「想早知遅」「想兎知亀」〔コイネージ【新造語の試み】6-1〕
「先走った"想い"に、"知性"が追いついていない状態」。
これを「想早知遅(そうそうちち)」、あるいは某寓話に着想を得て「想兎知亀(そうとちき)」と呼んでみる。
例えば、論戦おいて、相手に完璧に論破されたとする。
「悔しい」
一矢報いりたいが反論が浮かばず、不快感とともに押し黙るしかない心境がある。
例えば、友人が、自分の理解の及ばぬ構想を話したとする。
「腑に落ちない、物申したい」
しかし、理解不足で話を踏まえておらず、稚拙なことしか言えずに頭を抱える状態がある。
例えば、同僚が、自分と違うやり方で業務をしていたとする。
「なんか気に食わない」
自分の"正しい"やり方へと是正させたいが、「好みありき」なため説得に合理性・客観性を欠く。結局、その同僚は自分のやり方を変えないだろう。
「想早知遅」、あるいは「想兎知亀」とは、例えばこのような事例を想定している。
いずれの事例も「『自分の主張を通したい』『正しさで勝ちたい』という"想い"のみが先走り、それを裏づける"言葉"が伴ってないか、合理性・客観性に乏しく稚拙である」点で、共通する。
残念ながら、"その程度の想い"など、まず伝わりはしない。
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