「社長」がやるべきこと (2022/8/2)
記事の長さはおよそ1,300文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
KDDIは29日、2日に起きた通信障害で携帯電話等が利用しづらくなった3655万人の契約者に一律200円を支払うと発表した。
200円は障害のおわびとして支払う。
これとは別に通信サービスが全く利用できなくなった278万人に2日分の基本使用料等に相当する金額を返す。
返金金額の合計は75億円で、2023年3月期の決算に計上する見通し。復旧にかかった費用は精査中。
経営陣は障害の責任を明確化するため役員報酬を減額する。
高橋社長は月額報酬の20%を3ヶ月、関連役員8人は10%分を1〜3カ月それぞれ返上する。
再発を防ぐため高橋社長をトップとする対策会議を7日に立ち上げた。
通信網の修繕や障害時の利用者への周知など4項目の再発防止策をつくり、9月末までに社内で導入する。
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こんなふうに考えた
私はかつて顧客対応の仕事をしたことがあるのですが、
そのときの会社の基本スタンスはこうなっていました。
お詫びする場合は誠意のみ(金銭は払わない)
お礼の場合は少額のプレゼント
お詫びに金銭を絡めると増額を要求される危険性がありますし、
金額が少ないと、顧客が馬鹿にされたと感じてしまうことがあるからです。
そういう感覚があるので、契約者に一律200円を支払うという
KDDIの対応にはとても違和感を持ちました。
「違和感」ということでいえば、
障害が発生した後の記者会見での高橋社長の対応に
多くの賞賛の声が寄せられたことにも違和感を感じました。
大企業の社長であるにもかかわらず、
ものすごく専門性の高い技術的な内容の質問にまで、
担当役員任せにせず、すべてご自分で回答されたことを
評価する声が多かったようです。
確かに何ごとも、知らないよりは知っていた方が
いいのは間違いありません。
しかし技術的な質問への回答は、社長でなくてもできます。
社長としてやるべきことは他にあるのではないでしょうか。
今回の障害に関していえば、社長がやるべきことは、
技術的・専門的な質問に答えることではなく、
障害が発生づらい体制構築を指示することであり、
障害発生時に少しでも早く復旧できるBCPプランを策定させる
ことです。
数年前にテレビで、飲食店チェーンの社長が
フライパンを振っている場面を見たことがあります。
現場上がりの社長さんで料理の腕は確かなのでしょうが、
結局その会社はファンドに買収されて社長は会社を追われました。
経営は結果責任です。
いくら現場のスキルが高くても、
企業をうまく運営できなければ評価されません。
現場の知識への詳しさで社長が評価される限り、
日本企業での人材の多様性は進まない気がします。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。