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引き寄せ

マンションは25年ローンで一月28000円の返済。

古い公団のエレベーターなし5階だ。

ここは生活至便で
徒歩5分に図書館、ホテル、百貨店とショッピングセンターがあり、デパ地下も無印良品もスタバもある。バス停からは空港にも東京にも行ける。

大学付属病院建設が進み、福祉系短大と福祉施設の複合キャンパスも駅付近に建つ予定で、徒歩圏内にスマートタウン構想地もあるのに、なんと、地価が下がり続けているという街だ。

地価が下がるには理由があるのか


古墳時代からの陶器の産地で、地盤は良いと思うし河川も無いので土地価格の下落は私には理解出来ないけれど、便利なのに人口増加傾向にないのは、個人的には願ったり叶ったりだ。

街は全体的に自動車社会で歩行者は少ない。
歩く私には嬉しい限りだ。

とにかく、緑が多い。

緑は、私の心身の支えだ。

ジョギングするとき、高齢者ばかりが住まう団地に鍵をかける必要性も低く

負担を軽減して走る目的で、鍵も何もモタズ手ぶらで飛び出すので、いつもは写真は撮れないのだけど

日曜日の午後に、ジョギングコースを散歩した。

体調が悪くて引きこもっていたけれど、急に歩きたくなったのだ。

緑が気持ちよかった。
色が美しいので写真におさめた。

『綺麗だな』と思った時、私はカメラを起動することにしている。

皇居ランナーが羨ましい~と思っていたし、ニューヨークのセントラルパークに憧れていた。

都会のセレブが憩い、スポーティーに過ごすような体験は、私には絶対に手に入らないんだろうな、と思っていた。

それがいつの間にか、手に入っている。


利便性と自然


ランニングしているとき
『マイセントラルパークやあ~』と気分が良くなる。

松下幸之助は、買い物をするとき
みんな自分の店だと思ってお金を払っていたという。

払ったお金は巡りめぐって自分の懐へと、また戻ると感じればいい。

失ったものはなく
憧れのものはここにあった

引き寄せってそういうことかな

アップダウンのあるコースを走って


車道の下をくぐるトンネルを抜けると

東から太陽が登り、展望ビルを照らす。

池に森が映りこむ。

暗いトンネルからの視界がひらけて、空気が肺のなかへ、一気に吸い込まれる。

家の方まで太陽に向かって進み、階段を登ると

かつて展望台があった丘の上に出る。

丘までは誰も来ない。



来ないので、一面ヨモギのじゅうたんだ。


木々の塀に囲まれて、ポッカリ広い日溜まりになっている。


桜の木と、猫と、カラスに、お邪魔しますと断って、ジョギングのあとは、そこで伸び伸びと体操をさせてもらっている。

紅葉の桜の下、ヨガの三角のポーズをするのは、めっちゃ気持ちいい。

私はリゾート地に行くのがが好きだけれど

視線を感じないで体を動かしたいから、わざわざ行く。

どこでもないこの街で
家のすぐそば
にゃんこがノソノソ横切る安全地帯の草の上で、空を天井にして雲をカーテンにして

虫や鳥が宙に浮かぶのを眺めながら、深い呼吸が出来るなんて

あーーこれが、私の望みだ。
リゾート地とかわらぬ解放感
いまも得ている、とおもう。

引き寄せたい現実は何か。

自分はいったい
日々をどうしたいのか

そう考えたときのイメージは

美しく気持ちよく余裕をもって満足したい
だった。


じゃあどうしたらいいのか
それを叶えるために

将来に余裕をもって満足するために
今を犠牲にするか
頑張るか

そうじゃなくて
いま、そうなんだ
いま、そうだ。
もうすでにそうなんだ。

そういう思考でいたら
いつの間にか
そうなっている。

ローン28000円の古い団地で
なにやら余裕で、満足してた。

欲しい世界を生きはじめてた。

光がきもちいい

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