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そのミサンガで後ろ手に縛る

『沸いた』という表現が相応しいライブだった。

2024/4/4(木)21:00〜
「第二次ミサンガブーム」
@ ヨシモト∞ホール

出演
シシガシラ
ロングコートダディ
大自然
ニッポンの社長

過去1だったかもしれない。

前回は2000人ほど入った豊洲PITで反響が多い中、立って見たライブ。それに比べて無限大ホールは200人と少しのキャパで近くで見られる。単純なすごさでいうと、前回のジュースお笑い倶楽部かもしれない。でも、比べるものではないけど、やっぱり身近に感じられてアットホーム感がある劇場で見るお笑いは本当にたのしい。

芸人顔ファン論争がたびたび問題となる中、こんなことを言ったら怒られるかもしれない。でも、堂前さんは造形が美しいなと思う。兎さんはかわいい。愛くるしい。容姿は芸に全く関係ないのか?わたしは、歳をとればとるほど、人柄や人生がその人の表情や振る舞いに出ると思う。刻まれるシワとか表情筋のつき方ひとつとってもそうだと思う。顔や体型には『ニン』が出る。

だから、わたしはそういうことをふくめて、顔、体型、身につけるもの、全てひっくるめてその人だと思う。そこも含めてロングコートダディがすきだ。

ライブの内容はそれぞれ1本ネタをやった後にコーナー。このユニットライブは不定期的に開催されていて、第二次〇〇ブームというタイトルは固定となっている。〇〇の部分は、毎回ライブの最後にルーレットで決定される。その案は演者全員が出している。そして、その〇〇にまつわるコーナーを行う。

今回のミサンガは確か堂前さんの案で、コーナーはロングコートダディ考案のものだった。前回の『第二次シンデレラフィットブーム』も現地で見ていた。今回がロングコートダディのコーナーとなると決まってから今日までわくわくたのしみにしていた。

ネタが終わり、どんなコーナーかわくわくが最高潮に高まった。繋ぎのBGMが長く感じる。どんな道具が出てくるかと思いきや、ミサンガで両手を後ろで縛られた演者たちがステージに登場した。

これから何をやるのか、何も説明がされていないその段階で、これはいいぞ、と心がキュンキュンした。堂前さんの提案だろうか。普段の告知やゲーム実況(YouTubeゲーム念仏)をしている際にも、ところどころでバイオレンスな一面を見せる堂前さん。勝手に、ぽいな、と思ってしまった。

コーナーの内容としては、複数用意されたゲームの中から選択し、それを両手を縛られたまま行うというもの。選択されたのは、早起き上がり、胸相撲、袋の中のもの当て、大喜利、利きうまい棒。

袋の中のもの当ては、何か物が入った袋3つが用意されている。それを手以外の体で触って中身を当てるゲーム。その説明をMCであるロジャーさんがする際、『なるべく敏感な場所で触った方がいいんじゃないですか』というようなことを言うと、一同変な空気に。『セクシー女優さんの番組みたいやん』と堂前さん。

ゲームが始まると、期待を裏切らない。人気の1番大きい物が入った袋を蹴ってみんなから離すと、脚の間に入れて正座のような形になって吟味する堂前さん。それを見てみんなで群がり、ステージの端の方で寝そべる演者で団子のようになる。それでも離すまいと堂前さんは寝そべって脚の間で挟んで取られないように頑張る。負けじと兎さんも反対側で似たような姿勢をとる。

そうこうしてる間にまた袋は遠くに蹴られて、ステージ奥の対面へ。みんな追いかけるが、うさぎさんは起き上がれずその場にしばらく留まる。なんとなくみんなもう触っているのに答えが出てこない。最終堂前さんが正解を出していた。

期待に応えつつ、ゲームも制していてかっこいい。

その後の利きうまい棒でも『セクシー女優さん』の流れがきていた。両手を拘束されながら棒状のものを食べる。

堂前さんも過剰に反応していたが、設定を考えたのみでゲーム内容は他の人が考えたのか?そのあたりはよく分からなかった。

うまい棒の味を答えると言うゲームだったが、兎さんがすぐに当てていてヒーローだった。たしか、まえにラヴィットでもうまい棒に自信ニキだったと思う。普段から食べるのかな。

早起き上がりは堂前さんが苦戦していた。軽いし、運動神経もいいので意外だった。手脚が長いと持て余すのだろうか。

全体を通して、やっぱりセクシーだった。拘束された状態で袖から出てきた時点で、もうそれが約束されていた。後ろ手に拘束されながらのたうち回ったり、たべたり、必死になったり。おそらく考えた堂前さん、完全にそれを見越していたのではないかと思う。

堂前さんは兎さんに対しては特に、たびたび首を絞めたり(もちろん本気ではない)、Sっぽい一面を見せる。ただ、こうして拘束されてみたり、飼い猫のハフちゃんにつれない態度をされて嬉しそうにしていたりすることもある。

いろんな一面を覗かせるからこそ魅力的だ。予測がつかなくて、もっと知りたくなる。期待させる。とどまるところを知らないなあ。

ロングコートダディのネタはプロ野球選手。堂前さんの実況に合わせて兎さんを好きに操り、オチは兎さんのブチギレ。兎さんが堂前さんに何かをやらされているのとか、大声を出すのとか。なんであんなにおもしろいんだろう。堂前さんは、兎さんの素材を引き立てるのが上手いなと思う。ニンをひきだすというのかな。

最後、エンディングでミサンガを取ってしまった兎さん。MCも触れずだったので、客席に向かって『しーっ!』と言って人差し指を口の前に立てていた。手を後ろにしてバレないようにしながら、普通に鼻をかいていてのんきでかわいらしかった。こういうところも劇場キャパの生のライブならではだなあ。

あーずっと続いてほしいライブだった。かなり近くで見られたのも大きい。帰り道、足が軽かった。正直、仕事のこととかで行きはモヤモヤすることもあった。たった1時間とか数十分でがらりと気持ちを変えてしまうお笑いライブ。やっぱり芸人さんって、兎さんって堂前さんって天才だ。

離れられないな。

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まさかそんな高尚なことが行われるわけがないと思い込ませていただきながら活動をしています。