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井上尚弥vsノニトドネア戦回想

井上尚弥vs ドネア第2戦をアマゾンプライムにて観戦した
私は高校、大学、社会人で8年間結果は残せなかったがアマチュアボクシングに関わってきた
映像や現場でいくつもの試合を見てきたが、今回の井上選手の試合の試合は久々に大熱狂した
この度の興行は井上選手の所属する大橋ジムで行われた
ボクシングのタイトルマッチはジムが企画しスポンサーに金銭的に援助を受けて行われる
今回の井上選手のファイトマネーは2億円だそうである
これまでのコマーシャル出演などの出演料なども含めると10億円はギャランティが出ていると思われる
ボクシングで日本の選手がこれだけの金額を獲ていると思うと夢のある世界だと感じる
アマゾンプライムでは18時から22時頃まで前座で大橋ジム所属で弟の井上拓真選手と平岡アンディ選手の試合が放映された
正直なところ、前座の2戦は高等技術やボクシングならではの潔さが見られたのだが、メリハリが無く戦っている選手同士のかみ合わなさが感じられた
音楽でもそう言えるのだが、物事が起こる背景や経緯を受けたうえで予想しないしないような世界観や景色に感動したり、おもしろいと思えるように思える
今回の井上尚弥vsドネアの第1戦は井上選手へのドネア選手の左フックによる眼底骨折や目の上のカットによる出血で苦戦を強いられた上で判定での井上選手の勝利であった
ドネア選手は世界5階級制覇のフィリピンのレジェンドで、再戦に向けてベストコンディションで仕上げてこられていた
そんな背景もあり、今回の私の予想は苦戦を強いられながらも5回井上選手のKO勝ちという予想であった
結果は1ラウンドに右のクロスカウンターで井上選手がダウンを奪い、2ラウンドに連打でKO勝ちをした
1ラウンドのダウンは文字にして表せば至近距離で井上選手がフェイントで左を打ち込もうとしたところをドネア選手が左にダッキング【体を下げる防御する名称】し、ドネア選手が右を打ち込もうとしたところに井上選手が右のストレートを左のこめかみにカウンターを打ち込んでダウンを奪った
このダウンは、ものすごすぎると思う
なぜかといえば、それを実行できることがである
文字にして理論的には理解できる動作であるが、ボクシングに世界は0,1秒の世界でパンチの交換を行う
プロボクシングの選手は全世界におり、その中でのピラミットの上の一握りの選手が凌ぎを削って毎日ボクシングのことを考え切磋琢磨して世界タイトルマッチに臨んでいる
人生をかけて試合をしているので、勝つための技術を練習で習得し死に物狂いで皆戦っている
その中での今回の井上選手の至近距離でのあの右は、普通の選手が練習や経験を積むことで実行できるものではない
私の現役時代も毎日必死で練習していたが相手にパンチを打ち込む為にはフェイントをかけて動いた相手を予想し、その動きの上を行く相手が予想しないパンチを出すことで相手にパンチが当たりダメージを与えるように練習する
これは、ある程度は練習でできるようになるが、試合でこのことを行うためには瞬時の判断を行うもともとのセンス、それを行えるフィジカルの強さ、ラウンドを重ねてもそれを行えるスタミナ、相手のパンチを恐れない精神力、プレッシャーを感じながら試合に向けてコンデションを整える日々の食事管理などすべての要素が高いレベルでないと行うことが出来るものではない
それを世界の最高峰の選手を相手に行うことが出来るというのは異次元である
これまでも素晴らしい日本の選手はいたが、世界のトップの選手にはかなわなかった
私も日々練習に励んでいたが、もともとのセンスが違いすぎる選手にいくら頑張ってもかなわなく大学後期には変則的な動きをすることで日々何とかくらいついていた
それだけ、高次元なレベルでの戦いになると生まれ持ったものでの勝負になってくる
それは、もともとのフィジカルの違いや練習だけでは補えないセンスの違いで現れてくる
それをすべてが高次元で行えて、世界のトップの選手に圧勝する井上選手は奇跡的存在であるといえる
井上選手は一般のK-1で人気の武尊選手とは比べ物にならない、これまでには考えられない日本至上初の、世界最高峰の奇跡的な大選手であることがいえる
また、再戦という事で私の思い浮かべる再戦といえば2000年から始まり2度の再戦を行ったメキシコ人同士の世界チャンピオンであるバレラvsモラレスの統一戦であるのだが、両者の実力が拮抗しておりハラハラする闘志むき出しでどちらが勝つかわからないおもしろさがあった
今回の再戦は圧倒的強さで井上選手が勝利したわけだが、こういった結果は私は予想しておらず、あのKOパンチを高次元で遂行した井上選手の強さにただただ熱狂した
私がこの試合を受けて魂が燃えたので、この山形で自分なりのことをやっていきたいと思う
ボクシングのいい試合を見た後は自分もなにかやってやると思える

本当にものすごかった

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