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可能性は無限大♾️

日本を脱出し、今回の行く先はアメリカだったけど、いかにハイレベルなろう者がたくさんいる、と実感?痛感?させられました。

ギャローデット大学・大学院や、ロチェスター工科大学には世界からたくさんのろう者たちが集まり、教授も含め手話が飛び交うキャンパスのなかで自らの可能性を高めるため学問に励んでいます。

ギャローデット大学・大学院では、法律や言語学、教育学、心理学など豊富なコースがあり、約1,600人の学生が在籍しており、

そして、ロチェスター工科大学では、会計学、経営学、コンピュータ関係や、ろう教員養成、手話指導養成、ろう通訳養成などのコースがあり、約1,400人の学生が在籍しています。

それのみならず、修士、博士号を取得している「ろう者の教授」もいるというぐらいです。(アメリカじゃ当たり前なのですが)

ギャローデット大学院には、日本からの留学生が日本財団の聴覚障害者海外奨学金を受けて留学している日本人(ろう者)がいます。

今の日本のろう学校は、到達目標が「社会に出ても困らないように」という意識が強いかと思います。

そのためには聴者が圧倒的に多い社会の中でもやっていけるように口話訓練や、就職のための技能習得といったところに焦点を当てていると思いますが、

「社会に出ても困らないように」ではなくて、「社会に出ても聴者と対等、もしくはそれ以上に渡り合える」スキルを到達目標にするといった視点の転換が必要なのではないかと思います。

聴者と同等の情報量をいつでも確保できること、そして、その情報量のもと、知識や思考力を深めていく。また、たくさんの情報量は同時に社会性をも育んでいく。

また、さまざまな人との出会い、そして会話や議論から人生観や世界観などを広げていく。

そのためには?

やはり、見て理解できる手話がベスト。
自然に情報が得られる手話や日本語、そして周りの人達の会話が可視化できる手話の環境が必要です。

それを実現するための土台には、やはり「手話でのろう教育」が重要。

今回のアメリカ視察では、0歳からすぐに「ろう者との出会い」、そして手話を始めるということを聞きました。


子供が産まれるとすぐに、聴者の親にはまずロールモデルとなる「ろう者」と、オージオロジー(聴覚)の専門が家を訪問するそうです。

親が手話を選択する、となった場合、少なくとも生後4ヶ月から手話を使い始める。
(保護者へは、手話クラスなどのサポートをする)
絵本などの読み聞かせ、などなど、

そして驚くことに、赤ちゃんはもう4ヶ月から手話の会話を見ることでものすごいスピードで吸収していくんだそうです。(聴こえる赤ちゃんも同じですね)

そうして5歳程度になると、脳の言語野が満タンになり、そのあとは小学部などで吸収した言葉をもとに学習を始めていくため、早い段階から手話の獲得が必要になるわけです。

人工内耳、補聴器装用でも平行して手話も習得していく。

言語獲得が気が遠くなるような口話訓練や人工内耳、補聴器装用による適合検査などで遅れをとってしまったらいけない、だからバイリンガルろう教育なのです。


脳の言語野は、言語獲得の臨界期(5歳程度)を越えてしまったら吸収しなくなり、脳内の別のところに移るため、反応に遅れが出る可能性が高くなる。

そのため、早い段階から視覚で自然に理解できる手話を導入していく必要があります。

重要なことは、「手話>口話」の割合で膨大な情報量を獲得できる環境をつくり、その中で最大限に本人の持つ力を伸ばしていく。

そして最終的には、大学や大学院、海外へとグローバルな視野で「ろう者」たちが大きく羽ばたいていく、または社会で聴者に引けを取らない実力で自分の持つ力を最大限に生かす人生を送って欲しいと強く思っています!

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