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ビルドアップ練習は3対2が最適!?

子ども達を指導していて、GK問題は付きものだと思います。GKにキック力がない子が行けば瞬く間にゴールキックが大ピンチになる。

その解決策として一番簡単なのはキック力のある子にGKをさせて、ゴールキックになると思いっきり蹴らせる。運が良ければボールは相手DFラインの裏を突いて絶妙なスルーパスになり得点チャンスが生まれます。指導者としてはそれで得点が入って喜んでいる子ども達を見ていて嬉しい反面、「これはちょっと違うなぁ・・・。」と感じるはずです。

そこでどんな指導者もGKからサイドバックへボールを出して、そこからMFが下りてワンツーなんかして、簡単に相手のプレスを回避しながらボールが一度も地面から離れずに前進する光景を一度は夢見るのではないでしょうか。そんな極上のスペインサッカーの理想郷が頭にはあるものの、実際はかけ離れたサッカーをしてしまっている子ども達に理不尽なゲキがよく飛んでいるのを目の当たりにします。

ではなぜ子ども達が理想のサッカーに近づいていかないのか。なぜGKからの最初のパスで選手は混乱し、瞬く間に失点シーンに繋がってしまうのでしょうか。私も実際こう言ったシーンは沢山見てきました。教えてる子ども達は何で正しい判断が出来ないんだろうと。

その答えはやはり、彼らはそう言った状況での練習をしていないからです。試合は本当に練習でやらないといけない事がよく分かります。子ども達は大前提として、練習でやっていない事は出来ないのです。これを試合でできないからと言ってイライラするのは支離滅裂な話なのです。

ビルドアップをしたいなら、まずハーフウェイラインまでチームでボールを運ぶ練習をしないといけません。最初から同数ではなく攻撃有利の状態から。子ども達は成功体験がないと自信がついていきません。だったら自信がつく状況を用意してあげれば良いのです。例えばフットサルコートサイズの練習場所であれば、以下の3対2の様な練習は一つのビルドアップ導入として効果が見られました。(小学2-6年生で実施)

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【ルール】
・ゴールはハーフウェイライン上に3つ。シュートではなくドリブル通過。学年によってもう少し下げて相手陣地までボールを運ぶ練習にアレンジしても良いか思います。
・ボールは必ずGKからスタート。選択肢は3つ。両サイドバックかMFにパス。SBに出たら必ず全力でDFチームはプレスに行く。守備の原則はボールに一番近い選手がボールへアタック。もう1人はその後ろのスペースをカバーしながらMFをケアする。逆サイドの選手は放置でOK。(ボールが逆サイドに流れればスライド)

ここで行って欲しいのはSBに出た時にどう言った判断が出来るのか。パスかドリブルかの単純な選択肢だけではなく、DFの位置とスペースの位置をボールを受ける前に確認する事。味方の位置も。ボールを受ける前にボールとGKから目を離して相手を見る勇気が必要です。ミスをしても良い。最悪ボールを後ろに逸らしても良い。

そして特に拘って意識して欲しいのは、どうすれば敵の裏をかく事が出来るか。英語で言うと「outsmart/outwit the defender」。

目線で騙す。仕草で騙す。パスと見せかけ、ドリブルと見せかけ違う選択肢を自分の中で持てるか。大事なのは選択肢を持てるかであってそれが成功するかはどっちでも良いです。トライしようとした、そしてそのアイデアを持てた事を褒めたい。

この練習をした後にゲームをして、GKからパスを貰ってワンタッチで縦にDFを剥がして、2人目のDFがプレスに来た所をノールックで中にいたフリーの味方にパスをしてハーフウェイラインを見事に突破したシーンを見た時は私も感情を爆発させて喜びました。

3対2が簡単に突破できて来ればDFチームも1人増やして3対3にしたり、ゴールを3つから2つにしたり工夫は状況に合わせて行って下さい。

本日は以上です。

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