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「学び直し」が不要な人 (2022/6/10) 

記事の長さはおよそ1,900文字。3~4分程度で読めます。

人への投資 世界水準遠く
3年で4000億円 骨太方針決定
成長へ生産性向上急務

2022/6/6(月)日本経済新聞朝刊

記事のポイント

  • 政府は7日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を閣議決定した。「人への投資」に重点を置き、3年間で4千億円を投じる。

  • 社会人のリスキリング(学び直し)、デジタルなど成長分野への労働移動、兼業・副業の促進、生涯教育の環境整備などが主な課題になる。デジタルスキルは職業訓練講座の割合を今の2割程度から3割超に高める。転職が容易になるよう外部の専門家と相談しやすい体制も整備する。

  • 日本の潜在成長率が2000年代半ば以降低迷し、OECDの21年データでは0.5%。ギリシャ(0.4%)やスペイン(0.6%)と同水準で、米国(1.8%)やドイツ(1.3%)との差は大きい。全体的な人口減少の制約があり、足元では労働力が頭打ちになっていることのことが影を落とす。

  • 企業による人への投資額は国内総生産(GDP)比で10〜14年に0.10%。米国(2.08%)やフランス(1.78%)に比べ圧倒的に少ない。英仏が横ばいや増加傾向なのに対し、日本は右肩下がりで差が拡大

  • 日本企業は従来、人件費をコストとみなす傾向があった。近年はデジタル化の加速などを背景に企業の競争力の源泉は従業員のスキルとの考えが広がる。経済産業研究所の森川氏の試算では、教育訓練投資の累積額が2倍になると労働生産性が2.2%上昇した。特にサービス業は2.5%高まり効果が顕著。

  • 従来の日本企業について「安価な労働力供給に依存し、コストカットで生産性を高めてきた」と総括し、軌道修正を図る。成長分野への労働移動で100万人を支援するが、なお踏み込み不足との見方もある。人への投資はコロナ後の成長を左右する。労働移動の加速には投資を手厚くするのと同時に硬直的な雇用システムの見直しを官民で進める必要もある。


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政府の「骨太の方針」として「人への投資」が促進されます。
記事によれば、日本は他の主要先進国に比べても「人への投資」が圧倒的に少なく、かつ減少傾向にあるそうです。

考えてみると、日本は「人」だけでなく「お金」も投資せず貯蓄ばかりといわれ、2000年代前半から「貯蓄から投資へ」というキャッチフレーズが使われ続けています。対象が何であれ、「投資」に拒否反応があるんでしょうか。

わたしは「投資」は「未来への可能性に賭け」、「貯蓄」は「将来の不安に備える」ものだと考えています。

未来への可能性が見いだせない人が多いことが、投資をためらわせる原因かもしれませんね。


「骨太方針」について、まだ踏み込み不足でもっと投資額を増やすべきとの見方もあるようですが、わたしは「投資」で重要なのは、「投資額」より「リターン(効果)」だと思います。
同じ5万円のリターンが得られるなら、投資額は100万円より50万円のほうがいいですよね。

成長途上の市場なら、全体に広く投資してもある程度のリターンが得られる可能性は高いでしょう。でも全体が縮小傾向にある市場からリターンを得ようとすれば、投資には選択と集中が必要です。
日本がどちらのタイプの市場(状況)かは、明らかですよね。

そしてデジタル化した社会では「ネットワークの経済性」などの影響により、みんなが少しずつ能力を高めていくことでリターンを得ることが難しくなると考えています。
(Web3と呼ばれる分散型が普及すると、違ってくるかもしれませんが)


こういった環境変化を考慮して投資先を選択する場合、「リスキリング」は投資対象として適切なのでしょうか?

リスキリングの定義は「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得すること」です。

  • 「学び直し」が必要ということは、現状の変化に適応できていないということ。

  • 「学ぶ人」は、普段から変化を捉えて学び続けていているはず。

  • 「学び直し」が必要なのは、「学んでこなかった人」の可能性が高い。

  • 「学んでこなかった人」は、政府が予算をつけたら学ぶようになるのか。


追伸
「骨太の方針」の資料を読みました。

「概要」のパワポは、担当者の想いが強すぎたのか、文字が多すぎ色が派手すぎで、目がチカチカしました。

パワポ作成スキルは「学び直し」していただけると嬉しいです(笑)



本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。

「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川



美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。