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ASJJF主催東京国際柔術チャンピオンシップ2023に出場してきた話

※注意

・この記事は個人の記録のために記述している。
試合経過・結果などについては基本的に客観的な事実を記載するようにしており、誹謗中傷の類は一切書いていないが、所々個人的な感想も記載している。もし気を悪くしたらごめんなさい。
・対戦相手の情報については大会のエントリー情報に拠る。エントリー一覧でわかる氏名・所属のみ使用させていただくが、その他のプライバシー的なところ(そんな情報持ってないけど)は侵害しないように書いているつもりである。問題があれば連絡ください。

①試合当日まで

①-1:エントリー

・3月中から師匠やジムの仲間たちには大会に出ようと思っている旨を話していたが、うじうじして結局4月末に滑り込みでエントリーした。アダルト青帯フェザー級である。

・最後に出た試合は2022年7月のASJJF主催の大会で、青帯デビュー戦だった。それ以来約1年ぶりである。

・直前のエントリーだったので階級別のみのエントリーだが9000円かかってしまった。

・一緒に出る人がなかなか現れず、最終的にSさんと2人のエントリーとなった。

①-2:GW前~GW中

・5/1(月)のジムの練習前に体重を計った。72kg程度だったので、まあ2週間前でこれなら大丈夫か、などとお気楽モードになっていた。
こういう場合はろくなことにならない可能性が高いし、実際ろくなことにならなかった。

・GWを迎えた。ジムも休みになってしまうのだが、試合前の追い込みをどうしよう、などと考えた。

・5/3(水)に武蔵野体育館でねわざワールドの練習会があるというので、師匠と2人で参加した。ジムでこういう類の催しに参加するのは大体私と師匠だけだ。私は中・高と柔道部出身なので外部との合同練習会自体には特に抵抗がない。しかも今回は試合前の調整兼青帯としての腕試しという意味合いもあった。

・練習会は上から下まで様々なレベルの人が参加していた。青帯の私は稽古をつけたりつけられたり、という感じである。

・青帯の方とも何人かスパーをさせてもらい、動きとしては上々だった。昨年夏の試合では負けていたし、ジムには青帯の人がほとんどいない(昨年末に1人入ったくらい)ので、ここでよその青帯の人に対してどこまで動けるか、を試せたのは試合前の大きな収穫だった。

・練習会の翌日、実家に帰省した。帰省の前にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3を見て泣いた。

・体重調整が思わしくないので実家ではあれ食べろこれ食べろ、という攻勢を受けたができる限り控えた。

・行った日の夜は家で焼肉だったが普通くらいに留めおいた。

・食後に裸の状態で体重を計ったら、71kgほどあった。裸の状態でこれなので、道着を着たら72kgちょいだ。焦り始める。

・2日目の夜はインドカレー屋で、デフォルトの量が多いものの、ここでもセーブした。が、父の余り分を少し消費する役を仰せつかってしまった。

・帰省は1泊2日で切り上げて帰京した。土日は映画を見に行ったりしたが、できるだけカロリーの高そうなものは避けるようにした。東京の家には体重計がないので計ってはいないが、まあ少しは減っているだろうなどと気楽に考えていた。こういう場合はろくなことに(以下略)

①-3:GW明け~試合前日

・月曜日、連休明けの憂鬱な仕事初日を終え夜にジムに行った。練習前に体重を計ったら73kgと表示された。驚いてもう一度計ったが大体同じような数値が出た。夕食後とはいえ、これはまずい。

・柔術を始めてからというもの、体重に関してはたいして調整するまでもなくクリアしていた。だいたいこれまでいくら食べたり飲んだりしても73kgになることなどなかった。それが試合の5日前にこのザマである。月曜はもう夜なので、残された時間は実質4日しかない。

・まずは落ち着いてパニクった。困った私は初めての水抜きに挑戦することにした。

・グーグル検索で出てきた記事を参考に大量の水摂取と塩分断ちを始めた。
方法としては試合2日前まで毎日6リットルの水摂取、塩分は1日で小さじ1程度に抑える。

・水曜日の基礎クラス前に計ったところ、71kg弱にまで減っていた。
金曜日のスパー前の計測では70kgちょいにまで減っていたので一安心だったが、ここで気を緩めてはいけない。

・試合前日まで体重のことで頭がいっぱい(そして試合後に食べるつもりのラーメンのことでも頭がいっぱい)だった。5/11(木)に組み合わせが出たので一応山組と予定開始時間を見たが、大して気に留めなかった(同じASJJF主催の試合で昨年対戦した相手がエントリーしていたので、また当てられることもあったりするのかな、などと考えたがそれはなかった)。

・初戦は12時半頃なので、少なくともそこまではご飯を食べられないのか、と少しテン下げであった。

・試合前日の練習は師匠と白帯のOさんの3人だった。人数が少なかったのが逆に良かった。というのも、私の試合に向けた対策(という名の最後の詰め込み)を重点的に行えたからである。たくさん人がいると通常メニューにならざるを得ない。実際、この日の練習でやった動きは試合にだいぶ生かされた。

②試合当日

②-1:移動~会場入り

・1試合目が12時半からなので11時半前後に会場入りすることにした。

・9時前頃に起きてから出発までに少々時間があるので、純粋に勉強をする必要があるのと、空腹を紛らわせるのと2つの目的でFP3級の勉強をした。経過は上々である。

・10時半ごろに家を出た。マーヴェリックのサントラやフットルースのテーマなどを聞きながら気分を乗せていった。以前はよく試合前にいきものがかりのスピリッツを聞いていたが、気負いすぎる感じもするので今は緊張を適度にほぐすような、気楽に聞けて気分の上がるノリのいい音楽を聞くようにしている。

・会場入りし、予備計量をしてみたら道着を着た状態で69kgちょいだったので一安心し、朝ご飯に用意していたサラダチキンを食べた。

・同じくらいの時間に師匠も来ていたので試合前のアップを手伝ってもらった。

②-2:1回戦 K選手(ジョン・フランクル)

★結果
10-0 ポイント勝利
★試合振り返り
初戦でしかも約1年ぶりの試合ということもあり序盤少し力が入った。

・朽ち木倒しでテイクダウンしてポイントを先制できたのがよかった。

・おそらく相手の方が体重が軽く、パワーもこちらに分があったので相手の身体を優位に制御しながら試合を進められた。

・ディープハーフに対するカウンターの片羽絞めをたまたま使い始めたくらいだったので、ディープハーフへの牽制もできてよかった。対応方法で迷っていたらポイントを取られていたかもしれない。普段の練習でディープハーフを多用してくる仲間(A君)に感謝感謝である。

余談
・組み合わせが出た後、情報収集のため一応グーグル検索してみたが、同姓同名の中年の囲碁棋士が出たくらいだった。なので情報収集はあきらめた。

・試合前、会場の荷物置き場として陣取ったエリアの近くにK選手らしき人がいたので話しかけてみたがうまく通じなかった。
呼び出し・計量に応じるのも遅く、近いとはいえ異国での試合にうまく対応できていない様子だった。アップをしている感もなく、試合に向けてうまく身体を温められなかったのではないか。

・試合後、相手セコンドの方に挨拶に行ったら笑顔でカムサハムニダと言われたので私もカムサハムニダと返した。これでも大学の第2外国語は朝鮮語だったのだ(落ちこぼれだったが)。

・彼ら(セコンドの方含む)の所属するジョン・フランクルというアカデミーは韓国で最大手らしい(50近くの支部があるよう)。日本でいうトライフォースとかパラエストラみたいなものか。ついでにパラエストラが韓国に23支部もあると知って驚いた。さすがさすがである。

②-3 2回戦 Y選手(パラエストラ千葉)

★結果
16-2 ポイント勝利
★試合振り返り
・1試合目と比べると疲労はあるものの緊張はほぐれているので精神的にも身体的にも試合にスムーズに入れた。

・二匹目のドジョウを狙って序盤立ち技勝負に出たが今回はテイクダウンをできなかった。

・迂闊に腕を取らせたのは良くなかった。上下入れ替わりのどさくさに紛れて解除することができたが相手にもっと技術があったら、体重がもっと重たかったら(圧がかかっていたら)あのまま決められていた。

・腕を取られた状態でのスイープで2点先取されたが、落ち着いてそのままDH気味のハーフに入って後転でスイープできたのは良かった。上下逆転後も落ち着いてパスまで行くことができた。

・初戦で失敗したマウント移行は今回は成功した。サイド⇒マウント⇒足絡まれ⇒外してまたサイド⇒マウントという点数乞食とでも言えるムーブで点差を広げられた。

・最後のアキレス腱は特に不安はなかった。あまり深く足が入っていなかったし、相手の上体を掴めていたので倒れこむ心配がなかった。

余談
・さすがにパラエストラ、セコンド以外のギャラリーにも応援団が多く、私含め3人の選手団とはだいぶ声援の量も違った。

・1回戦を見て、Y選手は試合中の修正力があるなと思った。というのは1回戦で相手の巴投げを食らった後に落ち着いてガードの態勢を整え、最終的にポイントで逆転して勝っていた。1回戦から落ち着いて自分のペースで試合を展開できる人を相手に試合をし、かつ勝利できたのはいい経験になった。

・試合後、疲れてしまいポイントで勝利したのは認識していたが上下逆転がどのようにして成ったかがすっかり記憶から抜け落ちていた。撮ってもらっていた動画を後から見返して思い出すなどした。

②-4 準決勝 K選手(Now or Never)

★結果
0-2 ポイント負け
★試合振り返り
・ラペラを足の上から巻くハーフガードに入られて、ついぞ抜けないまま最終的にスイープされてしまった。
・相手の意図がわからず、ラペラを巻くのをそのままにさせてしまった。
・相手のハーフガード自体堅かった。そのうえでラペラを巻かれたので手こずった。
・2回戦では立ち技勝負に出ていたので今回もそう来るという思い込みがあった。こちらが2試合とも立ち技勝負でトップを取っていたので引き込みに入ってきたのだろうか。

余談
・試合中に一人ごちてしまった。

③全体総括・感想・その他の余談

・疲れた、いうのが第一である。1日3試合(全部フルタイムなので計18分)はアラサーリーマンにはなかなかキツい。各試合30分程度の間隔がなければ死んでいた。

・ただし、試合直後は汗があふれて腕が張ったが、以前のように試合後30分立てないとか、翌日動けないほど身体がバキバキ、ということもなく程よい疲労だった。

・青帯をもらって1年が経過してようやく初勝利である。単純に都合が合わず試合に出るタイミングを逸し続けていた、というのが大きいが自分で金を払って出るにあたって勝つ見込みがない状態で出たくないというのもあった。なにしろ1回試合に出るためには早期エントリーでも7~8,000円、直前だと10,000円近くはするのだから。そのお金で1回戦負けというみじめな結果を生み出したうえに疲労まで生み出すくらいなら、映画を見てラーメンを食べて本を買った方が安上がりだし確実に充足感が得られる。

・しかし単純なもので、今回たまたま勝った上に入賞までできたものだから気が良くなって、次回の試合への意気込みも出てきていたりもする。

・今回勝てたのはたまたま、というか組み合わせの運がよかった。
これについては相手が弱い、などという失礼極まりない物言いをしたいのではなく、私としては比較的戦いやすい相手に当たったということである。個人的には個人の身体能力を生かしたようなスピードのあるタイプが苦手なので、今回のように柔術の文法に則った正統派な、じっくり攻めてくる相手に当たったのは運が良かった。準決勝でボロ負けしなかったのも、結局は似たような理由であると思う。

・最後に、今回試合で対戦した選手とセコンドの方に感謝して終わります。
またどこかで機会があればよろしくお願いします。


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