らない人にいきなり言われても「うるさいわ!」となりそうです。温かく生きたいなと思わせる1冊でした。

ちなみにチラッとですが、私は村上春樹の「ドライブ・マイ・カー」を紹介させていただきました。「なんで相手が生きてるうちに●●しなかったんだろう」という後悔をできるだけ持たずに生きれるように・・という想いを込めました。他者との繋がりを考える一冊です。

本から、そこにまつわる参加者のお話まで、ほんとに良い会でした。こうした会は今後も定期的に開催する予定ですので、もし興味がありましたらぜひご参加ください。

最後に、今回「スナック保健室」さんに告知から当日の準備、進行までほぼ全てと言っていいくらいお力添えをいただきました。私だけでは絶対にこれほど素敵な会にはならなかったです。本当にありがとうございました。

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