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新潟探訪記2

新潟に行った際に【SLOW COFFEE】という店に入った
近隣のパーキングの精算機が1000円と小銭しか対応していなかった為、お金を崩すべく入っていった
こちらの店は、志賀恒夫さんが運営されている
志賀さんはデザインを若い頃に仕事にされており、フリージャズの名盤である吉沢元治の【INLAND FISH】のジャケットを担当された
「どこから来たの?」と話しかけて頂いてから【SLOW COFFEE】の面白さに引き込まれていった
志賀さんは渋谷のデザイン学校に1968年に入学されるも体調を崩され、故郷である新潟に戻った
当時学園紛争における前衛芸術に関心を持たれていたそうで、強いアティチュードを持ちつつ新潟で建築事務所【ロビンアートスタジオ】を立ち上げられた
御年77歳の現在は会長を勤められ、のんびりと【SLOW COFFEE】を運営されているという
店内には左寄りのアナーキズム関連書籍が多数置かれている
350円という安価な金額でコーヒーを提供され、会計はテーブル置いてある缶に客が自ら金額を入れるという方法をとられている
御釣りにおいては自身で計算して缶からとる
一見道楽の店であるようにも思える
しかしながら志賀さんと話しているうちに、ここはパンクスの巣窟であることを理解していく
【SLOW COFFEE】は17時半から【鳥の歌】という居酒屋になる
【鳥の歌】は以前は別店舗で運営されていたが、家賃が払え無くなった店長さんの為に【SLOW COFFEE】を夜のみ借りて営業している
貸し出しの金額を聞いたのだが、以前の店舗の4分の1程のようだった
【鳥の歌】の店主は、新潟にいる外国人労働者の給与の不支払いや不正な長時間労働を行う事業者に対し、知人の弁護士と共にボランティアで抗議に赴かれるらしい
友人たちと土方巽の舞踊を見に行き、劇団を立ち上げられ、すさまじい安さの料理を提供し、金のない客からは金をもらわないスタンスをとられている
完全に新潟のこの場所には自治区が出来上がっているように思えた
店先に新潟のアーティストの制作した、木の廃材を利用したおちょこが売られていた
私はたまらず購入し、使って酒を呑んでやった
こういった上記の情報は、インターネットにはほぼ記載がない
私はここに来て話をして愉しみ、店舗が維持できるように出来るだけの金銭を落とし、協力したいと自然と思った
 
 

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