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コロナ渦中のアイドル対バンライブに行った日記

去る2020年8月10日、『六本木アイドルフェスティバル2020 vol.3』に行ってきた。

会場はEX THEATER ROPPONGI、いわゆるライブハウス。
学生の時に生身で体感する音楽ライブの楽しさを知ってしまい、社会人になってからは毎月どころか毎週のように足を運んでいたライブを開催するための場所に、自分の意志や都合ではない理由で、こんなに長い間行けなくなる日々があろうとは思っていなかった。

自分が大好きだった、もとい大好きな密の集合体みたいなライブが再び体感できる時期はまだそう簡単にはやってこない。ライブ配信のプラットフォームやノウハウが増え、地下アイドルから超天空バンドまでいろんなところがオンラインライブをやるようにもなった。
それでもオンラインライブじゃなくて、ライブ会場に行きたい。自分の行動に制約がかかってもいいから、愛する音や推しのパフォーマンスを自分の目や耳だけじゃなく、皮膚や内臓でも感じたい。
その欲望はこの数か月間ずっとなくならなかった。

だから六本木アイドルフェスティバルが観客を入れた上で生配信も行う形式で開催することや、好きなグループが同時に複数組見られる回があることが発表になった時点から、絶対現地に行ってやるという気持ちしかなかった。
先行抽選では落選だったので、一般先着販売までチャレンジしてチケットを入手したけれど、土日の朝10時になると同時にプレイガイドにアクセスして購入が確定されるまでキーボードを爆速タイピングするというチケ発行為ですら、随分久しぶりにやったなと感慨にふけったりした。


そして8月10日夕方、体調不良の自覚症状も熱もないため会場へ向かった。
以下が入場までの流れ。

・新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)をスマートフォンにインストールしているかを確認される

・手首に当てる体温計で検温を実施
・スマートフォンで電子チケットを提示し、スタッフ目視の元自分でもぎる(入場するボタンをスワイプ)
・手指の消毒
・ドリンクチケットを受け取る (ドリンク代はチケット代に含まれているため小銭の授受はなし)
・お目当てのグループを伝える

これで入場手続きは完了し、晴れて客席エリアへ。
自分は開演時刻間際に行ったからすっと終わったけど、開場直後は密集を避けるため待機列の間隔も開けてたはずだから、普通の入場の何倍も時間がかかったと思う。

そして会場内やライブ鑑賞中の制約は以下の通り。
・全席指定。EXシアターは元々固定席が出せる会場なので、チケットは1席おきに販売されていた。
・マスク着用必須のうえ発声禁止。
・ただしライブ中に席から立って見るのはOK。発声せず自分の席の範囲内であればジャンプや振りコピの制限もなし。

MIXやコールや奇声のないアイドル現場というのは、どうしても寂しいし、推しに応援の気持ちが伝えきれないようなもどかしさはあった。
それでも拍手や推しジャンをオーバーアクションなくらいやったり、普段はサイリウム文化のないグループでもサイリウムを使ったりして、なんとかステージ上のアイドルを盛り上げようとするオタク達の姿は、面白おかしくも愛おしかった。

あと途中でドリンク交換したら、カップが蓋付ストロー付のもので渡されたけど、これはEXシアターの元々の仕様か、感染防止対策で変わったものかは不明。

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レッドブルあったら絶対レッドブル交換しちゃう。


肝心の半年ぶりの生アイドルライブの感想としては、
やっぱり私の今には生のライブが必要だということがよく分かった。

まずオンラインライブと違って途中でローディングが入ったり、画質が急に落ちることは絶対にない。これが今まで如何にストレスだったか。
それに生演奏じゃないカラオケ音源だとしても、ライブハウスの大音量と音圧で聞く曲は鼓膜だけじゃなく内臓までビリビリ震えるから、それだけで高揚感がある。
何より自分の視界の限り、その時自分が一番見たいものが見られるというのが、本当に幸せだしライブでは大事なことだと実感した。推しがいるステージではなるべく推しのことをたくさん見たいし、初見のグループではいろんなメンバーのことまんべんなく見たい。フォーメーションチェンジの時は全体を見たい。落ちサビではソロパートを歌う子にケチャしつつも、推しの動きも見たい。
カメラアングルやスイッチのタイミングがある配信ライブでは、どう頑張っても叶わないわがままが、生ではこんな簡単に実現されるのかと感動した。
アイドルの乗るステージを照らす照明もこんな眩しいものだったっけって思うくらいギラギラだったし、空調がよくきいた会場なのに良いパフォーマンスを見ると自分も踊ってしまって汗が滲んだ。

五感全部で受け止めて味わえるからこそひとつひとつのステージを見たことが強烈な体験として残って、自分の身体でたった一度しか味わえないからこそ感動的で、また同じかそれ以上の感動を知りたいから何度も行ってしまう。
それがライブの魅力で、私はまだまだそこから逃げられないことを実感した。
アイドルさんたちもみんな制約事項の中で、フォーメーションや歌割を変えたりしながら、全力でキラキラしていた。
そのキラキラを全身で浴びれて嬉しかった。本当に現場に行けてよかった。

ついでに特に印象的だったグループをいくつかピックアップして感想。

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★AKB48チーム8

半年ぶりに生で見るアイドルの初めてがAKBになったわけだけど、あまりのキラキラに目が潰れそうだった。
リボンがたくさんついていて、ターンするたびふわっとスカートが広がって、6人で少しずつシルエットの違う衣装が可愛くて可愛くて仕方なかった。
大声ダイヤモンドとか希望的リフレインとか歌詞に「好き」というワードが入っている曲を連続で披露していたのがとても印象的。普段だったら客席からも好きとかオレモとか返すところを、動きだけで表現しようとしていたオタク達も含めて。
代表曲と言える曲をたくさん持っていることはシンプルに強い。


★アップアップガールズ(仮)

強くてしなやかで抜群に安定してた。相変わらず給水タイムが一切なくて鉄人だった。
良い意味で必死さがなくて、当たり前のようにキレキレに歌い踊ってたから手放しで振りコピして楽しめた。
自分の席の前の列にいた学生服の女の子(関根推し)と、1席挟んで隣のお兄さん(佐保推し)がめちゃくちゃ推しジャンしてた。佐保推しのお兄さんは狭い通路の中で必死にジャンプするせいで、「く」の字になってた。


★フィロソフィーのダンス

入場時のお目当てで答えたのはフィロのス。とにかくフィロソフィーのダンスの観客ありライブ一発目が見たくて、この回のチケットを取ったと言っても過言ではなかった。
大トリだけあってミラーボールも回るスペシャル演出の中、1曲目からライブライフだったのは反則とすら言いたくなるくらい120点のパフォーマンスだった。
大サビで4人が声を張り上げて
「愛を歌わせて 生きるってそのことだ」
というフレーズを歌い上げる姿があまりにも美しくて、全力の生を感じて、マスクの下でわんわん泣いてしまった。
メジャーデビュー曲に合わせた新衣装は照明の下だとますますラグジュアリーで色っぽかったし、2階席からでも十束おとはさんの足の美しさは目を引きまくった。


全ての曲でメンバー同士で手を触れたり、肩を組んだりするようなフォーメーションは別の動きに変えられているところに、withコロナを感じたりした。けれどハルちゃんのシャウトもマリリちゃんのフェイクも迫力は半年前からそのままで胸に撃たれまくったし、あんぬちゃんも一人での動きが多いからこそしなやかがより目に入ったし、
推しのおとはすちゃんは身体も顔も声もレスも全てが可愛すぎて、おとはす世界一可愛いよ以外の感情が消え失せる瞬間が何度もあった。
最後のMCのマリリちゃんの号泣はもちろん、「オタクの皆さんが生きているのが確認できてよかったです」とおとはすが言い放った言葉にも泣いた。
私もフィロのスが生きていてくれてステージに立ってくれていて本当によかった。


最後の曲のダンス・ファウンダーではコールができない分いつもよりたくさん踊って、手をワイパーさせた。大サビのおとはすパートと同時にジャンプした時、生きてる!!!!って思った。
フィロソフィーのダンスが売れない世界なんておかしい。メジャーデビューして、もう手が届かなくなっちゃうくらい売れてほしい。
それくらいフィロのスが好きだし、生きる元気をもらえるし、もっとずっと見ていたい。
4人への気持ちがますます強くなった生のステージだった。


開催からはだいぶ日にちが経ってからこの記事を書いたけど、やはり開催から2週間たって出演者・スタッフ・観客全てから感染者なしが達成されてこそコロナ禍でのライブの成功といえると思っていたので、感染報告がなかったのを確認してのアップにしました。
ひとつひとつの経験を積み重ねて、いろんな形態でのライブができるようになっていけばいいなと思います。
私は一観客一オタクでしかないけれど、ライブが人生に必要な人間だから、自分のできる形で、ライブ文化の火をともし続けてくれる人たちの協力をこれからもしていきたいです。


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