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ガンパウダー・ミルクシェイク おクソな男たちをブッ飛ばすシスターフッド・ハードボイルドアクション

あらすじ

ネオンきらめき、銃声轟き、毎夜、血の雨が降るクライム・シティ。
サマンサ=サム(カレン・ギラン)は、その街の暗殺組織「会社ファーム」に属する腕利きの殺し屋、あらゆる格闘技と銃火器の扱いに通じたトップ・アサシンだ。
組織に内緒で内職していた組織のボスのマカリスターの息子を始末したサムだが、派手にやり過ぎたため組織から押し付けられた組織の金を持ち逃げした男を始末するミッションをめぐり、サムは究極の選択を迫られる。
8 才の少女エミリー(クロエ・コールマン)の命と組織への忠誠心、どちらを取るか問われたサムは、組織を裏切り、少女と共に夜の街を駆け抜ける。
幼き日、やはり殺し屋だった母に捨てられたサムにとって、頼る者なき無力な少女は、かつての自分のように思われた。
殺到する殺し屋たちを次々と血祭りに上げていくさなか、サムは思いがけず母親スカーレット(レナ・ヘディ)と再会し、共に深夜の「図書館」に飛び込んだ。
その場所は犯罪者御用達の武器庫で、かつての母の同志であり、名うての殺し屋だった 3 人の女性図書館員、アナ・メイ(アンジェラ・バセット)、マデリン(カーラ・グギーノ)、フローレンス(ミシェル・ヨー)が運営する聖域だった。
女たちの知恵と力を結集し、サムとエミリーは悪の組織への反撃を開始する。 

解説と感想

ウーマン・パワーとオタク・パワーが奇跡の合体。
渦巻く硝煙の中に芽生えた女たちの連帯と共闘を、CG に頼らない生身の格闘、壮烈なカー・チェイス、迫真のガン・ファイトの連続で描いたシスター・ハードボイルド・アクション。
仕事の話し合いをするダイナーや殺し屋御用達の病院やホテルが聖域だったり、「ジョン・ウィック」のような殺し屋がいる世界のリアル感を守りつつ、カラフルな照明のボウリング場でのボウリングの球やキャリーバックなど周りの物を武器に敵とサムが戦うバトルや筋弛緩剤を打たれたサムが手足に武器を装着して戦うバトルのように知恵と工夫でハンデのある敵と戦うジャッキー・チェン的なアクションシーン、手に麻痺が残るサムの支持でエミリーが運転して敵と駐車場で壮絶なチェイスをするカーアクション、ジャニス・ジョップリンの「piece・of・my heart」がBGMに殺し屋が武器を調達する「図書館」でのサムとアナ・メイたち図書館員とサムの母スカーレットが組織の男たちと戦うバトルでは、ナイフ付きの2丁拳銃を使うサムとスカーレットやハンマー🔨使いのアナ・メイやライフルと鎖を使うフローレンスやマシンガンと斧を使うマデリンの戦い方の個性と関係性を織り込みつつ生々しいバトルに仕上がっているアクションシーン、ダイナーでのクライマックスのバトルでは大事な人を守りつつ相手をだし抜いてハンデを逆手に取るアクションシーンになっていて、「キル・ビル」「オールド・ボーイ」などのオマージュを絡めてバラエティ豊かなアクションシーン満載で、男社会の暗黒街に対して「傍観者であることを拒み戦う」女性たちのシスターフッドと共闘を、文学史でフェミニストとして知られる「ジェーン・オースティン」「アガサ・クリスティ」「ヴァージニア・ウルフ」などの女性文学者の本やカーネギーなどの自己啓発本の作者の本に隠された武器を使い知恵と工夫で体格や力のハンデのある男たちに女性殺し屋が立ち向かうアクションが権力などのハンデがある男たちに立ち向かう女性たちの比喩として描かれていて、軽めではあるけどフェミニズムとシスターフッドを謳い上げるシスターフッド・ハードボイルドアクション映画に仕上がっている。

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