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菩提心の称賛《宝珠の灯》第322偈

322)愛情の曼荼羅は丸く美しく、
慈悲の鹿のしるしで飾られている。
この菩提心の月が
ありながら、空の月で何をしようか。


菩提心は慈愛の光を放つ満月のよう

であるが、
夜空の月をも凌ぐ。


愛情(byams pa)は
幸せになってほしいと願う心。

全ての衆生を余すことなく受け入れて、
幸せにしたいと願う心は、
欠けることのない正円の曼荼羅のよう。

慈悲(snying rje )は
苦しみから助け出したいと願う心。

観世音菩薩もその皮をまとっている獣(鹿)は
慈悲の象徴になる。


菩提心は
全ての衆生に対する愛情を基礎にして

彼らを苦しみから解放しようとする
強い心を経て生じ、

その後も愛情と慈悲と共に育っていく。


目に見えない菩提心が、

目に見えない幸せと、
目に見える幸せと、

更には最終的な結果として、
仏陀の地へと導く。


空の月は、
白光の美しさと涼やかさを与えてくれるが、

その先に
連れて行ってくれることはない。


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