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菩提心の称賛《宝珠の灯》第62偈

62)菩提心を具えなければ、
他の法を具えていても、仏陀にはならない。
命根を具えなければ、
他の根は意味をなさない。
 
 
 
「命根」とは、身体と心を結び付ける働き、
あるいは生きものの温かさの拠所となる器官。

「これがあるものは生きている」
「これが無ければ死んでいる」というようなもの。

さまざまな根については、『倶舎論』に詳しい説明がある。
 
命根が無ければ、その身体は死んでいるので、
眼や耳等の「他の根(感覚器官)は、意味をなさない。」
働かない、ということ。
 
以前、或る先生から聴いたことがある。

どんなに素晴らしい存在でも、
仏陀について知らなければ、仏陀になりたいと思わなければ、
仏陀にはならない。
(何故ならば)仏陀になるという目的がないから。
 
菩提心は、利他のために、
「菩提」という仏陀の境地を目標に据える。
 
それがあるから目的地へ向かい、
それがなければ、
違う場所へ逸れる。

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