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「社長」がやるべきこと (2022/8/2)

記事の長さはおよそ1,300文字。2〜3分程度で読めます。


KDDI、一律200円返金
通信障害、3655万人対象

2022/7/30(土)日本経済新聞朝刊


記事のポイント

  • KDDIは29日、2日に起きた通信障害で携帯電話等が利用しづらくなった3655万人の契約者に一律200円を支払うと発表した。

  • 200円は障害のおわびとして支払う。

  • これとは別に通信サービスが全く利用できなくなった278万人に2日分の基本使用料等に相当する金額を返す。

  • 返金金額の合計は75億円で、2023年3月期の決算に計上する見通し。復旧にかかった費用は精査中。

  • 経営陣は障害の責任を明確化するため役員報酬を減額する。

  • 高橋社長は月額報酬の20%を3ヶ月、関連役員8人は10%分を1〜3カ月それぞれ返上する。

  • 再発を防ぐため高橋社長をトップとする対策会議を7日に立ち上げた

  • 通信網の修繕や障害時の利用者への周知など4項目の再発防止策をつくり、9月末までに社内で導入する。


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こんなふうに考えた


私はかつて顧客対応の仕事をしたことがあるのですが、
そのときの会社の基本スタンスはこうなっていました。

  • お詫びする場合は誠意のみ(金銭は払わない)

  • お礼の場合は少額のプレゼント


お詫びに金銭を絡めると増額を要求される危険性がありますし、
金額が少ないと、顧客が馬鹿にされたと感じてしまうことがあるからです。

そういう感覚があるので、契約者に一律200円を支払うという
KDDIの対応にはとても違和感を持ちました。


「違和感」ということでいえば、
障害が発生した後の記者会見での高橋社長の対応に
多くの賞賛の声が寄せられたことにも違和感を感じました。

大企業の社長であるにもかかわらず、
ものすごく専門性の高い技術的な内容の質問にまで、
担当役員任せにせず、すべてご自分で回答されたことを
評価する声が多かったようです。


確かに何ごとも、知らないよりは知っていた方が
いいのは間違いありません。

しかし技術的な質問への回答は、社長でなくてもできます。
社長としてやるべきことは他にあるのではないでしょうか。


今回の障害に関していえば、社長がやるべきことは、

  • 技術的・専門的な質問に答えることではなく、

  • 障害が発生づらい体制構築を指示することであり、

  • 障害発生時に少しでも早く復旧できるBCPプランを策定させる
    ことです。


数年前にテレビで、飲食店チェーンの社長が
フライパンを振っている場面を見たことがあります。

現場上がりの社長さんで料理の腕は確かなのでしょうが、
結局その会社はファンドに買収されて社長は会社を追われました。

経営は結果責任です。
いくら現場のスキルが高くても、
企業をうまく運営できなければ評価されません。

現場の知識への詳しさで社長が評価される限り、
日本企業での人材の多様性は進まない気がします。



本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。


「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川






美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。