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ゼロアクション

【ゼロアクション】
直感でやりたいと思ったことを1秒もたたないうちにやってしまうこと。

一昨日、去年の3月から続けていた英会話スクールを辞めた。

去年の2月前半。

サークルの新歓のリーダー選挙で負けた私は急に暇になった3月をどう過ごすか考えていた。

「ひまだな。」

新歓のためにバイトも遊びの予定も入れていなかったので本当に暇だった。

免許合宿にでも行こうかと思ったが、負けず嫌いだったのでせっかくなら負けていなかったらできなかったぜ!!!と言えることをしたいなと思って、自分が苦手意識を持っていた英語を克服するために英会話に行こうと思い立ちゼロアクションを起こした。
選挙落選1週間後くらいにはスクールを調べて無料受講していた。

初めての無料体験講座。

「は、はろー...」
学校で受けさせられたTOEICスコアは300点代だった気がする。
おどおどしながらネイティブの先生と会話をした。

一番初心者クラスになった。
渡されたテキストを友達に見せたら「こんなのやるの?笑」と笑われた。

テキストの中身は1、2、3の数字の数え方から始まって、how are you?などの小学校レベルの会話だったから笑うのも当たり前だった。

「またこのレベルからはじめるのか」
と自分でもあきあきしたが、勉強は基礎が大切と思いバカにしないでやろうと思った。

英会話を始めてから3ヶ月くらい経って、6月。
周りが夏のインターンに向けて動き出しはじめた。

「この流れにのったら、留学できるのは就活終わって4年になってからだろうな。」
と思った。

英会話に通いはじめて、先生やスタッフから海外の話を聞く機会が増えた。

私はその年の4月に韓国に行くためにあわててパスポートをとったくらい海外に行ったことがない人間だったが、海外の話をいろんな人から聞くたびに自分に合ってるかもしれない、と思い始めていた。

「いま3年で冬から就活が始まる。いまのままで行くとずっと日本で生きていくんだろうな。」

と思った。
でももしかしたら海外の方が合っているのかもしれないという可能性を捨てきれないでいた。

秋のインターンは選考に向かって本格的になってしまう。海外が本当に合っているのかどうか確かめられるのは夏しかない。

そう思ったらもうゼロアクションだった。友達が使ったという留学エージェントに電話をかけ面談日程を決めた。1ヶ月半後、カナダに飛んだ。

海外と合う気がするのかそれとも本当に合っているのか。

結果的に言うと、私は海外にとても合っていた。
留学先で日本人同士はつるむ(日本人だけじゃないけど)と聞いてはいたが、行ってみると外国人と話すことを怖がって何人かの日本人で固まってずっと話している人は実際にいた。
そういう人たちは留学よりも旅行タイプだと思う。(実際旅行感覚の人もいた)

私はというと、完全に留学タイプだった。相手の国のことをたくさん質問して、たくさん聞かれて自分と全く違う、あるいは意外と同じ文化を知ることが楽しくてしょうがなかった。私は逆に旅行ではダメなタイプだった。旅行先で外国人に興味津々でいろいろ話を聞きまわってたらただの怖い人だ。

通っていた語学学校にはタームが修了した時にカナダ国旗にメッセージを書いてもらう文化があった。一ヶ月の留学の人はそもそもいる期間が短いので書いてもらわない人もいるが、せっかくの一期一会ということで書いてもらった。
驚いたことに1枚目が埋まり、2枚目に突入した。

一生の宝物になった。
帰国すると、「海外合っているかもしれない」という思いは「最高に合っていた」という確信になった。

といいつつも、海外大好き!!!というわけではなく、日本LOVEである。I love Japan 🇯🇵 love forever.

トイレはどこにでもあるし、忘れ物は届くし、日本ほどいい国はない。
いい国はない、はずなのに、帰国してみると周りはみんな何かにおわれるように就活をしていた。

いままでバカみたいな話で笑ってた会話がだんだんと就活の話になっていった。楽しんで就活をするならいい。だけどみんな焦っていた。早く内定をとるために、とかいい企業にいくために、とか、よくわからない空気感のようなものに追われている気がした。

日本は目に見えていい国、だけど目に見えない部分がおかしかった。

11月。
文化祭実行委員だった私は文化祭が終わり、今年就活するかどうかが現実問題として迫ってきていた。

そんな中、英会話は毎週木曜10時にずっとやっていた。終わったあとは、スタッフの人と一緒のクラスを受けている方と雑談をして帰るのが日課になっていた。

スタッフの人はずっと音楽をやっている人で、生徒の方は専業主婦の方だった。

生活スタイルの全く違う3人だった。

就活に違和感を感じる、と話すと私の話を全て肯定的に聞いてくれた。

音楽をやっている方は高校生から公演に出てお給料をいただいていて、いまも院に行っているが同じような働き方らしい。

主婦の方は卒業後、会社に勤めたが転職し、ディズニーのダンサーを何十年も続けていたという。

自分の当たり前は人の当たり前じゃない。


そんな基本的なことカナダで身を持って体感してきたはずなのに、日本に戻ってきて日本の空気に包まれていたらいつのまにか忘れていた。いや、忘れていたというより、分かってはいたが、表面上の言葉でしか理解できなくなっていった。


どうでもよいことは流行に従い、 重大なことは道徳に従い、 芸術のことは自分に従う。–小津安二郎


つい最近、小津監督のこんな言葉を知った。

この問題は私にとってどうでもよくない。重大なことか芸術のことかは分からないが、少なくとも私にとってどうでもいいことではないから流行にのってはいけないということはわかった。

海外に行くことで日本のことをもっと知りたい。日本の”豊か”なのに”豊か”じゃないという違和感がどこからきているのか、実際に肌で感じたい。

休学して海外インターンをしたい。
留学ではインプット過多になってしまう。アウトプットもしていくことでちゃんと理解したい。

人と違う道を行くのはとても勇気がいる。
だけど、英会話で雑談していた1週間1日、1日十数分、それが積み重なって私の人生の進行方向を30度くらい変えた。

一度変わったら、変わる前思い描いていた世界とはどんどんかけ離れていきそうだ。

一年前、新歓選挙に負けて英会話を始めた日の自分に言いたい。

「負けたあとに行動してくれてありがとう。」

1年前こんなことになるとは思ってなかっただろう。留学前から私のことを見ててくれたスタッフにも留学前は休学なんて考えてませんでしたよと言われた。

小さい行動をしていくことで、いままで見えていなかった選択肢が見えてくる。
小さい行動をしていくことで大きい行動につながっていく。
大きい行動は自分が予期していなかった世界を連れてきてくれる。


考えなしで行動するのは良くないと言われているけど、自分の意識を超えた本能的なところに理由があったりするからゼロアクションは侮れない。

衝動的に始めた英会話は本能的に自分が行きたい方向にいくための行動だったと思う。

アクションしたあとで走りながら意味を考えていったほうがコスパがよかったりする。

一昨日その英会話スクールをやめた。

海外インターンに行くためにTOEICスコアが必要でもっとがっつり勉強しなければいけないと思い立った二ヶ月前、スクールにやめる電話をかけた。

レッスン中ずっと笑わせてくれたり、大量に質問しててたまに質問をしなかったら「おい質問ないのか!」とおどけてくる愉快な先生。

バンクーバー出身でカナダの最高のプレゼンをしてくれて、カナダ留学のきっかけをつくってくれた先生。

進路で悩んでたときに行きたい方向に後押ししてくれたスタッフや一緒にレッスンを受けていた方々。

みんなと分かれるのはとても寂しいけど、インターンから帰ってきて成長した姿を見せたい。

お世話になりました。
これからも自分の行きたい方向に恐れず行動して、やりたいことをやりきります。
ありがとうございました。





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