見出し画像

菩提心の称賛《宝珠の灯》第110偈

110)天をも含めた全ての衆生を、
一時的には輪廻においての楽と、
究極的には完全な菩提へと、
菩提心が客人としてもてなす。
 

 
菩提心は、
他利を動機として自らの菩提を追求する心であるけれど、
 
全ての衆生の幸せに、
自ら関わろうとする源泉にもなっている。
 
全ての衆生とは、
会ったことがあろうと無かろうと、
自分より優れていようが劣っていようが、
仏陀以外の者全てが含まれる。
 
彼ら全てを客人として大切に扱うのであるが、
 
客人も千差万別ある故に、
彼らが望むもの、喜ぶものも千差万別である。
 
場合によっては、
五感を超越した意識の解放を得るより、
目の前の美味しいご飯を食べたいという者もいる。
 
菩提心は、それら全ての客人に対応して、
彼らが、今はその究極の目的を視野に入れることができなくとも、
道を進み続けることができるように、
方便としての楽も提供する。
 
ホテルのマネージャーに似ている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?