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【緊急要望への意見と賛同求む】コロナ感染拡大に伴う路上ホームレス化への対応を要望したいと考えます

デモクラティック・デザイナーの北畠拓也です。

昨今のコロナウイルスの流行拡大に伴い、都市封鎖が現実味を帯びてきています。いわゆるネットカフェ難民や今現在仕事を失っている日雇い労働などの方々が路上ホームレス状態に至る可能性が非常に高まっているものと思われます。こうした災害のような状況は、特に低所得や生活困窮状態の人々への打撃が大きく現れるものです。コロナ対策には住宅格差を考慮し、また住宅を失わないための支援と失った人への支援が必要であることが指摘されています。(稲葉剛さん;[39]緊急提言:コロナ対策は「自宅格差」を踏まえよ https://webronza.asahi.com/national/articles/2020032300001.html?page=4)

ロンドンやニューヨークではすでに民間ホテルや公的施設の開放など、ホームレスやいわばその予備軍である人々に対する対応を始めています。
そこで、私としてもなにかできることがないかと考え、多くの方にご意見・ご賛同をいただき、またウェブ署名等も集めた上で東京都およびつてのある都議会議員などに緊急要望書を出したいと思いその素案を作成しました。

この要望書は、主に新たに路上に出てくる可能性の高い層をターゲットとし、ロンドンのNO SECOND NIGHT OUT (NSNO)政策を参考にしながら考えました。NSNOは、路上に出て間もない人に対し、積極的にアウトリーチで相談を受けて簡易なアセスメントを行い、市内3箇所のセンターにてより深いアセスメント(路上にいたる経緯や依存症等の支援ニード把握)を行い、72時間以内に次なる支援につなげるというもの(※)で、できるだけ早期になんらかの支援につながったほうがホームレス状態へ定着せずにすむという根拠によるものです。
同時に、今回はコロナ対策という面もあり、集団生活はもってのほかであることから、ホテル借り上げ等による個室確保を条件にしています(これが結果的にであれハウジング・ファースト型の支援となることを狙います)。

早急に要望を提言したいと考え、この土日で様々な方の意見を伺いブラッシュアップし、また具体的な数値などをエビデンスを集めつつ、ウェブ署名の準備をしたのち、週明けにも都議会議員に連絡したいと考えています。

以下に要望書の素案を記しますので、どうかご意見およびご賛同いただけましたら幸いです。ご意見はこの記事またはtwitter(@tkita_sharin)へ、賛同いただける方は直接ご連絡いただくか、ウェブ署名の準備が整い次第ご協力いただければと思います。

<素案>

東京都知事 小池百合子 殿

【コロナウイルス感染拡大に伴う路上ホームレス化の可能性が高い生活困窮者への支援強化についての緊急要望書】2020年3月30日(予定)

趣旨

 コロナウイルス感染拡大に伴い都市封鎖が現実味を帯び、より大規模な経済的活動停滞が予想される中、路上ホームレスに至る可能性の高い生活困窮者が増加されることが予想されます。例えば都内に約4000人いるとされるネットカフェ難民のように民間商業施設で生活する者は、当該施設が営業停止した場合行き場を失う可能性が高く、また現に仕事を失っている日雇い労働者や雇い止めにあった非正規雇用者等についても、今後経済活動の停滞が続く中で居所を失う可能性が高まっていると考えられます。また、ネットカフェや集団での生活を要する寮や宿泊施設で生活する者が罹患した場合周囲への感染リスクも高いと考えられ、上述の生活困窮者においても一定の居住環境を整えた上での生活を送ることができるよう対応することが社会全体の安全を確保するために求められます。

 諸外国では、今回のコロナウイルス感染対策として、ホームレス状態にある人々に対し緊急的にホテルや公共施設での滞在を可能にするなどの対応をとっています。現にホームレス状態にあり健康に問題がある者に加え、上述のホームレス化の可能性が高い者や非常に早期のホームレス状態にある者に対しても、十分な支援が必要であると考えられます。

英国・ロンドンで路上生活に至って間もない者に対して取られた政策(No Second Night Out)を参考にしつつ、以下の点について十分な支援体制の整備と資金投下および対応をお願いしたく、ここに緊急要望書として提言いたします。

要望

① 民間支援団体と連携しながら巡回相談(アウトリーチ)を強化し、路上生活に至って間もない人々も含めた相談支援および活用できる支援の情報提供に努め、本人の意志を尊重した上で即日何らかの支援に繋がることができるよう図ること*。

② ホテルの空室や民間施設の借り上げ、または公共施設の利用による一時的な居所の確保、または宿泊料の補助による一時的な居所の確保ができるよう支援すること**

③ 同時に丁寧なアセスメントにより支援ニーズを把握し、積極的に生活保護等の既存制度に繋げること。

④ 上記の支援の実績や聞き取った支援ニーズ等を分析・検証し、さらなる感染拡大時や感染収束後の景気悪化による生活困窮者増加に対応するための知見を得ること

* ロンドンの路上生活に至って間もない者(flow)に対する対策では、早期に発見し何らかの支援に繋げることが有効であることから、路上で発見した者には簡易なアセスメントを実施した上で市内の拠点に移り、依存症との支援ニーズの有無や深いアセスメントを行った上で72時間以内に次なる支援へ繋げるという支援の流れをとった。

**ウイルス感染への対策も含め、安定した生活を送ることができるよう個室を確保した上での必要支援の投下(ハウジングファースト型)の支援が望まれる。

以上

(※)参考資料;(河西ら)2012年五輪・パラ五輪を契機としたロンドンにおけるラフスリーピング政策の展開と実態(https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/51/3/51_1182/_article/-char/ja/)

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