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続続続続続続・映画「カラオケ行こ!」、計11回見た人間の感想

11回視聴済。映画本編と原作(カラオケ行こ!単行本・ファミレス行こ。上巻 ※本誌未読)、シナリオブック、パンフレットなどの情報に目を通しています。主に映画本編の感想ぽろぽろ記録なので、特に未観賞の方へのオススメとしての役目はありません。
流石に満足を覚え始め 映画館に行く頻度も落ち着かせるつもりだった(二月頭は五日連続とかしていた)ものの、半券キャンペーンや入場特典も続々発表が続くのでまだまだ見に行く機会はありそうです。


・bestia見に行った!特別な凄さは正直分からん(雑魚耳) 映画館の音響っていつでも凄いから……
 でもやっぱ聴き応えはすごいなー!と思った。BGMに注目して聴いてたりしたけど、しっかりと聴けてうおお……になった。サントラ聴いてる時「これあの時流れてるやつ!」になるし、そっから映画観ると「あの曲だ!」になるし、の楽しさループが発生するな。
 サントラを聴いて、同じ 低めブンブンからのぱっぱらっぱ のBGMでも、場面によってそれぞれの曲だったのを知って おもしろ〜〜〜になった。

・タイトル画面の、ちゃり〜んの効果音で映倫が光る瞬間が好き。

・聡実くんの靴がよく見えるの、狂児にキレてから戻った時の靴箱の靴履き替えシーン(メモ) てか聡実くんて出席番号何番なんですか 「お」で二段目左から四つめなの、あ行多くないですか(一段何人か分からないけど)

・やっぱり映画を通して 聡実くんの白いワイシャツ・明るいグレーのパーカー⇔狂児の黒いジャケット・黒いシャツ で印象が揃えられていて、その画の良さに目が行くな……。それが最後のカラオケ大会で逆になるところまで含めてさあ………。多分狂児は滅多なことがなければ白ワイシャツのみにはならない(刺青入ってるから?)のかなーという〜それ。そう思うと聡実くんの白ワイシャツ半袖ってまあ狂児はもう着ないであろう服装で、狂児から見た聡実くんの、自分には無い眩しさのさあ 話を……。
 あれ!?ラストシーンって白ワイシャツか?どうだっけ(あんだけ見といて記憶なしかい) そうなると白ワイシャツずぶぬれに始まり黒を着続けて最後白ワイシャツの同じ台詞に戻ってくるの、流れの構成・魅せ方がマジで良すぎて震えるな………。 これ完全に勘違いしてて普通に黒シャツだったらカットでお願いします。(腕まくりしてるからシャツなのは確かなんだけども)

・これ、なんというか……私の持つ色の印象という偏見も入る話で申し訳ないんだけど、岡くんの変声期について話すコーチとももちゃん先生がそれぞれ水色のシャツとピンクのジャージなのも、画の見せ方として色の使い方が上手いな〜って見る度思う。個々の色の持つ印象というのもそうだし、この話題においてそれぞれの視点(性別)を持つ二人が対になるような色を纏っているのが……"それぞれ"の感じがより視界からの情報として伝わってくる気がして ほう……と思う。
 そもそも ももちゃんはいつもピンクのジャージだし、全然偶然もありえるかもしれないし、全部(個人的な)印象論の話なのだけども。

・映画見てると、何気ない、なんでもない世界をただうつしているだけの様に思えるのに、細かいピントの調整であったりとか、本当にいろんな工程を経て完成された映像なんだな……ということを感じる。2人が話している中で、聡実くんにピントをあてるタイミングとアングル、狂児にピントをあてるタイミングとアングル……とかがこう……いろいろあって、なんか、色々あるんだろうな………と感じられて、映画製作って 全然想像のつかない世界ですごい。
 こういうことに意識を向ける(意識を持っていかれる)ようになってしまったのが少し寂しくもある。もっとただ、意識を たっぷりと、目の前で繰り広げられる物語に注いでいたさもあり………。

・映画版でも狂児にブチギレのシーンで「全身うんこの刺青彫られたらええねん」があったんだなーということをシナリオブックなどから知ったのだけど、それを踏まえて完成された映画を考えると、その ちょっとフフッてなる瞬間をあえて削ったことによってグッとここの空気感が引き締まる感じもするし、ゆえに後の狂児の「フリーザみたいやな」がワンポイントの面白さになって際立つし、あと単純に 映画での聡実くんなら(普段からそういう言葉を口にしないとなると流石に清純さを求めすぎているとは思うが、少なくとも)あのシーンでは言わないだろうな〜とも、思う。全部後出しジャンケン(こちら側は完成形として出された"言わなかった結果"しか見ることが出来ないから)でしかないけど、どういう経緯でアドリブが生まれたり逆に台詞を削ったりしたのか、そこにある思考について細かく知りたい気持ちあるな……。

・「上手くできない時にはちゃんと代わりになって支えてくれる(支え合える)仲間がいる」という合唱部の優しさと、「上手く出来なくたってそれでもやっていい」という狂児の励ましの違い……。合唱というものにおいて後者(上手くなくてもいい)が言えるのって、狂児が別に合唱に関わりがない立場だからで(そしてお母さんとかも、まず第一に息子の気持ちが大切で)。でも、合唱部にとってはやっぱり皆でよりよいものを作り上げることが大切で、例えば「綺麗な高音が出なくて無理させる形になっても絶対に岡くんが歌うべき」とはきっとならないから、その励まし方は出来なくて(する必要もなくて)……。(←と書いてから思ったけど、もし聡実くんが「綺麗に出ないかもしれない、それでもやらせて欲しい」って合唱部で言ってたとしたらどうなったんだろうな……いや、それが漫画版か?漫画版でもそこまでまっすぐではなかったが。でも漫画と映画で合唱部のあり方も違うから、映画で言ってた場合はまた話が違ったかもしれないな。でも、言わなかったし、言えなかったんだよな……)
 どちらも最大限に聡実くんを思って出来る励まし(なんなら岡くんへの思いは合唱部の方が強いだろう、狂児にとって聡実くんが合唱祭で上手く歌えるかどうかはあまり大きな話ではないから)だとして、それでも聡実くんに刺さったのが狂児の方だったというところに 中学三年生の心理・どこかこどもな部分を感じるし、おわ〜〜(涙)(様々な感情)になる……。
 結局、変声期の壁にぶつかった時に一度逃げることを選んで、知り合ったばかりの自分の知らない世界に生きる大人の言葉の方が周囲の気持ちよりも響いて、それに励まされて逃げたものから向き合うことを決めたものの、最終的に待っていてくれた仲間の信頼を投げ出してでもその大人を選んでしまう、という……こと、の、全てが 聡実くんの若さで、未熟さで、愚かさで、その愚かさがどうしようもなく眩しくてかけがえがないんだよな……。

・聡実くん睫毛なっげ あといつも眼鏡のレンズのズレが生じてないところを見ては「あ〜〜〜〜(衣装だからというメタ的な意味で)伊達眼鏡だね……」と笑顔になっている
 齋藤潤さん演じる岡聡実くん、すらっとしたスタイル・脚の長さ・腰の高さでありながら、節々にまだ幼さが残るようなまるさがあり、それでいて時折手の骨ばった感じも見えて 男の子だな………と感じられる、そういう全てのバランスが……すごく良い。

・祭林組のスピンオフショート見たすぎる。見る度なんか愛おしくなっていく。ワンナイトカーニバルの兄ちゃん、カラオケ大会に聡実くんが入ってきた時に「オッ!聡実くん!」みたいな笑顔で迎えてくれてて見る度すき。白いジャージもお似合いで……。

・「声が汚いです」 ←一番歌上手いのに一番どうしようもないこと言われとる

・合唱部が練習でその木々は緑歌ってる時、岡くんが居なくて、その居ない岡くんにピントを合わせてるように見える画の力が凄すぎる。(他の誰にも合ってなくて…)

・綾野剛演じる成田狂児のルビーの指環、フルで聴きたいよ…………

・和田から岡くんに向けられる感情かなりデカいけど、いうて岡くんから和田への感情ってそんなにかも……って思うと 切ねえ〜(涙)
 例えば可愛い後輩とかいうよりも、なんなら言葉ではっきりぶつかってくる部分に対してのちょっとした疎ましさとか自分の代わりであるという部分へのもやもやとかそういうのの方があったんかな……と思うけど、そういう抱えてたもの全て和田の知らんとこでヤクザの男に救われて、挙句の果てにそれらを含めた青春を捧げてしまったので……岡くんは…………(切ねえ〜涙)

・そのワンフレーズまで意識された選曲では(流石に)無いと思うんだけど、最初の合唱で歌われる「戸惑いながら 覚悟している」というフレーズが、最後のカラオケ大会に乗り込んでマイクを受け取る時の聡実くんとめちゃくちゃ重なって…………その展開をもう知っているから、最初の合唱シーンでそれが歌われる時に 嗚呼……(様々な感情)になる。覚悟している……。

・聡実くん、屋上で狂児に「綺麗なもんしかアカンかったらこの町ごと全滅や」を言われて、(この作品内で)初めてちゃんと笑顔を見せるの、逆にそこまで見せていないということが凄すぎるし、そう思うと聡実くんって ざっくりと分けた話をするなら無表情で無愛想な子だけど、そこからさらに細かく見た時の 感情や状況によって表情や視線の動きが全然違くて かなりきょろきょろした様子、心境の入り乱れ を感じるの、が、すごいな〜〜になる……。齋藤潤さん、表情の見せ方がすごく上手くてすごい。
 聡実くんが笑顔を見せるの、屋上とカラオケ大会の終わりと卒業式の写真の時くらいしかないの、そ、そうか……(爆萌え)になるし、そのキャラクター性の魅せ方がすごく好きだな……。
 てか、その屋上の笑顔のところに光合成のアドリブを差し込むの、(これは脚本に夕日の描写が入ってる点からしてアドリブ関係なく元々かもしれないけど)その言葉が響いて心で大事に受け止める聡実くんの時間が生まれるし、さらにそこに狂児がそのことを全く気づいてなさそうという文脈が生まれるのが さ〜〜…… 好きだな……。後々そんなん言ったっけ?みたいになるやつ…………。(←カズコの前科)

・これ映画というか原作の話にもなるけど、狂児が「聡実」を彫られてるのって、まんじゅうこわい的なそれというよりも「狂児が聡実くんを忘れようとしているから」という理由で組長からちゃんと嫌がらせとしてやられていたとしたら、ヤバいな〜(ファミレス行こ。の本誌を追わない選択をしているので、なにか情報があっても何も言わないでください。)
 最初「好きなもん彫られた方が……を経て結果それなの、ただただクソデカに愛。」つって震えていたけど、考えれば考える程また色んな意味(の、可能性)を含んで煮詰まるからすごいな……。

感想も既に書き尽くしただろうか……と思っていたけれど、見る度に書き残しておきたいことは出てくるな。
最近はもう新鮮に楽しむ視点も失いつつあるかな……(作品自体の面白さは関係なく、同じものを何度も見てればそりゃそうなる)とやや悲しくなっていたが、11回目の時はなんか素直に心からときめきで胸いっぱいになる瞬間など多々あり凄く良かった。何度見ても狂児がアタッシュケースで人をぶん殴るシーンでバカデカの笑顔になる。

映画作品を楽しむにあたって、自分が何者でなくてもいいというのがすごくいいなということを最近考える。私はこの作品に対して自分がファンやオタクの立場に立つ(名称を得る)つもりは特にないのだけど、可能な限り、観客でいられたら嬉しいとは思っている。