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『ねばえん!』

これは2022年9月24日に終了したラジオ番組『ラジオでお給仕っ!めいどいん!の萌えチャージ♡』に投稿したものの、最終回までに読まれることが無かったネタメールである。

恋にまつわるエピソードを募集! 的なコーナー宛に送った『つららさんの夢小説』が、ごく一部に好評だったのでその第2話を書いてみたわけである。
ちょうど『ねばえん!』が配信開始された時期だったので、そこから妄想を膨らませてみた。
※このnoteの最後に脳内設定の内容も記載されているので、「わかる!」となるか「キメェ!」となるかは読んだあなた次第です。


夕日が校舎に長い影を落とす。

一緒に帰ろうと約束したのに委員会が長引いてしまった。待ち合わせをしていた下駄箱につららの姿はない。

約束の時間からはだいぶ過ぎている。普通に考えたらすっぽかされたと思って帰ってしまうだろう。
僕は明日どうやって謝ろうとか、またアイスを奢らされるのかな、なんて考える。靴を履き終えてため息をつくと、玄関を出てすぐにある水飲み場の縁に座っている彼女が目に入った。

「じゃあ帰ろっか」

スカートのほこりをはたきながら、何事もなかったかのようにつららは帰ろうとする。少なくとも2時間は待っていたはずだ。

「いやいや全然待ってないから! こっちも生徒会が長引いちゃったんだよね」

歩き出した彼女があっけらかんと言う。そんなはずはない。委員会の途中でトイレに行った時、同じクラスで生徒会のおしおが帰るのを僕は見た。

「……」

彼女が何かを言った、気がした。
ギリギリ聞き取れない声だったので聞き返すと、彼女は足を止めて振り返った。

「うそ! ずっと待ってたし!!」

この広い世界の片隅で、僕と彼女のネバーエンディングストーリー、僕らの『ねばえん!』が始まる音がした。


いかがですか?
これを送って読まれなかったという辱めは。

言い方が正しいかはなんとも言えないが、『会って話すこともある人物がラジオ番組をやっている』ということに、毎週ワクワクした番組だった。土曜日の深夜に仕事をやる理由ができたのもありがたかった。

ラジオ番組を1年続けるというのはとんでもないことだと思う。半年もたずに終了してしまう番組だってザラにある世の中で、秋葉原のメイドさんふたりが番組を盛り上げ、MCを勤め上げたのは番組に向ける真摯な気持ちがあったからかもしれない。

ハガキ職人時代を思い出せた良き時間でした。
終了してからだいぶ経ちますが、あらためてありがとうございました。
トーク形式の何かが、また別の形で復活することを願ってます。


『脳内設定』
■つららさん
主人公とは別のクラス。生徒会に所属。
男女別け隔てなく仲良くするタイプ。恋には興味があるものの、好きな相手を目の前にすると言葉に詰まってしまう。恋愛にだけは奥手。
しかし、心の壁を崩した途端にちゃんと気持ちや感情を伝えるようになる。

■おしおちゃん
主人公と同じクラス。生徒会に所属。
つららさんの主人公に対する思いをなんとなく察していて、それとなくくっつけようと画策している。恋のキューピッド役になるタイプ。
本当はそんなやり取りをする第3話も考えてはいた。

■気をつけていたこと
・主人公のセリフはナシ
・主人公と両思いの描写はしない
・明確な恋愛描写はナシ
・現在設定ではない

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