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サマリタン シルヴェスター・スタローンがヒーロー映画に挑戦

あらすじ

昔、双子の兄弟がいた。2人は幼少期から尋常ではないパワーを持っており、周囲からは忌み嫌われていた。
街の住人は家に火を放ち、その子たちの両親は死んでしまう。
そしてその兄弟のうち、ひとりはサマリタンとなって正義に目覚め、もうひとりは復讐に燃えてネメシスとなった。
兄弟は敵対する。ネメシスは怒りと憎しみをこめて作ったハンマーを生み出し、サマリタンを倒せる唯一の武器で対抗。ネメシスはサマリタンを発電所に呼び寄せ、息の根を止めようとした。
互角の戦いのすえ、2人は爆発で死んだと言われている。
しかし、サマリタンは生きているのではという噂も絶えない。
舞台は「都市が崩壊するのも時間の問題」という混沌とした街グラニットシティ。
13歳のサム(ジャウォン・ウォルトン)は、母ティファニー(ダーシャ・ポランコ)と貧しい暮らしをする。
サムはギャングのレザ(モイセス・アリアス)の仕事をするもうまく行かず、リンチを受けそうになる。
レザのボスのサイラス(ビルウ・アスベック)は、サムを気に入って助ける。
レザは再びサムを襲うも、ゴミ収集作業員のジョー・スミス(シルヴェスター・スタローン)に助けられる。
これをきっかけにジョーと距離を縮めたサムは、ジョーが25年前に死んだと信じられているスーパーヒーロー「サマリタン」なのではないかと疑い始める。
ジョー本人に尋ねてみると、「サマリタンはネメシスと戦い死んだ。私はゴミ収集で生計を立てているんだ」とやはり否定されてしまう。
しかし、その直後、目の前でジョーが車にはね飛ばされてサムは唖然とするが、同時にジョーの不死身ぶりも目の当たりにする。
一方で、サマリタンの宿敵ネメシスの信奉者でギャングのサイラスはとある金庫を襲い、ネメシスのフェイスマスクとハンマーを盗み出す。
そのパワーを感じながら、ハンマーを手にして地面に打ち付け、サイラスはマスクをつけて鬱憤を溜め込む大衆に呼びかける。
 「今こそ自分たちのものを取り戻そう!」 
こうして暴動が起きる中、サムはジョーの正体を突き止めようと必死になる。
ジョーが、サイラスの仲間が仕掛けた爆発から少女を救ったことから、サマリタンが生きているという噂が広がる。
サイラスは、ジョーがサマリタンであることとサムとの関係を知り、サムを誘拐してジョーをおびき出す。
ジョーは、サムを救うためにサイラスの仲間たちと戦う。
ブラギ・シャットのグラフィックノベルを、アマゾンの傘下に入ったメトロ・ゴールドウィン・マイヤー社とスタローンの制作プロダクション「バルボア・プロダクション」が映画化。

感想

「ロッキー」の舞台フィラデルフィアとバットマンの舞台ゴッサムシティをミックスした感じのグラニットシティを舞台に、引退したスーパーヒーローが貧困と犯罪が悪化している街に跋扈する悪党を相手に立ち上がるというと、「シン・シティ」のフランク・ミラー作品「バットマン・ダークナイト・リターンズ」のような年老いたヒーローの復帰戦のような感じだけど、人助けを人知れずやっているジョーが「俺はひとりが好きなんだ」「名前も知らない人を助けるなんて賢くない」「殴り合うより、モノを直す方が良い」とヒーローらしくないことを言うので、彼がサマリタンなのか怪しく思えるのが、MCUのマーベル映画などでは出来ないサスペンスがある。
世間からは、善と悪に思われたサマリタンとネメシスが、ネメシスの信奉者サイラスが「サマリタンは金持ちしか助けない」とかサイラスの恋人シルが「サイラスがいなければ、飢えて死んでいた」と言っていたり、ジョーの正体が判明するくだりから、ジョーがサムに言ったように「人には善と悪がある。どちらを選ぶか自分次第だ」と単純なスーパーヒーローものではなく「バットマン」のようなダークヒーローものらしいアクション映画になっている。
貧困からギャングの仲間になりかけてるサムが、ジョーから戦い方を学ぶことで正しいことに進む勇気を学び、争いや表に出ることを避けて廃品を直して生きてきたジョーがサマリタンに憧れるサムやギャングの抗争に巻き込まれる子供を救うようになっていくのが、「自分の良心と勇気を持ち、最悪な状況でも正しい道に進めよ」というスタローンが込めた熱いメッセージ性があり、スタローンが武器を満載した清掃車で敵のアジトに殴り込みしたり敵の銃弾を避けながらハンマーや拳で敵をブッ飛ばしたり特殊効果満載のMCUのマーベル映画に飽きた人にも楽しめるアクション映画。
「人には、善と悪の部分がある。どちらを選ぶか自分次第だ」

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