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よしなしごと

人の顔と名前を覚えるのが苦手である。


思えば昔から、芸能人はおろか、同級生ですら雰囲気で覚えていた気がする。

はっきり苦手だと自覚したのは高校生の時。

クラスに5、6人ずついた男女の見分けが1年経っても微妙だった。
流行に則った髪型、制服の着崩し、似たような体型…

まとまっている時は何となく区別がつくが、1人の時だと間違えそうで名前を呼べなかった。


似たような人物でなくても、あまり変わらない。


高校 二学期の後半、ゴミ拾いのボランティアでたまたまクラスの男子と一緒に回っていた。
話しはそこそこ弾んだが、名前が分らない。

教室に戻って、友人から
「〇〇君と楽しそうに話してたね」

と言われ、

「! あれが〇〇君かぁ!」
と答えて呆れられた。

優しい友人は それから卒業まで、私の友人帳役をかって出てくれた。



大学に入ったら、更にダメだった。
まず人数が、多い。高校も一学年500超だったが、大学はその比ではない。

対人スキルは 無駄にハイレベルを有している為、知り合いの数が飛躍的に増加した。

教室や異動中に頻繁に挨拶を交わすし、
携帯電話を家に忘れて来ても、伝言ゲームのように他の人から言伝てが届く。


何曜日の何限に会う人、演習で一緒、友人の友人…

何となくはわかるが、名前とは全く一致しない。

そして、大学では名札がない。


致命的である。



しかし、1つだけ魔法の台詞があった。


私「今更なんだけどさぁ、名前何だっけ??」

??「ホント今更!〇〇だょ!!」

私「名字じゃ無くて、下の名前。流石に名字は分かるって(笑)」


この流れで角を立てずに名字がゲットできる。

又は、メアドの交換。

この時にメモ欄に「〇曜日〇限のヒト」等、
自分が後から 名前と人物が一致するように工夫する。

今でも連絡先のメモ欄は活用されている。




世界には、相貌失認(Blind face)という障害があるのを大学を卒業してから知り、

私は軽度のソレに該当するのではないかとも思っている。


そんな私だが、動物園・水族館での個体識別は 割とできる。


単に人間の顔に興味がないだけかもしれない。