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山形アテンドの記録

長崎の友人と友人のお母さんが山形に来て案内をした
友人とはピースボートに乗船した際に船の中で知り合い、下船後も手紙を送りあったり、それぞれ住んでいる地域の特産品を贈りあったりして良い関係を続けさせてもらっていた
3年前に友人が山形に来る予定で話をしていたのだが、コロナウイルスにより来ることが出来なくなっていて3年越しに今回の来山となっていた
今回は友人と友人のお母さんとで山形に来る前に、大阪の親戚と会ってから来られたとのことだった
大阪国際空港からおいしい山形空港にてアクセスされ、私が車で待ち構えてお二人をピックアップした
二泊の旅行のプログラムを私が組み、PDFでしおり作成しお送りさせて頂いていた
初日は県の南側の高畠、米沢をアテンドした
まず初めに瓜割石庭公園に行った
ここは古墳時代は石室にて使用され、江戸時代に採石された高畠石は民家の石塀等に使われていたらしいが現在は採石されておらず観光地となっている
約30メートルの石壁をどうやって採石したのかを聞かれたが全くわからなかったし、ググっても出ないのでチャットgptを使うしかないと思っている
公園を後にし、高畠ワイナリーにてワインを購入した
友人のお母さんは相当な呑んべえで毎日ワインを嗜んでいるらしく、ウキウキで購入されていた
昼食にグッドという米沢牛が食べられる店に行った
こちらはステーキやしゃぶしゃぶで米沢牛を提供しており、メニューに目をやると【特選米沢牛リブロースステーキの500g】におかれては17500円という金額を提示されていた
私は4000円のランプステーキとノンアルコールビールを頂いた
友人のお母さんはワインを飲んでおられた
舌鼓を打ち終え、上杉公神社に向かった
ここは、上杉謙信を祭神として米沢城本丸跡に建設されている
刀や甲冑などが収蔵展示されている稽照殿に立ち入った
館内でほら貝を発見し、そこから友人のお母さんと山岳信仰の話で盛り上がった
山形駅近くにホテルをとっておられ、チェックインする為車で山形市まで戻った
史上最高の珈琲を提供する珈琲屋もアテンドしたかったのだが電話をしたら謎のお休みでダメだったので、すかさず山形最強の豆腐屋桑原豆腐店で豆腐を皆で購入した
お二人が今朝は四時起きだったとのことで、初日のアテンドはホテルまで送り届けて終了した
二日目は山形県の海側、庄内の鶴岡市に行った
まず手始めに、いでは文化記念館で山伏の歴史などについて鑑賞しに行った
ここでは出羽三山の文化を知ることが出来る
出羽三山は山形県の中央にそびえる月山、湯殿山、羽黒山の総称であり、高くて形のよい山は豊かさの源で神聖な場所として人々から敬われてきたらしい
近世では羽黒山から入り、月山で死とよみがえりの修行を行い、湯殿山で再生する巡礼が多く行われ、生まれ変わりの意味をもった「三関三渡」の旅とされたらしい
そして山伏とは、霊山を踏破し山岳が持つ自然の霊力を身に着けることを目的としているらしい
山伏は頭に頭襟という多角形の小さな帽子のような物を付け、手に錫杖という金属製の杖を持ち、袈裟と篠懸という麻の法衣を身に纏っている
山中での互いの連絡や合図に、ほら貝を加工した楽器も持っている
宇治拾遺物語による記載では、山伏は渡し舟を祈りで呼び戻したらしい
鑑賞の結果、山岳信仰は山の厳しい環境で住む人々が心の救いとして山岳を信仰することで皆の心を支えるために作り出したの幻想なのではないかと思った
いろいろなものを持って山に登るのはいいが、渡し舟を呼び戻すのは無理だとも思った
月山を文明を使用して渡り、スーパーソニック寿司屋である朝日屋に入った
朝日屋は鼠ヶ関漁港で獲れた魚で握ってくれるらしい
例のごとく私はノンアルコールビール、友人のお母さんは日本酒、友人はお茶で乾杯した
友人のお母さんのおちょこには虫が入っていた
無駄に店員の方々の掛け声の語尾が異常に伸びていた
これは、是非現地で体験して頂きたい
自魚中心の握りのコースでは黒ソイ、ホウボウ、フグ、オニカサゴ等白身魚の食べたことのないネタを握ってくれる
窓からは海もちょこっと見えて「今、海の近くで寿司を食べておるのだ、俺は」と実感できる
内装はごちゃごちゃしていて、若干サイケデリックな、なんかやってそうな印象もある
私は寿司屋で出るつまも全部食べる
つまは刺身から出る水分を吸い取り鮮度を保ち、また抗菌や消化を助ける作用もある
スーパーな役割があり飾りではないのは記載しておきたい
お次に加茂水族館に行った
ここは、クラゲを中心に展示している
先ほど食べたホウボウや黒ソイが泳いでおり、すまない気持ちとこんな狭い水槽に魚を何匹も閉じ込めてなんて人間は勝手な生き物なのだと同族の人間に憤りが生まれた
クラゲの触手は相当きしょい
私の好きなチンアナゴはいない
庄内観光物産館で地酒等お土産を買い、山形市に戻った
私はお二人をホテルにお連れしてから車を自宅に置いた
ホテル前で待ち合わせし、寒空のもと山形の夜の街に三人で繰り出した
一件目におでん屋たぬきへ突入した
ここの女将さんのサービスは半端ない
一時間でおしぼりを三回もらったし、お通しの種類も三種類ほどあり、コストパフォーマンスがすさまじく高い
大皿に移したソーセージを切ってから出してくれるのだが、ソーセージを切る際に「阿部定だがらな」とジョークを飛ばしいい雰囲気を作ってくれる
店を出る際にも入り口まで送ってくれた
二件目にたぬきのすぐ隣にあるおくざしきへ入った
ここは、山形牛の肉巻きや肉寿司など山形牛がおいしく食べられる
朝日鷹という高木酒造が醸す、地元限定流通酒を嗜むことが出来、フレッシュでフルーティーでふくよかなあじわいを楽しめる
友人のお母さんと吞みまくり、友人の働いている洋服の店の話や酒談義や各地の祭り話に花が咲いた
私が酔っ払いまくってしゃべりまくっってるのを二人は笑って聞いてくれた
嬉しく楽しい時間だった
三軒目にジャズバーである扇亭に行った
知人のギタープレイヤーのyocoさんがおられ、yocoさんのギターとママのボーカルでライブが行われた
日本で誕生したオリジナルカクテルの一つである【雪国】をどっかのおっちゃんと四人で呑んだ
雪国は山形県酒田市でバーケルンを経営していた井山計一氏が考案し1959年に発表している
雪国は全日本ホームカクテルコンクールにおける第三回ノーメル賞グランプリのグランプリ作品である
特徴であるグラスの縁にまぶされている砂糖は、グラニュー糖ではなく上白糖であるのがポイントであるのをママが教えてくれた
2019年には雪国誕生秘話を追ったドキュメンタリー映画【YUKIGUNI】も公開されている
明日もあるので、ほどほどにして二日目を終了した
最終日、銀山温泉に向かった
銀山温泉に向かう途中で高瀬川の鯉のぼりを見た
強風が吹き荒れていた為、鯉のぼりがとんでもなくはしゃいでいた
銀山温泉に着くと、友人は行ってみたいと言っていた場所あった事もあり突風の中で写真を撮りまくって喜んでいた
日帰り温泉のしろがね湯に行った
非常に狭く、料金は五〇〇円で三〇分以内に上がらなくてはならないわりに非常に熱いし、男女ともに三人しか入れない
私は入れなかったし、番台の男の対応がとにかく最悪でクソ野郎である故にぶっ飛ばしたくなった
長崎のお二人に悪いことをしてしまった
山形旅行最後の食事は吉里吉里にて行った
私はノンアルコールビール、友人のお母さんは日本酒で盛大に打ち上げた
吉里吉里は民家をリノベーションしており高級サウンドシステムもある
夫婦で経営され、奥さんがちゃきちゃきした呑んべえで素敵だ
長崎から旅行をしておられることを話すとフキノトウの味噌炒めや山菜のわさび和えをサービスしてくれた
また、わさびは作谷沢地区のものを使用されている
このわさびは辛さの中に自然な甘味があり、すがすがしい香りも含まれている
友人のお母さんは吉里吉里のそばの風味と味わい深さを超絶に絶賛していた
山形の蕎麦は世界に誇るレベルのうまさである事を再確認した
ラーメンを食べてる場合ではないのである
お二人を空港にお送りし、mockumentaro氏のzineと私の制作したMIXCDをお土産にお渡ししてアテンドはフィナーレを迎えた
改めて自身の住んでいる場所の歴史とあり方を再確認することが出来、新たな発見もあった
また旅をしたいという気持ちも生まれた
観光地だけにはない、山形の魅力的な場所や人を他県の人に紹介できるような山形人でわたしはありたい


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