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2020/07/27-08/01 dB日誌

7月27日(月)

雨はパラっと降るくらい。劇場内では、動物園振付映像撮影に向けて照明実験をしている。隣のテーブルで仕事していたボリが、日本語があまり話せない人やその家族も参加できるような、ダンスクラスの打合せでアランを呼び出している。このマルチ・ランゲージで広報し、やさしいにほんごでナビゲートするdB新規プログラムは8月下旬実施予定。この企画の打合せ後、アランのあたためている、アフリカ・トーゴとの交流プログラムの話になる。アランに出会うまで、私はトーゴという国を知らなかった。人が動いてつながりを作るんだな、と改めて思う。帰宅後、隣の家に住むアランが、オンラインミーティングするのに、場所(とwifi)貸してとやってくる。(子どもの寝る時間と被ったんだな。)終わって、Dance Artist View<セルフカルチベート企画>の話に。日本語の募集の情報は、どうしても漏らすものが多そうだ。自身が描く活動や環境を実現するための企画で、自分に足りないことを分析しそれを補うことで自分の未来を開くもの、と説明。・・・気づけばミッドナイト。ここ数日20-30代の振付家やダンサーと話すことが多いが、この企画も彼らが今一歩突破できない壁を、突き破る機会になるといいなと思う。(文)

[コロナ対応]劇場の狭いoffice内ではなく、窓のあるロビーの大きい机で少しずつ離れて仕事をしている。少人数でそれぞれPCに向かってる時間などはマスクを外す。

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7月28日(火)

くもり。今日はいつもよりめちゃくちゃ早く家を出たが、その分通勤通学ラッシュに引っかかってしまった。考えてなかった。

今日は毎週のバレエクラス。またお一人、新たな受講者さんが看板を見て 来てくださった。先週アヤカちゃんも日誌に書いていたけど、この町には踊る人が隠れている、いや、隠れすぎている。ゆったりとした大好きなバレエ音楽を背に、目の前ではだっくんが恐竜のおもちゃとスライムで遊んでいる。そして小さい声でずっと何かを呟いている。わー、だっくんの世界が出来上がってる、はちゃめちゃに可愛い。これは毎週だけども、劇場からリトルマーメイドの「パート・オブ・ユア・ワールド」が流れてくると、私も思わずセリフ(劇団四季バージョン)を呟いてしまうのだ。アラサー、可愛くはない。 だっくん、王子様やれば良いのに。と誘ってみたが(個人的には激似合うと思う)、踊りたくはないと一喝。の割には劇場内をめちゃくちゃ覗く。「踊りたくなったら踊れば良いよ」、がすぐ横にある環境、めちゃくちゃ凄いんよ?笑

今日は比較的ゆったりの日(やることは山積みだけれども)。ゆったりついでにだっくんと2人でお昼ご飯の買い出しに、まずは近くの千鶴屋さんに揚げたてコロッケを買いに行く。「コロッケ2つ!ジャガイモのコロッケ!」うん、コロッケはジャガイモで出来てるんだよ。千鶴屋さんも大笑い。しかし、今まで出来なかった注文をする姿を見て感動。出来ることがどんどん増えてらっしゃる。

午後になると、王子動物園でリサーチ&撮影をしていた田中さんより連絡が、激かわパンダ写真と一緒に。今週のバナー決定です。2週続けてパンダ。笑(新家)

[コロナ対応] 朝、除菌シートがなくなっていることが分かり、走って買いに行く。前までは見つけるのも一苦労だったのに。そろそろ改めて備品の確認やらしないといけないね。

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7月29日(水)

晴れ。洗濯は1回。今日はミーティング三昧である。

午前中は、趙恵美さん。9月から韓国舞踊のクラスをdBで始めるので、スケジュールと内容の確認を行う。恵美さんは、“芸”への向かい方がとても正直で真摯で、尊敬している。現在、新型コロナ・ウィルスの影響を受けて、これまでの活動の再開に加えて、新たな展開も考えておられる。楽しみだ。会話の中で「日常のほどき方」という言葉を聞いた。身体をほどいて、気持ちをほどいて、この緊張した日常をほどいていく。感染対策は日常的に行っているけど、この状況の中でまだまだ自分自身に対して出来ることがあると思える時間だった。

次に、ランチ・ミーティングを、一級建築士事務所こと・デザインの角野史和さん、NPO法人芸法の小國陽佑さん、そしてdBの文さんと。角野さんが、新型コロナ以降に始めておられる新たな展開について聞いた。やっぱりオモロいこと考えてはる。

最後に、助成申請した事業のプレゼンテーションをZOOMで。ZOOMの距離感を最後まで掴めず撃沈。

最後は、dB田中氏の、城崎国際アートセンターや舞鶴への出張、王子動物園での撮影等の3日間強のめくるめく報告を聞く。今年は田中さんの当たり年である。彼女の力が最大限に発揮できるようにするのが、dBの今年の大事な仕事の一つである。(横堀)

[コロナ対応] 常時換気。打合せ中はマスク着用。

7月30日(木)

曇りときどき大雨。「劇場へようこそ!」2020年の劇場リハーサルが始まった。

5月から筒井潤さん、db田中さんとzoomミーティングを重ね、メンバーとオンライン上で会議し、そしてメンバーほぼほぼ揃っての劇場でのリハ。
いよいよ!という感じである。

前回は子供たちにラジオから流れる言葉を頼りに探検してもらったが、今回はRPGの主人公のように、ミッションをクリアしながら劇場を探検してもらう。
劇場のロビーや廊下、楽屋でできる身体を使った遊びをチームに別れて実践してみた。
どれも面白くなりそうだが、距離感を保ったままミッションに挑んでもらうことがかなり難しい。
「注意」や「禁止」を使わずに、楽しみながらソーシャルディスタンスとやらを保てる仕組みにしなければ。何より我々が楽しんで作ることが大事だ。その辺は心配していないが。

後半はプログラム内の作品、「ファーブル先生へ」の稽古。
しばらくぶりに動くダンサーメンバー、フリは身体に染み込んでいてさすがの一言。
しかし自粛生活で思い切り動かすことができなかったこともあるためか、「体が重い!!!」と悲鳴を上げる者多数。
ゆっくりと身体を起こすべきなのかもしれなかったが、気付け薬としては成功か。ジワジワと体の輪郭が見えていくことが嬉しかった。

ダンサーメンバーの樹里ちゃんが「もうこのまま人の前でおどることはないのかもしれないと思っていた」と帰り道呟いた。「そんなことないやろ!やるで!」と反論したものの、私にそれを保証する術はない。

今年の副題はドント ストップ ダンシング編とした。
コロナ禍で、様々なイベントが中止になる中、ダンスを止めたくない。ダンスをあきらめたくない。踊ることをやめたくない。
そんな願いを込めた副題だ。
踊るしかない。(中西ちさと)

[コロナ対応] 来場時に検温。基本的にマスク着用。ダンス稽古の時も、基本的にはつけるが、無酸素運動レベルのハードな部分では外した。

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7月31日(金)

新長田滞在13日目。朝6時起床。
マグと須磨海浜公園まで散歩に出かける。
自然に触れる時間を持つことは、私やマグにとってかなり重要なこと。海の雄大さに朝から元気をもらう。だんだんと蝉の鳴き声と日差しが強くなってきたので、宿泊先の寿荘にもどる。

今回、神戸市立王子動物園のダンスレクチャー動画の制作のため、約3週間新長田に滞在させてもらうことになっている。愛犬のマグと一緒に。色々な経緯で山でマグと暮らすことになってから、長期遠征は難しくなることを覚悟していたけれど、「マグも一緒に連れてきたらええやん!」と言ってもらえ、劇場にも宿泊先にも同伴させてもらうという、奇跡のような滞在期間を送っている。改めて、dbの皆様の器の大きさとあらゆる不可能を可能にしてしまう寛容さに感激してしまう。

王子動物園振付稽古のため、午後からdbへ。
ヒップホップダンサーであり振付家の優さん、車椅子ダンサーのみくりさん、ダンス留学5期生同期の振付家・ダンサーのもなちゃんと一緒に、前回までにつくった動きのピースを分析、さらに創っては壊しを繰り返す。これだけバックグラウンドの違うダンサーたちとの共同制作は初めてかもしれない。みんなから出てくるアイデアの多様性が面白い。時には体操から、そして時には視察で訪れた王子動物園で出会った動物たちの動きから、振付のエッセンスを抽出していく。

途中で、衣装の瞳さんが、ズボンのフィッティングに来てくださる。一緒に選んだ布地が、瞳さんの手にかかるとあっという間に素敵なコスチュームになってしまう。これから7着分の衣装の製作をお願いしているのだが、完成が楽しみでワクワクが止まらない!

その後、振付全体のラフ版を完成させ、神戸市の志方さんや取材で訪問された神戸新聞の記者さん、dbスタッフの皆さんに通しで見てもらう。今回のラフ版を踏まえて、各関係者の方々からのご意見をいただくとともに、これから私たちの中でさらに検証・構築の作業が続く。老若男女、幅広くたくさんの人たちに親しまれ、一緒に踊ってみたい!と思ってもらえるような振付にするにはどうしたらいいか、、課題は山積みだけれど、きっと良いものをお届けできるように!新長田ライフwithマグ、まだまだ続く…!(武井琴)

[コロナ対応]稽古前の手洗いうがい、手指アルコール消毒、検温。稽古時常にマスクを着用。小まめに休憩を挟み、劇場は扉を開けて外の空気を取り入れる。稽古後は床をアルコール消毒。

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8月1日(土)

梅雨明け、快晴。洗濯は3回。事務所はお休みだが、自宅作業をしているスタッフもいる。私は、子どもの保育園がお休みなので、お休みである。昨日の3件の打合せのフィードバックを進めていきたいのだが、子どもと一緒にいると、どうも頭の切り替えができず、自宅での作業はなかなか難しい。また、自宅に戻りご飯の段取りを考えているうちに、急ぎのタスクも失うように忘れてしまう。

本日の出来事は、先週に続いての須磨海岸である。先週の連休初日に行き、リピートしたかったのだが、ずっと雨だった。そのリベンジが彼のなかの絶対であった。それにしても暑い一日だった。(横堀)

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