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外国から見た日本の治安-その1 「盗んでください」の駐車場

ボクは基本、現地の支援活動をするため中南米に暮らしている。
日本に帰るのは1、2年に1回くらいだ。
この生活をして早くも15年経った。

ボクは根っからの日本人(家系的には国籍が混じっている)だが、いろいろな感覚は中南米にかなり流されている。
一番大きいのは、治安、犯罪、平和についてだ。
たまに日本に帰ってくると、「おいおい、大丈夫か、日本人?!」と、心から心配になることがいくつもある。
といっても、日本がダメということではない。
確かに一瞬、中南米のような強盗の本場の国の人がここに来たら、「強盗パラダイス」と思われるんだろうな、とは感じる。
しかし、気持ちが落ち着くと、「日本は安全でいいなあ。」と思わせてくれるシーンということでもある。

「盗んでください」の駐車場

日本に帰国し、空港からの帰り道、車から眺める度に「いやいや、」と思うのが、駐車場だ。
帰国してから一週間くらいは、なかなかその光景に慣れない。

自動車が、すぐ道路に面した駐車場にゲートもないところに停めてある光景だ。
しかも、日本の家々には、どこもキレイでいい車が並んでいる。
ボクには、どう見ても「盗んでください」と言っているようにしか見えないのだ。

盗品がぐるぐる巡る中南米

中南米では車がよく盗まれる。
こんなことを言われた。
現地で乗る車を何にしようか迷っていると、知り合いの整備士に、「トヨタにしとけ」とアドバイスされた。
「どうして?」と聞くと、
「トヨタは部品がいっぱいあるから、修理がしやすいんだ」と、教えてくれた。
”そうか、ディーラーがたくさん部品在庫を輸入しているんだな”とボクは思った。
しかし、事実は全然違った。
その整備士は、
「トヨタのパーツが盗品が多いから、たくさんあるし価格も安いぞ。オレの感覚だと、出回ってる7割は盗品だな。」と、ニヤニヤしながら言った。
そして、
「トヨタはいいぞ、おすすめだ。でも、盗まれないようにしっかり対策しろよ。」と、付け加えた。

つまり、交換部品が豊富
→トヨタ車は修理しやすい
→人気が高い
→盗まれる
→車をバラバラにしてパーツに分解
→交換部品として販売
→交換部品が豊富・・・
という、なんとも言えないサイクルが回っているのである。
なにやら、闇のSDGsのような気がしてきた。
こんな感じで、中南米では盗まれるのを覚悟で車に乗る必要がある。

変わらないでいてほしい日本

きっと中南米の犯罪者は、日本の駐車場を見たら、いちご狩り農園の赤く熟しているいちごのようにしか見えないだろう。
ある人はこれを「日本人の平和ボケ」と言う。
まあ、確かにボクも帰国してすぐは、ちょっと心配にはなる。
でもよく考えてみると、これが普通であるべきだし、これでいいんだと思う。
日本、こういうところは変わらないでいてほしい。



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