【アイドル拡張】僕が手越祐也を愛する理由


てい!

食文化の基盤資産と拡張資産について書こうと思っていたのですが、お固い話がつづくのもあれですし、話題の賞味期限が切れないうちに僕が手越祐也さんを愛する気持ちを整理しておこうと思いまして、今回はてい!からはじめてみました。

いや、でも最後はつながります。やっぱりけっこう汎用的です。


実は私、手越くんとフットサルをしたことがあります。

最近、NEWSのメンバーが当時の手越は仕事もなくてフットサルばかりやっていたと発言していたのですが、おそらくその時期です。

フットサルやサッカーに限らずとも、プレーをするとその人の性格がよくわかります。だいたい同じ基本練習をするのにプレースタイルが結局別れてくるのは、性格がそうさせているからです。あるシーンでリスクを考えるより利益を重視するポジションをとる人。あるシーンで協働を重視して判断を行う人、個人の結果を重視する判断をする人。スポーツにおける判断はほぼ性格です。

で、手越君ですが、基本的に自陣のゴール前でぷらぷらしています。残りの3人が一生懸命ディフェンスします。自陣のゴール前というのは、相手を追いかける労力や、接触したりするリスクがほぼない唯一の場所です。で、高い位置でボールを奪えた場合、彼は何も反応しません。唯一、相手チーム(我々)が押し込んで、自陣深い位置でボールを奪ったときのみ、自分だけ余った体力を駆使して一気にオーバーラップ、ドリブルと簡単なワンツー等でシュートまでいって「てい!」って点をとったり、とらなかったりします。とれなかったときは「てへ!」って笑います。

周りを働かせて自分だけおいしいところを持っていく。そういう性格。本当に、そういう人なんです。

ひどいやつだと思うかもしれませんが、それが意外と思わないのです。なんと言っても彼はアイドル。フットサルだって怪我はしますし、酷い場合は靭帯伸ばしたりします。我々世代のプレーヤーはそうやって引退のくじ引きを順番に引いていくわけです。彼も怪我でもしたらコンサートもパフォーマンスもできないわけで、極力接触を減らすプレイスタイルは実はプロフェッショナリズムの現れ。少なくとも私はそう思い、いやらしさをまったく感じませんでした。むしろそれでも「おいしいところはもらってゆく」という姿勢の潔さに感銘すら覚えたほどです。


さて、今回の騒動ですがやはりエポックメイキングだと思います。

これまでもジャニーズ事務所さんをやめたタレントさんはたくさんいますが、その目的は「より本格的で自由な音楽活動」とか「より本格的な役者業への専念」とか、「アイドル」の領域から離れてゆく目的が多かったように思います。純粋なトラブル除く。

でも手越君がやりたい今後の事業領域は、従来のアイドルのそれとほとんど重なるように思います。だからワイドショーでも結局何がしたいのかわからないとか叩かれました。従来とそんなに変わらないんだから言いようがないと思います。

ポイントは従来の事業領域でも独立した方が今後、事業拡張できる可能性があると踏んでいる点であって、そのことは事務所を通じてテレビやその他メディアの仕事を受注するより、その方が拡張性があるというバランスに今のエンターテイメントメディアの環境が変わってしまったということを意味します。アイドルという純マスメディア的な職能の方でさえ、この判断をした。パーっとオーバーラップしていってしまった。

このメディア環境の変化が、まさに今のエポックだと思うのです。

この判断をするのは容易なことではありません。もちろんバカではできません。いくじなしでもできません。根アカだからだとか言われてますが、狙ってるんですよ。狙ってなきゃできないんです。まさにこここそが私が手越祐也を愛する理由なのです。

我々(のビジネスに関わる人々)は今後このメディア環境において、エンターテイナーやアーティストとつきあってゆくことになりますし、そのことを自覚した上でいろいろ考えないといけないと思う今日この頃です。


では、ですが、もうジャニーズ事務所さんのようなビジネスモデルはもう古いのからいらないのか?それは違うと思います。

やはり現状、「元ジャニーズ、NEWSの手越君」を見ているのであって、これはまさに前の投稿で書いた「基盤資産」です。

アイドルやダンスユニットなど最初からある程度大きな枠でエンターテインメントを提供する人たちは「誰々がプロデュースした」という肩書きが重要であり、それはプロデューサーだったり事務所だったりします。

今、手越君はその「基盤資産」の上に「拡張資産」を自身のメディア発信で拡張させているわけですが、たとえば今後その枠組みの中からは「手越君の弟子」とか出てくるわけがないわけです。本人もつくるつもりないでしょうけど。「拡張資産」の獲得に重心を移した人は確かな「基盤資産」をもった人を生み出すことができないんだと思います。


じゃあ確かにあるこの流れの中で、誰が、どのようにして新しいスターを生み出してゆくのか?

これは大きなテーマですね。

つまり、ロングテール化したエンタメ社会にヒーローは舞い降りるのか?

まず、次の時代は基盤側からでしょう。

でもその次は、、、もしかしたらグローバルの波に飲み込まれるのかもしれませんね。そうなったら個人的には悲しいことです。



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