BFC5ジャッジのジャッジ文

 なんか改行がいっさいなかったので、こっちに改行ありverを置いておきます。運営どのに、ふくむところはありません。僕のミスか、運営どのがつかれてらしたのか、その両方か、です。

敬称略
・子鹿白介 3点
 なんといっても、初読と熟読に分けて、作品を評しているのがよかったです。ジャッジにはそういった、自分のテンションを抑制し、一度我に変える瞬間が必要だと思います。氏はそういったコントロールを効かせられる方なのだと、好感を持ちました。
 ただ、「ブンゲイテクノ」に5点をつけたこと、その評が浅かったように思えます。作品の持つ、華々しさ、パワーに押し流され、意識を手放しておられる。氏がテクノ評でおっしゃったこと、みんな分かっています。みんな、そう思ってます。だから、それ以上の評を、我々の前に置いてほしかった。音楽だから、門外漢だから、とおっしゃっては、もう敗北ではないですか。それならば、音楽など関係なく、自分の土俵に引き込んで、評していただきたかった。
・綾門優季 2点
 興奮したかどうかという、直感的で明快な判断基準。その素直さには好感を覚えます。しかし、技術を低きにおいているかのような、ジャッジ文には、閉口してしまいます。氏のおっしゃる、興奮が起きない技術の中に、興奮を見出だすことは、どうしてもできませんでしたか? 興奮、という言葉にもたれかかり過ぎておられる。他者という、不可解な存在がつくったものを見定めなければならないのに、一つの視点にこだわるのは、ジャッジとしてすぐれていないように思えます。
 それに付して、理解できない作品に出くわした時、意識を手放すのがお早い。理解できないものを理解できないと、興奮できないと断じて、物置に追いやるのは簡単だ。興奮というただ一点のみを、評価基準にしているわりに、興奮の純度が低いように感ずれます。
 ここまで書いて、ちょっと考えました。
 でもこれはお祭りだ。ジャッジだって騒いで、踊って、興奮しても、よいのではないか。冷たく、整然としているほうが、野暮なのではないか。
 たしかにそうです。わたくしは野暮なのかも。
 よーく考えて、採点は2点といたします。当初は1点でしたが、それはやりすぎでした。
・江永泉 2点
 氏は「各作の力を統一基準で測るのは難しい」「そこでマッチングを考えた」とおっしゃっています。わたくしは何よりも、この「困難なものに対して、独自の方策をとりいれた」ところを評価したいです。
 しかし、いかんせん、ガラゴロと読み下しにくいジャッジ文です。他の方のジャッジ文は、もっと明快な文調でした。
 各作品評に対して引用を用いているのも、手放しには、賛成できません。引用元を知らなければ、その引用に、効果はないのでは。肝心な部分を、なぜ、ショートカットされたのか。
 氏が他作品を引用したのは、なんのためだったのでしょうか。引用元を知らないのは、わたくしの不明ですし、不勉強でございます。けれども、ジャッジ文は公開されるのですから、その内容を、ひろく受け入れられるような取り組みを、していただきたかった。
 あと、評価の方法について。点数による評価をやめる。おお、独創的だ……。それはよい。評価したい。ただ、氏がさいしょに、理由について喩えを用いて説明してくださっているのですが、この喩えが、響いてこん。何度も、読みましたが……。何を言っておられる……。
 もう、これならば、作品評自体のクオリティを上げていただきたかった。江永システムにいっそうの洗練をもとめたい……。 
・田中目八 4点
 衒いなく、すんなりと、作品を評しておいでです。さらっと書かれてはいますが、切れ味よく、作品に踏み込んでいるところもあり、おお、そういう読みか、と気付かされることもありました。
 また、俳句を嗜まれておられるので、短詩の評価につよいこと、これはおおきく評価したい。引き出しの多いジャッジは、やはり、信頼できます。異種文学闘技であるBFCにおいて、そのような評士は、尊ばれるべきですし、貴重です。
 おっしゃっているところに、おかしなところは、ない。枚数制限も問題なし。目八どのならではといったような、派手さはありませんが、そんなものはいりません。わたくしは氏のように、スュっと作品を読んでくださる人が、ジャッジとして信頼できるのでは、と思っております。
・春Q 4点
 氏は麺shock!!という作品を読んだ時、気持ち悪さを、感じられたようです。しかし、そこで終わりにはせず、意識を手放さずに、最後までお読みになり、その上で評価されている。わたくしは、そういった姿勢を、評価したい。理解しづらかったり、嫌悪を感じてもなお、作品を通読し、そこから何かを得て言い表すこと。ジャッジに必要な素養だと思います。目八どののように、短詩に対する強さも伺え、ニコリとしました。
・白髮くくる 3点
 作品を通読し、全体像をよく把握しておられます。読書量が伺えます。しかし、理解しづらい作品に相対したときの、振る舞いが、ざんねんにおもえました。「歩み」に関して、「食傷気味だから」という理由で低評価というのは、ジャッジとして、敗北宣言なのでは。自分から理解への扉を閉ざしておられる。「麺shock!!」に至っては、「尿路結石」など、どこに出てきましたか。尿酸結石かもしれないのに。尿道が痛かったら、何かを患っていなきゃ、いけないのかい。氏は、ご自身の考えに、作品を当てはめようとしておられるのではないか。思い込みによって、作品を評している素振りを、感ずれます。こうきたから、こう。こうなってるから、こう。そういうきらいがありました。ですが、『CWON善光寺街道』の評はたいへんにすばらしく、「確かにな」と思わせられるところもありました。良くも悪くも好き嫌いがはっきりされている、清々しいジャッジ観をお持ちなのだと、おもいました。
・野村金光 5点(勝ち抜け)
 まず、字数制限を守ろうとする姿勢がフェアであり、好感をもてます。基本的なところを、忘れずに、戒めるのは、よいことです。
 また、この方も、ブンゲイのフィジカルがつよそうで、なんだかワクワクします。
 分かりづらさを指摘した上で、具体的にどうしたほうがよかったか、と、おっしゃってます。コレは、ありがたい。ファイターとしても、いち観客としても。やはり、起きていることに対し、明確な説明と補足を起こせるジャッジは、つよい。
 うん、読めば読むほど、明快で、何が起きているのか分かりやすい、ジャッジです。
 この方に、ぜひ、字数制限を大幅に緩和したうえで、決勝に望んで頂きたい。くれぐれも、冗長にはなりすぎない、抑制を効かせたうえで。
・冬乃くじ 2点
 冬乃どのが伝言でおっしゃっていた、作品評としての試み、成功してらっしゃると思います。すばらしい作品への熱量。敬服します。ブンゲイを、愛しておられるのですね。わたくしも、氏に論ぜられたかった。しかし、氏の伝言をよむかぎり、どうやらのっけから、ジャッジの役目を果たすことに、拘泥していらっしゃないようですから。純粋な作品評に注力されたようですから。ということであれば、2点をつけさせていただきたく。ふくむところは何もありませぬ。
・世界彗星灯台プールサイドアサルトライフル 3点
 氏はたいへんに、まじめで誠実な方なのだと、評文を読んでいておもいました。本来であれば、このような方に、ジャッジを努めていただきたく。しかしながら、あまりにも、評文が長すぎます。他の方は倍はあります。確かに規定枚数5枚というのは、短く、厳格な規定ではないのかもしれません。ただ、それでも、他の方は削りたくないジャッジ文を削っておいでです。ここで氏を、評価してしまうのは、フェアではない。わたくしは、四苦八苦しながらも、規定枚数近くまで減量した他のジャッジどのたちを、評価したい。

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