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日本初の「DX×PE」ファンド、D Capitalとは?

ITシステムとデータを軸に日本の中小企業の変革を後押し。
日本初、DX(デジタル・トランスフォーメーション)をテーマに掲げるプライベート・エクイティ・ファンドとは?

はじめに

はじめまして。D Capitalパートナーの松谷です。この度、note 公式アカウントを立ち上げることになりました。

  • プライベート・エクイティ・ファンドに興味がある方

  • DXの実情を知りたい方

  • 日本における産業の中核・中小企業での支援に興味があるエンジニアの方

  • テクノロジーを生かした企業のバリューアップに興味がある方

など、広く興味を持っていただけるような記事を順次公開していければと思います。初回である本記事では、ご挨拶もかねてD Capitalの紹介と今後何に取り組んでいくかについてお届けします。

D Capitalの概要

D Capitalは、「DX×PE」をコンセプトに掲げ、第一線で活躍する投資プロフェッショナルとDXプロフェッショナルから構成される日本初のプライベート・エクイティ・ファンドです。

日本の構造課題である産業の生産性向上に貢献するため、日本企業の大多数を占める中小企業に対して、キャピタル・テクノロジー・ネットワークを提供することで、DX推進を主軸とした企業成長をハンズオンで支援しています。

D Capital株式会社は2021年3月に発足し、DXを普遍的に推進するための体制やネットワークの構築を進めてきました。2021年11月に第一号案件もスタートしています。

設立の経緯

D Capitalには投資プロフェッショナルに加え、筆者をはじめソフトウェアエンジニアやデータサイエンティスト出身のDXプロフェッショナルが創業より多数参画しています。
ビジネス・投資・IT・エンジニアリング、異なる背景とキャリアを持ったプロフェッショナルが結集しD Capitalの設立に至った根幹の問題意識として、日本の生産性の低さがあります。 

日本のGDP成長及び生産性は他の先進国に比べ停滞しており、今後も少子高齢化・労働人口減少・国内市場縮小が進むと予想される日本において、産業の生産性向上は至上命題です。
特に、日本企業の99.7%を占める中小企業の変革が必須です。

中小企業が経営改善や価値向上に取り組むためにはITシステムとデータの活用が必要ですが、人材や知見の不足など様々な理由から経営の意思決定上論点にすらなかなか至らないのが現状です。

そういった企業に対し、プライベート・エクイティ・ファンドとして必要な資源と知見を提供しDX推進をハンズオンで支援することで、効果的な成長を実現できるというのがD Capital設立の背景にある構想です。

D Capitalの第一号ファンドを通して実際に支援できる企業の数はおそらく今後6~10件程度と限られていますが、支援先における様々な取り組みをDXによる成功事例などの形で発信することで、長期的な日本の生産性向上への足掛かりをつくっていければ、と考えています。

企業成長の鍵、DX

前章で企業が経営改善や価値向上に取り組むためにはITシステムとデータの活用が不可欠、と書きました。この’戦略的なIT技術の活用’というテーマはDXというキーワードに集約されます。

DXとは何か、改めて簡単にまとめたいと思います。

情報科学分野をはじめとする科学技術の発展により、人間生活と社会は従来の物理的な制約から別次元のものへと解き放たれ、企業においては戦略的なIT技術の活用という新しいテーマが生まれました。特にAI・IoT・ビッグデータ・ロボティクス等、各種IT分野における著しい発展は産業や生活の変容を促し、企業はこれらIT技術をいかに取り込み、高い効率性や今までにない価値を実現する存在へ成長を成し遂げていくかが最重要課題です。

これらIT技術を活用して、人々の生活をより豊かにするべく企業文化の改革と生産性向上を実現していくことがデジタルによる変革、すなわちDXで目指すべきものといえます。

DXという用語自体は様々な意味合いで用いられていますが、経済産業省は「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と具体的に提唱し、DX推進ガイドラインDX推進指標を取りまとめています。

DX推進の事例や、ITシステムとデータの活用を可能とする組織については今後本noteでもご紹介できればと思います。

本記事では以下、効果的なDX推進を可能にするD Capitalの強みについてまとめたいと思います。

プライベート・エクイティ・ファンドの強み

企業が効果的なエンジニアリングやデータIT活用を可能にする、’真にDX化した’組織へと変革するには、マネジメントのコミットメントとDXを推進するための人材*へのリーチが必須です。
*以後、ITシステム・データ・AI等を活用して企業文化の改革と生産性向上を実現していく人材のことをDX人材と定義します。

前者の前提となるマネジメントの危機感、特にDXの必要性の認識というのは、日々DXの文字をメディアで目にする頻度の高さに表れているように、大分浸透してきたように思います。
しかし、経営者が覚悟を決めていざDXを進めようと思っても、日本の多くの中小企業にとってDX人材やパートナーの確保は容易ではありません。
また、DX人材を最大限生かしエンジニアリングやIT活用を軸に成長し続けるための、適切な組織体制への大規模な変革も多くの場合必須です。

プライベート・エクイティ・ファンド(PE)は、企業に中長期の成長資金を供給、もしくは取締役など経営人材を派遣し、経営改善や大規模再建を実施する投資形態です。誕生後30年以上の歴史を持つ米国・欧州においては、銀行に次ぐ社会経済への新たなリスク資金供給の担い手として、その社会的意義の評価を固めつつあります。

この既存のファンド形態に対し、近年では、投資先企業のバリューアップの手法としてITシステム・ビッグデータ・AI等を活用したバイアウトファンドが米国を中心に登場し始めています。
実際に、DX人材や企業ネットワークの紹介、採用における目利きの補佐、理想の組織や体制に関する知見、実際のリソースの投入など、プライベート・エクイティ・ファンドとして提供できる支援には様々なものがあると考えています。

資本に加えネットワークなど必要な資源を企業に提供し(リソース)、経営者と共にガバナンスをきかせてハンズオンで支援する(コミットメント)。プライベート・エクイティ・ファンドは、DXとの親和性が高いと言えます。

DX支援を可能にするネットワーク

経験の豊富なDX人材やテクノロジーは特定の企業や産業に集中しており、それ以外の企業にとってはアクセスが難しいというのが日本の中小企業の実情です。

D Capitalは、メンバーの人的・企業リレーションを生かして組成された広いDXネットワークを持っています。
このネットワークを活用することにより、支援先企業は必要な人材の確保であったり適切な組織体制作り、実際のDX推進などに効果的に取り組むことができます。

様々な産業とテクノロジーに精通したビジネス・エンジニアリング・データサイエンスのトッププレイヤーから構成されるネットワークがD Capitalの「DXギルド」です。この「DXギルド」がDX人材へのアクセスの基盤となり、実際の支援先でのハンズオン支援を可能にします。

アカデミア及びビジネスの第一線で活躍するメンバーから構成される「DXアドバイザリーボード」では、D Capitalの取り組みや支援先関連産業における長期のビジネス・テクノロジー両軸の方向性を議論することにより、広く視座を持って生産性向上と価値創造に取り組むことを目指しています。

IT系事業会社などD Capitalの企業ネットワークも重要な戦略パートナーです。実際のDX推進やその立ち上げフェーズにおいては、ソリューションを提供したり関連する技術領域で知見をもつ企業パートナーの力を借りてDXによるビジネス改善などのQuick Winを作っていくことで、DX推進が現場においても受け入れられやすい雰囲気をつくるケースも想定しています。

D Capitalでは、このようなネットワークと体制により、取り組むDXの再現性を高め、普遍化することを目指しています。

DXギルドやDXアドバイザーへのインタビューも本noteで実施していければと思いますので、お楽しみに!

本noteについて

本noteでは、D Capitalの取り組みやメンバー、プライベート・エクイティ・ファンド、DX、テクノロジー等、様々なトピックについて発信していければと思います。

少しでも気になった方やいいなと感じた方は、ぜひフォローをお願いいたします。
どうか末永くお付き合いいただけると嬉しいです。

これからよろしくお願いいたします!


筆者:松谷 恵 D Capital 取締役/パートナー

東京大学工学部卒業。マサチューセッツ工科大学博士課程修了。航空機制御理論研究を経て、米投資銀行(東京・NY)にてトレーディングの自動化に関する研究開発に従事。その後、ファッションEコマースZOZOの研究機関であるZOZORESEARCHを立ち上げ、テクノロジー子会社取締役CSOとしてAI研究開発及びデータ戦略を推進。創業パートナーとしてD Capital株式会社の立ち上げより参画。