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第2回:「Dear my・・・」を想う 亜貴ちゃんの話①

亜貴ちゃん、お誕生日おめでとう。
そして、DYNAMIC CHORD vocalCD series 2nd [rêve parfait]のリリースおめでとうございます。

今回は、新曲「マイマム」の発売日までに書いておきたかった、「Dear my・・・」の話です。全然まとまらなくて発売日過ぎちゃいましたけれど。
「マイマム」に関しては試聴動画も見ず、先行公開された歌詞も見ず、この記事をアップしたら聴こうと思って、家に届いたまま置いてあります。
「Dear my・・・」のその先に「マイマム」があるのではないかと思い、それならば「Dear my・・・」に対する想いをまとめたうえで聴きたかったからです。
そして、この記事も全然まとまってないのですが、早く聴きたいのでアップしてしまいます。

「Dear my・・・」は、アニメ最終話 act.12「Christmas Day」にてクリスマスライブのラストに披露されるアニメオリジナルの新曲で、アニメ初見の時点では「禅寺で浄化された亜貴ちゃんが書いた歌詞」という印象でした。
素直に愛を伝える曲。幸せな曲。穏やかなピアノから始まってギターがふんわり包み込むイントロ。サビの"愛してる"は、アニメに出てこない女の子=ゲームの主人公を想って書いた言葉なんだろうな。

しかし、アニメ視聴から約1年半が経った2020年8月。原作ゲームのレヴァフェ編をプレイした事で、「Dear my・・・」に対する見解が大きく変わり、この経験は「ダイナミックコード」という作品全体の見方を改めるきっかけにもなりました。

「Dear my・・・」は、亜貴ちゃんが"子供時代の自分"へ書いた手紙であり、母親に対する皮肉めいた感謝なのではないか?

亜貴ちゃんは、弟である玲音の哀しみを自分の責任と考えていて、自分さえ生まれなければ両親が結婚することもなく、離婚することもなく、そうすれば玲音の哀しみも無かったのに。その罪をずっと背負っている子です。
亜貴ちゃんルートをプレイしていると、早くその呪縛から解放されてほしい、苦しまず幸せになってほしいと願うのですが、更にこの考えを変えたのが、個別ドラマCD『love U kiss series vol.10 〜Knight〜』のTrack.5「K:nightmare」でした。
亜貴ちゃんが悪夢にうなされている声から始まり、目を覚ましたあとその悪夢の内容について話してくれるのですが、現在の亜貴ちゃんにとって何が「悪夢」なのか?という、アンコールシナリオとしてゲーム内に入れてほしいくらい重要なエピソードです。
"レヴァフェが存在しない世界"で生きること、今はそれが「悪夢」なんですよ。
そしてレヴァフェが結成されたキッカケには、亜貴ちゃんの苦しみが深く関わっている。自らがこの世に生を受け、両親が離婚しなければ、レヴァフェには辿り着けない。
レヴァフェの歌詞は全てKnight=亜貴ちゃんが書いていますが、アニメでも言及されているように、あの独特な詞の世界観こそがレヴァフェの評価に繋がっていて、それは亜貴ちゃんの過去や苦しみがあるからこそ書ける歌詞です。

亜貴ちゃんに関しては、過去から解放されて幸せになる、という基本的な構図が通用しません。
でも、他人からの過度な干渉を拒み、哀れな自己をアイデンティティとする事でしか生きられなかったあの頃とは異なり、それを土台にしながら成り立つ[rêve parfait]というバンドを続けていくことが生きがいになった。
求める幸せのカタチが変わったことを、子供時代の自分に向けて語りかけている、それが「Dear my・・・」の歌詞ではないか?
そしてアニメのOP曲「p.s. i hate you♡xxx」は、子供時代の亜貴ちゃんから現在の香椎亜貴に対する羨望であり、そのアンサー曲が「Dear my・・・」ではないか。
アニメのact.7〜9のapple-polisher編で語られる「今までの環境と人生があったからこそ、それぞれの音楽がある」という話もここに繋がってきますね。亜貴ちゃんの書く独特な歌詞がレヴァフェを作っていて、今までのつらい思い出がなければその歌詞は書けなかった、今の僕にはならなかった。だから曲の最後が"ありがとう"で終わっている。
「君のおかげで今バンドをしていて、こんな歌詞が書けること、僕は幸せに思います」という、歪んだ感謝、哀しみ、そして音楽へ昇華しながら歩んでいく。

また、レヴァフェの曲のうち、イントロがピアノから始まる曲には、過去や母親への感情が深く関わっているようです。
アニメ放映当時の時点では、ピアノ始まりの曲は「RAIN KEEPS FALLIN'」、そして「Dear my・・・」だけでした。アニメ内でも、亜貴ちゃんが幼い頃にピアノを弾いていたエピソードが少し出てくるので、そこも繋げているように思います。
なお、昨年リリースされた「黒髪リフレックス」もピアノ始まりで、クラウドファンディング付属の冊子内では"母親に関する歌詞"だと言及されていました。

亜貴ちゃんの誕生日の前日に「マイマム」がリリースされると告知された時、もうその時点でつらくて、今でも聴くのが怖いです。
亜貴ちゃんにとって、誕生日がどういう日なのか。ゲームの亜貴ルートで誕生日パーティーの帰り道に呟いた言葉とか、今では誕生日が毎年しあわせな日になっている事とか。
「マイマム」は色んな事の答え合わせになってしまうのではないか。それは良い事なのだけど、これからも「Dear my・・・」について、香椎亜貴について悩み続けていられますように。

亜貴ちゃんに関しては、亜貴ルートED3を軸にした記事も後日アップ予定です。またご覧いただけましたら幸いです。

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