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菩提心の称賛《宝珠の灯》第11偈

11)「自他の利益をする
最高の方便は何か?」と精査すれば、
宝珠のような菩提心のみで
あると確信して、喜んで生じさせたまえ。
 
 
「自利」「他利」という言葉がある。
 
「自利」とは文字の如く、「自らを利益する」
「他利」とは「他を利益する」。
 
「自利」だけでもいけないし、
「他利」だけでも続かない。
 
菩薩は、『どんなに長い時間をかけても、苦しむ衆生を最適の方法で救うために、何としても仏の境地を得たい。』と強く思って徳を積む。
同時に空性について学び、考え、正しく了解して、瞑想する。
 
空性を悟り、瞑想することは、自らの役に立つ。
自利の法身(ほっしん・仏陀の意識と、仏陀の意識の空性)を得る直接の原因になるからである。
 
他の善行によって積まれた福徳は、
他利の色身(しきしん・仏陀の身体)を得るための原因にとなる。
 
仏陀の自利の法身は、仏陀以外の他者には見えない。
他利の色身は、他者を利益するために、色形をもって現れる。
 
皆の役に立ちたいと考える菩薩は、他利の色身を得るために頑張るけれど、
色身を得るためには、自利の法身も手に入れなければならない。
 
「この二つを一緒に高めていける心が菩提心であるので、
未来の結果の素晴らしさと、
今の意義とやる気に胸を膨らませて、
喜んで生じさせなさい。」
 
「喜んで」というところがポイント。
「喜び」と「頑張り」のバランスを取っていこう。
継続させるために。

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