君をとりまく人々
母について
母は半分位コドモだった。
食べ物の好き嫌いも多く、ヒトの好き嫌いも多かった。
我慢が嫌いで欲望に忠実だった。
ピーマンが嫌い、ネギが嫌い、ニラも無理…
外食すれば、母の嫌いなモノは全て私の皿に移される。
(私は好き嫌いは無いが、量が入らないので余る分は母に還元される)
私が高校生の時、肥満による糖尿病が発覚。
医者からカロリー制限や健康的食生活の話が出た時も
「嫌いなモノ食べて長生きするより、好きなモノ食べて早死にします」
と宣言した。
腹部静脈瘤破裂で入院、絶食の際も
「カリフラワーを食べたくて茹でたのに、食べる前に救急車に乗る羽目に…」
「点滴じゃ腹は膨れない…」
と、恨み言を呟いていた。
自由に、そして欲望に忠実に生きた母。
私が多少突飛なコトをしても
「母よりは…」と流してもらえるのが利点である。
因みに私は、声が母に似ているらしく、母方の親戚からは
「声がそっくりだ」
「話し方もそっくりだ」
「どめどなく話すトコなんか、ホントそっくりだ!」
と言われる。