口伝７日目：超宗派

今日も午前７時半から
律経１０巻目の口伝が始まった。

昼休みを経て
１時からのセッションで
午後２時に１０巻目完了。
１１巻目に入った。

今回の口伝は
リンポチェが属するカギュ派だけではなく
ゲルク派、ニンマ派、ジョナン派と、
宗派を超えた参加者が集まっている。
https://www.facebook.com/share/dqRHp8PU1hv5NnS5/?mibextid=WC7FNe

随分集まったものだと感じていたが
同じタイミングで
チベット仏教、ディゴン・カギュ派の
非常に大切な法話会が
ボーダナートの近くで行われており、

その法話会のお陰で
人が分散して少なくなったのだと聞いた。

ボーダナートの法話会がなかったら
これよりずっと多くの人が来たいただろう。

ダラムサラに住む筆者は
お膝元で行われるダライ・ラマ法王の法話会や
ゲルク派先生の法話会に参加することが多い。

必然的に
ゲルク派僧院の学僧方や
先生方とご縁することになる。

今回のように
カギュ派の先生の法話会に参加することは
非常に珍しいのだが
知り合いが沢山参加していることからも
宗派を超えた人々が集まっていることが分かる。

宗派は違えど
釈尊という大先生の生徒であることは同じ。

特に今回は、
仏教徒であれば
生きてるうちに一度は受けたい
経典の口伝。

「何があっても法話を受けよう」
と思って来てみると
知った顔を幾つも見る。

「ここにもいましたね。」
にっこり会釈をするだけで
言葉にする必要もない共感がある。

信仰というのは一種の思い込みだが、
一途にありがたいと思い込んで集まっている人々は、純粋で可愛いところがある。
「リンポチェ凄く速い！
わたし達が普段読み慣れてるお経より速い！」
と、参加者は結構盛り上がっている。

読みの速さで言えば、
この速さは経験したことがある。

ダライ・ラマ法王の法話会で、
道次第(どうしだい)等大冊の口伝を受けた時、
同じくらいか、
これより少し速いくらいのスピードで
口伝をされていた。
ページを繰るタイミングだけで
ついていった記憶がある。

会場には
チベット人、ネパール人だけでなく
諸外国からも善男善女が集まっている。
台湾・ベトナム・シンガポール・香港・
韓国・中国・モンゴル等のアジア圏はもちろん

アメリカ・ヨーロッパ・
ロシア系の人々も見られる。

これだけ沢山人がいれば
日本からの人もどこかにいるだろう。

今分かっている限りでは、
日本からの参加者は２人。

昨日、経典についての資料をシェアして下さったお坊さんの李さんと
筆者の計２人である。
他にもいらっしゃるかもしれないが、
まだお見受けしていない。

もし何方かいらっしゃったら、
お堂の前の階段のところに座っているので
声をかけて下さいね。
https://www.facebook.com/share/Xg6M3hMVEWcR4QCK/?

今日は日本のチベット仏教のお坊さん
板野さんにもお目にかかった。
口伝のお昼休みに、
李さんに連絡があって
便乗したかたちである。
南インドの法話会の前に時間が空いたので
巡礼とともに法具を買いつけに来たということだった。
お疲れ様です。

法話を受ける時には、
各々意思をもって受けるので
誰かと一緒にいる必要はないけれど

時々気づいたことを共有する
仲間が欲しいと思うことがある。

こんな時、
共通の社会的背景を持つ人は
非常にありがたい。

口伝を受けながら、
このリンポチェは
誰かに似ている、似ている
と感じていたのだが
初めは誰に似ているのか分からなかった。

何かの拍子に誰に似ているか気がつき
随分スッキリしたのだが、
これを誰かに話したい。

変な奴だと思われるかもしれなかったが、
分かってくれるだろう人は
日本から来た李さん1人しかいない。

勇気を出して話したら
少し分かってくれた。

失礼に当たるかもしれないので
誰に似ていると感じたかは
ここでは書かない。

口伝をなさっているご様子を
インスタでシェアしているので
想像してみてほしい。
https://www.instagram.com/reel/DCJmuSjO-iQ/?igsh=c3BzNGtxZ2RiN2wx

前述のように
リンポチェはカギュ派の先生だが、
今回、主な口伝の請願者は
ゲルク派のギュトゥ密教僧院に在籍しておられた先生方だった。

ギュトゥ僧院は、
カルマパというカギュ派の偉大な指導者がいらした場所でもある。

法話会にはゲルク派のお坊さん
仏教博士が沢山。

カギュ派のお坊さんはもちろん
ニンマ派の高僧の方々、
日本にいらしたこともある
ジョナン派法主の先生も列席しておられる。

中央ジョナン派ゲルツァブ・リンポチェ

釈尊の言葉だけで
これだけ多くの人が集まるのだ。

それにしても口伝が凄い。
法話会場が異空間になっているかと思われるくらいである。

仏法に向かって意思を同じくする人が集まると
磁場が変わってくるのか、
リンポチェの声が低音で
スピーカーを通して聴くと重低音になるせいか、
あるいはオーディオ施設の電線が多くて微力の放電があるのか(そうでないことを祈る)、

静かに目を瞑って聴いていると
身体の内側が細かく震動しているのが分かる。
２ヶ月聴き続けたら
何か変わるだろうか。

２６００年前に
現在のネパール・ルンビニーに生まれ
インドで悟りを得て法を説かれた釈尊。

自分の言葉が巡り巡って
２６００年後故郷の近くで
大群衆の前で超高速で読まれ、
聴かれているとは

神通力で
ご覧になられてはいただろうが
やはり凄いな。

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