亡き後から追いかけてくる

 虐待加害者である亡き母が、しょっちゅう夢に出てくる。夢の中でも変わらず自分の事ばかりだが。
思うに、まだ成仏していないのかも知れないということと、私がお葬式に参列してきちんと別れていないからじゃないかと。
前者は亡くなってから二日三日後に、遺体が発見され悔いるような、或いは助けを求めるような気持ちのまま逝ってしまったから、成仏しきれないのかも知れない。
後者は娘が自分のお葬式に参列しないことに、異議があったんだろう。(それでも私はきょうだいと親族から自分を守るために、参列は出来ないが。)

先にあの世にいらっしゃる、母方の祖父母に何度も「母を宜しくお願いします」と拝んでいる。
助けを求めるなら、祖父母しかいない。

虐待加害者ではあるが、一度だけ生きている間に真面目に感謝の気持ちを自分の言葉で、母に伝えたことがある。
それを後悔してはいない。
生きている間にしか出来ないことがある。
感謝の気持ちと謝罪の気持ちは、とくに伝えられる内に伝えておいた方が良いと考えている私である。
母はどちらの気持ちも向き合っていなかった。
だから、謝ってほしいとも思わなかったし、何より許せるほど気持ちが開放されていない。

生きている間にこそ、どちらの気持ちも伝えていける自分でありたいと、強く思い直す。
それに気付かせてくれた、夢の中の母に「有難う」。

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