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菩提心の称賛《宝珠の灯》第103・104・105偈

103)仏であるラマの善説の
乳海より起こった最高の精髄は、
菩提心であり、努めて
菩提を得るまで大切に保持したまえ。
 
104)風が羂索に当たることはあり得る。
白檀が熱を持つことはあり得る。
光が闇に変化することはあり得る。
菩提心が欺くことは、あり得ない。
 
105)作り物でない菩提心が
生じることは、もちろん非常に難しいけれど、
何千劫と努めなければならないとしても、
不退転の心力で尊びたまえ。


 
「仏」は、チベット語直訳では「壊(bcom)有(ldan)」。
阿羅漢(dgra bcom pa)と、
全ての功徳を具える(有する)者(yon tan mtha dag dang ldan pa)の
合体した言葉なのだけれど、
分かりやすく「仏」とした。
 
「風」の部分は、チベット語で「香りが乗るもの(dri bzhon)」と表記されている。
 
想像力をかきたてられるところは、
「白檀が熱を持つことはあり得る。」
 
「熱を持つ」とは、ただその温度が上がるだけの意味にもとれるが、
生き物のように動いたり、話したりすることができるという意味で使われることもある。
 
白檀で作られた如来像が立ち上がったのか?
法を説かれたのか?
 
そんなことを考えてしまう。

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