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よしなしごと

眠れない夜に羊を数えたことはあるだろうか。


本当はsleepとsheepをかけて暗示効果を狙うモノらしいが、日本では「羊が一匹、羊が2匹、…」と羊を永遠と数える単調作業で眠気を誘う手段となっている。

私は羊を数えると眠れない。

理由は単純に単調な作業をやらせてくれない私の脳内にある。

羊を数える時、私はイメージの真ん中に柵があり、羊が一匹ずつ右から左へ飛び越えていくのを数える。(知人の中には左から右へ柵を越えたり、柵の中の羊を端から数えたり、と様々だった。)

基本、羊は左を向いた横向きの状態でアニメーションのように柵を越えていく。
ある程度数える左側がズームアップされ、ひしめき合う羊が映し出される。
そこへ右端にシフトした柵から左へ羊が流れていき、柵が決壊、羊が四方八方に散っていく。

ここで「またかよ…」と意識がはっきりする。

更に続けた場合、事態はより悪化する。

途中で黒羊が紛れ込んだり、柵を越える瞬間カメラ目線でニヤリとしたり、右から左へ行く羊の後ろで逆走する羊がでたり…

こうなっては思い通りにいかない自身の脳内に軽い苛立ちを覚え、眠気など霧散してしまう。

眠りたい夜は羊を数えてはいけない。