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PoEの歴史的なやつ

↑前回の世界観解説


洋ゲー初プレイ時に全然わからないのがその世界の歴史です。
入植者と原住民のいざこざ、そこから発展した戦争、そこで殺された人物、その結果起こった事件…。
歴史の中には地名、人物名、種族名などなど、世界観同様に固有名詞がバンバン飛び交うので、話を聞いてても「ん?それ地名?人の名前…?」ってなる時は1度や2度では済みません。

もちろん知らなくてもゲーム自体は楽しめますし、むしろ徐々に理解していくのが楽しいという側面もあるでしょう。
主人公が異邦人、転生者、出生が謎の人物だったりする場合は、プレイヤー同様ゲーム開始時は何も知らないほうが自然で、シナリオの進行に合わせて世界観への理解を深めていくという制作側の狙いもあります。

ただPoEの場合は別大陸出身とは言え一般市民程度の教養は備えているほうが自然です。
パルスのファルシのルシがコクーンレベルとは言わないけど、単語の意味がわからないと会話が全然頭に入ってこないんですよね…。


というわけで今回は歴史編。
世界は広いですが、主にゲームの舞台となるダイアウッド地方について『とりあえずこれだけ知っておけば会話についていける』レベルの知識をネタバレ無しで取り扱います。



・ネイティブダイアウッド

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まずこちらが世界地図。
中心右にあるのがダイアウッド。


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大陸を横断するバエル・リバーの南東に広がる平野が『エイア・グランファス』と呼ばれる地域。古の人々が造った巨大な建物や用途不明の構造物などが多く遺されています。
数千年前に滅びたと思われる彼らに代わって今この地に住んでいるのは、様々な部族たちが集まった共同体…通称『グランファーザン』。 人種も様々ですがヒューマンはいないようです。
グランファーザンは古代の遺跡を神聖なものと捉え、神々と先人たちに畏敬の念を抱いて生活していました。



・アードイル人の入植

200年ほど前、ダイアウッドの西にある大陸『アードイル』から海を渡って入植者たちがやってきました。 アードイルは人間の王とエルフの女王が治めている大帝国。 冒険者や船乗りたちがダイアウッドの広大で豊かな土地の話や、謎めいた遺物を持ち帰ってくるたびに関心が高まり、本格的な入植が始まったようです。


(なお、2020年に発表されたObsidian新作RPG『Avowed』は、このアードイル帝国が舞台なんじゃないかと噂されてます)


当然、アードイル人はグランファーザンたちと接触します。 遺跡を荒らしてアーティファクトを略奪したり、抵抗した者を捕え奴隷にするアードイルに対し、これまで他の民族と接することのなかったグランファーザンはこれを『試練』と捉え、民や遺跡を守るために反撃していきました。

攻撃を受けながらも入植者たちは3年ほどで町を築き、周辺のグランファーザンをある程度追い払うと戦いは徐々に沈静化。グランファーザンは侵略者たちの動向に目を光らせつつ平和を維持する姿勢を見せていました。



・ブロークン・ストーンの戦い

ところがある日、開墾作業中の入植者たちがアドラで造られたモノリスを誤って倒してしまいます。 我慢を続けていたグランファーザンもこれにはブチ切れ。全面戦争が勃発してしまいます。
後に『ブロークン・ストーン戦争』と名付けられるこの戦争は、グランファーザン数百人、アードイル数千人の死者を出すほどの被害をもたらし、最終的に『遺跡の略奪は禁止する』という条件で平和条約が結ばれました。

これに反発したのがアードイル本国にいる貴族たち。 彼らはダイアウッドに眠るアーティファクトが手に入らなくなったことに不満の声をあげます。

ダイアウッド軍を指揮したエドラン・ハドメットは現地民の安全を考え奴隷制の禁止まで望みましたがこれには至らず、わだかまりは残りつつもひとまず平和が訪れます。



・ブラックツリー戦争

終戦から21年。 国境付近での紛争や奴隷の反乱が時折起こっていたものの、大きな争いはありませんでした。
しかしアーティファクトの需要が高まり続けたことでアードイルの貴族たちの不満は爆発。探検隊という名の略奪者を組織してどんどん送り込みました。
グランファーザンがこれに気付き、再び大規模戦争へと発展。地の利を活かしたゲリラ戦法を展開するグランファーザンに対して、年老いたエドランに代わって軍の指揮を執った息子アドメスは焦土作戦で対抗します。

1年未満でグランファーザンは数千人の被害を出し敗北。部隊を率いていた族長も捕えられダイアウッドの勝利となりましたが、焼野原に真っ黒な木々が並ぶ悲惨な光景は人々の脳裏に強く焼き付き、『ブラックツリー戦争』として語られることになりました。



・アドメス・ハドレットとダイアウッドの独立

問題ばかり起こす本国貴族の政策に業を煮やしたアドメス。
色々端折りますが、現地民、利害が一致する貴族、グランファーザンなどからうまいこと支持を集めてアードイルからの独立を果たします。
入り江の入植地はディファイアンス・ベイと名を変えて奴隷制も廃止。
これによりグランファーザンとの交流や各国との自由貿易も活発化。アードイルでは違法とされていたアニマンシーの合法化など商業・科学技術ともに力を入れて発展していきます。



・聖者戦争

これが直近の戦争となります。
ゲーム開始時の15年前のある日、ダイアウッドの遥か北にあるアードイルの植民地『レッドセラス』で農業を営んでいたごく普通の青年ヴェイドウェンは突如神の名のもとに民衆をまとめあげ、一大勢力と化してしまいます。
「この身にイオタス神が舞い降りた」と語る『聖人ヴェイドウェン』は当時の王すら退けさせ、自らを王とした『神権国家レッドセラス』を設立しました。


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異教徒の粛清と肥大化を続けるレッドセラスはダイアウッドに対して解放戦争と称した侵略を開始。
ダイアウッド軍は北部の砦にてこれを迎え撃ち、決死の想いで起動させた爆弾によってヴェイドウェンを滅ぼすことに成功します。『聖者』を失ったレッドセラスも勢いを失いそのまま敗北。

戦争は終結したものの、色々と釈然としないこの出来事は今でも議論の対象となっています。

果たしてヴェイドウェンは聖人だったのか、ただの狂人だったのか。
本物のイオタス神ならば、なぜ人の身に宿ってまで侵略戦争などを起こしたのか。
ヴェイドウェンが神の名を騙るただの農夫だったなら、なぜ国一つがまとまるほど団結して彼を王の座におさめたのか。

真実はわかりませんが、少なくともこの日からイオタスは沈黙を保ち続けており、信者たちの祈りにも答えないそうです。

(イオタス信者でありながらダイアウッド軍として戦場に駆り出されたエディールさんがどんな思いを抱いていたかは、彼を知る上で重要なポイントとなります)



・ヴェイドウェンの遺物
『聖者戦争』終結の数年後から突如始まり、今日に至るまでダイアウッドを蝕んでいるのが、『ヴェイドウェンの遺物』と呼ばれる奇妙な現象です。
実際に何が起こっているのかはゲーム内で確かめていただきたいですが、この現象は聖者戦争での顛末が主な原因と考えられているため『遺物』という名称で広まっています。



だいぶ端折りましたが一般的な常識はこんな感じだと思います。

人によって見方が変わったり、職業によって解釈が違ってたりするので、色々な人と会話することで違う側面が見えて物語が更に深く楽しめるのもオブシディアンRPGの特徴。
アロス(アードイル人の貴族)、エディールさん(ダイアウッド人の元農夫)、デュランス(独特な宗教観を持つ宣教師)というように、仲間キャラも色々なバックグラウンドを持っているので、彼らと話すときはその背景も意識するとより理解が進むでしょう。

わからない用語を迂闊にググるとエンディングに繋がるネタバレ踏んじゃうこともあるので気を付けましょう。

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