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ぺらっぺらっ

夏は苦手だ。暑いのも湿度も、そして前を向かせようとするかのような明るい太陽の日差しも苦手なままだ。こんなに生きてきて仲良く出来ないって事は多分居なくなるまでずっとこの季節に文句を言いながら過ごすんだろう。

今朝は暑くなるとテレビで聞いて薄手のスカートを選んだ。少し前の母なら『そんな裏地みたいなスカートがカッコいいの?』と咎めるような口調と表情だっただろうなと思うような薄いスカート。風に吹かれると揺れて涼やかで着心地が最高に良い。そして何よりも怠け者な体のあちこちを隠してくれる。誰が何と言っても私のお気に入り。

そんなお気に入りを着ないと気持ちがどんどん沈むぐらい、今日は心の湿度が高い。気を抜くと沈み込んでびしょ濡れになりそうだ。そうでなくても、このぺらっぺらっのスカートはそのまま私の薄っぺらさに似ている。似ているから惹かれるのかもしれないなと思うとこれまた心の位置エネルギーが一段階下がる。

何してんだか。何考えてるんだか。

ぺらっぺらっの私は薄っぺらい事ばかり考えて同じ所をぐるぐる回る。

こんな日は大人しくしておくのが賢明。誰にも、自分にも迷惑かけないようにやるべき事だけは何とかこなして1日を終えよう。

夏は明るくて苦手だ。早く夜が長くなれば良い。

体も心も何だか重いけれどやると決めたから。レベルを軽くしておいて良かった。


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